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HOME   »   スキー  »  [世界ノルディック2015] ノルウェーチームの見事なチームワーク
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 2月19日に行われた男女のスプリント・クラシカル種目では、ノルウェー勢の活躍が目立ちましたが、準々決勝・準決勝におけるチームワークも素晴らしいものでした。

 個人競技でチームワークというのは違和感がある話かもしれませんが、準々決勝と準決勝において、さらに上のレースに進出するための工夫・努力という意味です。

 今大会のスプリント種目では、各レース6名の選手が出場し、2着までの選手は自動的に上のレースに進み、各レースで3着以下の選手たちの中から「走破タイム上位2選手」が「ラッキールーザー(幸運な敗者)」として進出できるルールです。

 一方で、準々決勝は各組6名・計5組の競走があり、準決勝は各組6名・計2組の競走がありますが、それぞれの組の組合せは「くじ引き・抽選」により決まりますから、同じ国・チームのメンバーが同じ組に入ってしまうことが時々有ります。

 ましてやノルディック王国ノルウェーチームの選手達は、いずれも十分な力量を保持していますから、出場選手達の大半が準々決勝に進出しますので、「ブッキングの可能性も高い」のです。
 事実、この日のレースでも、女子では同じ組に3人、男子では同じ組に4人のノルウェー選手が入ってしまいました。

 同組の6名の選手の内3名・4名が同じチームの選手とは、「とても不運な組分け」だと感じますが、ここで「ノルウェーチームのチームワーク」が発揮されたのです。

 例えば、4名が同じ組に入った場合に、4名全員が上のレースに進むためには
① まず、1位と2位をノルウェーの選手で占めること。
② 続いて3位と4位もノルウェーの選手で占めること。つまり1~4位を独占すること。
③ そして、3位と4位の選手の走破タイムが「ラッキールーザー」となるようにレースを進めること。

 という諸条件を満たす必要があります。

 世界トップクラスの他国チームの選手達が6名中2名出場している組で、1~4位を独占することは容易なことではありません。

 加えて、優勝争いが出来る位の力量上位の選手なら、準決勝までのレースで2位に入ることはそれほど難しいことではないと考えられますし、決勝に進出すれば1日に3レースも戦わなければならない厳しい日程ですから、こういう優勝候補の選手にとっては「なるべく体力を温存して勝ち残りたい」と考えるのが普通なのでしょうが、そういう走りをしていては組全体のタイムが遅くなってしまい、その組の3位・4位に入るチームメイトの選手達を「ラッキールーザー」にすることは出来ませんから、相当高いスピードでレースを引っ張る必要があるでしょう。

 つまり、チームメイトの上位レース進出のために、「自分が決勝に進出するために必要なエネルギー以上のエネルギーを消費」しなくてはならないのであろうと思います。「体力を温存する」という、「自分の勝利ための行動」ではなく、チームのための行動を展開することになります。

 そして、ノルウェーチームはこの極めて難しい諸条件を見事にクリアしました。ノルウェーチーム全体の高い実力レベルが無ければ到底できなかったことであろうとも思いますが、4名のチームメイトがそれぞれの役割をキッチリと果たし、見事なチームワークを魅せたのです。

 この日の男子準決勝2組目、1.4kmコース最後の直線手前の上り坂を4名のノルウェーの男子選手達が一心不乱に登って行くシーンが印象的でした。他国チームの2名の選手とは差が付いていましたから、この組の1~4位独占を狙える状況でした。

 あとは「タイムだけ」です。3位と4位になるチームメイトを「ラッキールーザー」にするために、1組目の3・4位の選手達より速い走破タイムが必要なのです。この段階で他国チームの選手に差を付けていても、全力で坂を登らなければならなかったのです。

 結局ノルウェーチームの4名全員が決勝に進出しました。「2着+2」というルールの下で、同じ組に自国選手4名全員が入ってしまった時には、さすがのノルウェーチームも難しい状況に追い込まれたと感じたことでしょうが、決して諦めることなく、全員決勝進出に向けての作戦を練り上げ実行したのでしょう。

 特に、同じ組に入った他国の優勝候補の選手、この選手はゴール前の追い込みの強さに定評がある選手なのですが、この選手が追い込んでくることを想定して、ノルウェーチームも最強の選手(ぺッテル・ノートグ選手)を自国の選手集団の後方に配置して、待ち受けたように観えるのは、驚くべきことでしょう。
 この後の決勝レースで優勝を遂げたペッテル・ノートグ選手は、この準決勝を3着で勝ち上がったのです。自国の大エースを「ラッキールーザー」にすることで、チームメイト4名全員の決勝進出を実現したと見るのは考え過ぎでしょうか。

 もちろん、出来るだけ多くのチームメイトが決勝に進出できれば、決勝レースにおいて「万一エースプレーヤーにトラブルが発生した場合」でも、他のチームメイトが優勝を狙うことができるのでしょうし、「チームとしての多彩な作戦を立案し実行すること」も出来ることになるのでしょうから、結果としては「ノルウェーチームの勝利の確率が高まる」ことに繋がります。
 「全てはノルウェーの栄光の為に」ということなのかもしれません。

 「ノルディック王国」ノルウェーの地位は、こうした不断の努力により維持されているのだと感じます。凄いことです。
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