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HOME   »   競馬  »  [競馬コラム137] 史上最強の呼び声も高い シーバード号
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 先日の「競馬コラム134」で、ネイティブダンサーの孫・マジェスティックプリンスがアメリカ競馬で大活躍したことを書きました。

 今回は、同じネイティブダンサーの孫が、ヨーロッパ競馬で大活躍した話です。

 シーバードは1962年にフランスで生まれました。お父さんはダンキューピッド、ネイティブダンサー産駒です。ダンキューピッドは現役時代には重賞を勝っていなかったのですが、名にし負うネイティブダンサーの直仔ですから種牡馬となったのでしょう。

 そして、肌馬シカラードとの間に生まれたのがシーバードでした。

 1964年・2歳馬としてデビューしたシーバードは、2連勝の後、フランス2歳王者決定レースであるグラン・クリテリウムに挑みますが惜しくも2着に敗れました。
 これが、シーバードが生涯唯一勝てなかったレースとなりました。

 1965年・昭和40年、3歳となったシーバードはG2レースで優勝した後、ジョッケクルブ賞(フランスダービー)の前哨戦として有名だったリュパン賞(G1)に挑み、2着馬に6馬身差を付けて圧勝します。
 この年のリュパン賞には、カンブルアンやダイアトムといった強豪馬が出走していたのですが、シーバードは相手にしなかったのです。

 この強さを見て、シーバード陣営は英ダービーを目指すことにしたのでしょう。
 
 1965年の英ダービー競走は、フランス馬シーバードの独壇場でした。残り400mで先頭に立つと、余裕綽々の走りでゴール板を通過しました。2着馬との着差こそ2馬身半でしたが、「シーバードは遊びながら走っていた」と報じられる圧勝だったのです。

 フランスに帰国したシーバードは、7月に古馬との対決となるサンクルー大賞(G1)に快勝して、10月の凱旋門賞に臨みました。
 1965年の凱旋門賞は、各国の4頭のダービー馬やアメリカからの強豪遠征馬などが犇めき、凱旋門賞史上でも「最高レベル」のレースと評価されていました。

 このレースをシーバードは6馬身差で圧勝したのです。
 残り400mでこの年のフランスダービー馬ルリアンスに並びかけると、外側に大きくよれながら、ぐんぐん差を広げてゴールしました。
 これだけのメンバーを「子ども扱いした」ことから、「シーバード強し」の評価が高まり、この年のヨーロッパ年度代表馬に輝きました。
 そして、「伝説的な凱旋門賞優勝」を最後に、現役を引退したのです。

 シーバード号、父ダンキューピッド、母シカラード、父の父ネイティブダンサー。通算成績8戦7勝。この馬も、祖父ネイティブダンサーや、マジェスティックプリンスと同様に、クラシック路線で大活躍しながら「生涯1敗馬」となっています。
 何故、これほど強いサラブレッド達が「1敗」するのかは、とても不思議な感じがします。

 ところで、1敗馬ながらシーバードは「世界競馬史上最強馬」と評されることが多いのです。

 例えば、1955年と1956年の凱旋門賞を3馬身差と6馬身差で連覇し1956年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスも5馬身差で圧勝し、生涯16戦16勝と無敗を誇ったイタリア馬・リボー号の方が、成績は上に見えます。
 欧州3大レース(英ダービー、キングジョージ6世&クイーンエリザベスS、凱旋門賞)の内2つを勝っている点も同水準です。

 もちろん、「最強馬」にリボーを押す声もあるのですが、シーバードを押す声の方が圧倒的に多い。何故なのでしょうか。

 私は「勝ちっぷり」の問題であろうと考えています。

 リボーも各レースを大きな差で勝っていますが、「観る者を呆然とさせるような勝ちっぷり」という点で、シーバードが勝っているのでしょう。

 英ダービーの時、イギリスの新聞が「ダービーに出走するような一流馬を、まるで乗馬クラブの去勢馬のように扱った」と報じたと伝えられていますし、凱旋門賞1965の映像を見る限り、確かにシーバードは余裕綽々で走り、6馬身差を付けているように感じます。
 リポーも6馬身差で凱旋門賞に勝っているのですが、「同じ6馬身差でも戦った相手が違う、レース内容が違う」ということなのでしょうか。

 競馬サークルにおける「多くの専門家の皆さん」を驚愕させた、英ダービーと凱旋門賞の印象、「本気で走ったらどれほど強いのだろう」「この馬を本気にさせる馬が存在するのか?」といった強烈なインパクトが長く語り継がれ、現在でもシーバードが「世界競馬史上最強馬」として評価されているのだと思います。

 1952年~1954年にかけてアメリカ競馬を席巻し、22戦21勝の二冠馬という驚異的な成績を残した葦毛馬・ネイティブダンサー号の子孫達は、ヨーロッパやアメリカといった「競馬先進地域」で目覚ましい活躍を魅せました。

 そして、「最強馬」シーバード号を世に送り出したのです。
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