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HOME   »   NFL  »  [NFL] 試合時間を15秒も残して逆転タッチダウンパスを決めるのでは反省しきり?
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 NFLデンバー・ブロンコスのクオーターバックQBペイトン・マニング選手が登場してくると、解説者の方から「試合時間を15秒も残して、逆転のタッチダウンTDパスを決めたりすると、マニングはとても反省すると思いますよ。完璧主義者ですから。」といったコメントが聞かれます。

 NFLのアメリカンフットボールは、15分を1つのクオーターQとして、4つのクオーター・計60分の試合時間で争われるのですが、表題はその第2Qと第4Qの最後の時間帯の話です。第1Qと第3Qは、チームのサイドが交替になるだけなのですが、第2Qと第4Qは、その終了時に直前の攻撃権他がリセットされるのです。(第4Q終了=試合終了ですから、当然のことと言えば当然ですが)

 特に、第4Qの最後の時間帯、たとえ逆転のTDを決めたとしても、15秒以上の試合時間を残して、相手チームに攻撃の機会を与えるようでは、NFLのトップクラスのQBとしては失敗だということを、前述の解説者の方は言っているのでしょう。

 確かにNFLなら15秒有れば3プレーあるいは4プレーが可能でしょうから、再逆転のTDや3点が取れるフィールドゴールFGのチャンスが相手チームに残ってしまうのです。
 ペイトン・マニング程のQBであれば、残り試合時間15秒以内での逆転TDを実現するべきであるとも、聞こえます。

 ご承知のように、アメリカンフットボールは「試合時間管理」が極めて重要なスポーツです。
 何故かというと、「相手チームの攻撃の時には、自軍には得点チャンスが殆ど無い」からです。この当たり前の事実を深く理解しなければ、アメリカンフットボール、特にその最高峰であるNFLのゲームに勝利することは、覚束ないことでしょう。

 7点以内の点差で負けているゲームで、いかに逆転のTDを決めたいと思っても、攻撃権が相手チームに有るのでは、何もすることが出来ません。
 従って、リードしているチームは「試合時間を消化すること」に注力します。例えば、ランプレーを行えば、プレー終了後も試合時間を示す時計は動き続けます。そして、次のプレー開始まで「40秒の時間を消費できる」のです。

 ファーストダウンからサードダウンまでの3度の攻撃プレーで、最大40秒×3度=120秒の時間を消費できます。これは、時計を進める上ではとても大きなことです。
 そして、10ヤード前進して次のファーストダウンを獲得すれば、再び同じように時間を消費することが出来ますから、守備側のチームは「3度のプレーで10ヤードを前進させること無くフォースダウンを迎える」か「ファンブルやインターセプトを誘発させることでターンオーバーを実現すること」に全力を尽くすこととなります。

 一方、逆転を狙うチームが攻撃権を得た場合で、第4Qの最後・残り時間が少ない状況では、「時計を進めない工夫」が必要になります。
 
 時計を止める方法もいくつかあります。

 「パスプレーでキャッチしたプレーヤーがフィールド外に飛び出すこと」で時計を止めることが出来ますし、前後半3つずつ与えられているタイムアウトを使っても時計を止めることが出来ます。

 また「スパイク」と呼ばれる、QBがセンターからボールを受けた瞬間にフィールドにボールを叩き付けることでも、時計を止めることが出来ます。

 そうすると、時間を残しながら攻撃を続けようとするQBは、サイドライン際のワイドレシーバーWRやタイトエンドTEのプレーヤーにパスを投げて、キャッチ成立後フィールド外に出てもらえるプレーを選択したりします。
 一方の、リードしていて「時計を進めたいチーム」のディフェンスDFプレーヤーは、パスキャッチは許しても、フィールド外に出ることは阻止して、フィールド内でボールデッドとなるようなプレーを展開します。
 この応酬が、NFLのとても面白いところなのです。

 さて、前に簡記したような要素を全て考慮したうえで、「試合時間をコントロールできる」のが、優れたQBということになります。
 そして、多くの解説者は「ペイトン・マニングなら、逆転のTDパスも、試合時間を殆ど残さずに実現できる筈」だと観ているのです。

 そもそも、NFLのレベルで第4Qに逆転タッチダウンTDを決めることさえ、極めて難しいことは明らかであるのに、「取れるチャンスで取る」のでは不十分で、試合時間をコントロールして「取りたい時に取る」のでなければならないというのは、およそ考えられない程難しいことでしょう。

 そして、そういうプレーを自らに課しているプレーヤーが、ペイトン・マニングというクオーターバックQBということになります。

 NFLの魅力・エンターテインメント性を示す事柄は沢山ありますが、この視点もそのひとつであることは、間違いないのでしょう。
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