FC2ブログ
HOME   »   競馬  »  [競馬コラム138] シーバード号の代表産駒 女傑アレ・フランス号
RSSフィード iGoogleに追加 MyYahooに追加
 2月17日の記事で、世界競馬史上最強の呼び声高いシーバード号を採り上げました。シーバードは1965年の凱旋門賞優勝をラストランとして現役を引退、種牡馬となりアメリカの牧場にレンタルされました。

 そして、アメリカにおける7年間の種牡馬生活の後半となる1970年に1頭の牝馬を世に送り出しました。
 これが、後のアレ・フランスです。アレ・フランスはアメリカ生まれで、フランスで活躍したサラブレッドなのです。

 さて、アレ・フランスは2歳時の1972年にデビューし、フランス2歳牝馬王者を決めるマルセルブサック賞(G1、当時はクリテリウムデブリッシュというレース名)に快勝しました。順調な競走馬キャリアをスタートしたのです。

 3歳となった1973年、アレ・フランスはフランス牝馬三冠レースの第一弾、プール・デッセ・デ・プーリッシュ(G1、1600m、1883年開始)に挑み、これも快勝しました。

 続いての牡馬との初対戦で初めて敗れたアレ・フランスでしたが、フランス牝馬三冠レースの第二弾ディアヌ賞(G1、2100m、1841年開始)に臨み、これも快勝します。
 
 秋になり、9月23日のヴェルメイユ賞(フランス牝馬三冠レースの第三弾、G1、2400m、1897年開始)に臨み、これも完勝しました。「フランス牝馬三冠」を達成したのです。
 
 勢いを駆って、10月7日の凱旋門賞にも挑戦することとなったアレ・フランスは1番人気に支持されました。
 実は、ディアヌ賞の前に英ダービーに挑戦するという話もあり、その時のイギリス・ブックメーカーの倍率でもアレ・フランスは1番人気でした。結局、英ダービーへの挑戦は見送られましたが、大レースの距離である2400m競走においては、牝馬・牡馬の区別無く、この年の欧州NO.1の評価を得ていたことが分かりますし、人気も高かったのでしょう。

 しかし、この年の凱旋門賞では、アレ・フランスは2着に敗れてしまいます。勝ったのはラインゴールドでした。
 その後、「牡馬一線級に勝ちたい」という馬主の強い意向から、イギリスのチャンピオンステークス(G1、2000m)に挑みましたが、ここでも2着と、3歳時のアレ・フランスは「牡馬・牝馬共通のチャンピオン」となるには、僅かに力が足りなかった、本格化一歩手前であったのでしょう。

 1974年、4歳古馬となったアレ・フランスは「本格化」の時期を迎えました。
 4月にG2レースを勝ち、5月のガネー賞(G1、2100m)も制し、6月のイスパーン賞(G1、1850m)にも優勝しています。ロンシャン競馬場の春のG1を連勝したのです。

 秋になると、陣営は昨年敗れた凱旋門賞に照準を絞り、前哨戦として有名なG3フォア賞を優勝して、本番に臨み、コンテンスドロワールの追い込みを僅差で凌いで、ついに凱旋門賞優勝を手にしたのです。
 1974年のアレ・フランスは5戦5勝、G1を3勝と抜群の成績を残して、フランス年度代表馬に選出されました。競走馬としての全盛期でした。

 1975年も現役を続けたのですが、この年は勝ったり負けたりというシーズンとなり、11月にはアメリカに遠征したものの大敗を喫してしまいました。
 こうした名馬のキャリアにおいて、時折見られることなのですけれども、「現役引退時期を見損なう」事例が、アレ・フランスにも発生してしまったのです。

 4歳時、凱旋門賞優勝を最後にターフを去っていれば、勝率の低下も無く、「世界競馬史上最強の牝馬」という評価を固めることが出来たように思います。

 アレ・フランス号、父シーバード、母プライスレスジャム、母の父へイル・トゥー・リーズン。通算成績23戦13勝、G1を8勝、フランス牝馬三冠。

 引退後アメリカで繁殖生活に入ったアレ・フランスは、強豪牝馬によく観られるように、強い産駒には恵まれず、5頭の産駒の中で重賞勝ち馬は1頭(G3に優勝)だけでした。

 アレ・フランスは、我が国に欧米競馬の情報が比較的リアルタイムに、比較的多く入り始めた1970年代の代表的な活躍馬として、そしてその「アレ・フランス」という分かりやすく華に満ちた馬名もあって、日本の競馬ファンにとっても大変強く印象に残るサラブレッドとなったのであろうと思います。

 最強馬シーバードは、最強牝馬アレ・フランスを世に送り出しました。

 「アレ・フランス(Allez France)」とは「行け!フランス」という意味なのです。
関連記事
スポンサーサイト



NEXT Entry
[ACL2015] 相次ぐJリーグ勢の敗戦
NEW Topics
[競馬(無観客)] 東京優駿(日本ダービー)2020の注目馬
[温故知新2020-女子テニス1] 「史上最強」 マーガレット・コート選手
[温故知新2020-男子テニス3] ダブルスの名手 ジョン・ニューカム選手
[温故知新2020-陸上競技3] 男子10,000m オリンピック金メダリストの記録
[温故知新2020-競泳2] 男子1,500m自由形 日本チームの全盛期
[温故知新2020-競泳1] 男子100m自由形 日本チームの黄金時代
[FIFAワールドカップ2010準々決勝] ドイツチームの完勝
[温故知新2020-男子テニス2] 「史上最強」 ロッド・レーバー選手
[競馬(無観客)] 優駿牝馬(オークス)2020の注目馬
[温故知新2020-陸上競技2] 男子1,500m オリンピック金メダリストの記録
[温故知新2020-陸上競技1] 男子100m オリンピック金メダリストの記録
[ラグビーワールドカップ2011プールA] 日本チーム フランスチームを相手に65分まで4点差の健闘
[温故知新2020男子テニス-1] ウィンブルドンを勝てなかった イワン・レンドル選手
[競馬コラム268・ヴィクトリアマイル2020] 感動的なレース
[FIFAワールドカップ1986決勝] アルゼンチンチーム 2度目の優勝
[競馬(無観客)] ヴィクトリアマイル2020の注目馬
[NPB・MLB2020] 「開幕」に向けての動き
[ブンデスリーガ2019~20] 無観客での再開へ
[競馬コラム267-日本馬の海外挑戦12] 2009年 牝馬の挑戦
[FIFAワールドカップ2010ラウンド16] ブラジルチーム 貫録の勝利
[FIFAワールドカップ2010ラウンド16] 日本チーム 史上初のPK戦
[FIFAワールドカップ2010ラウンド16] ランパード選手 「幻」のゴール
[Jリーグ2020] イニエスタ選手のオンライントークショー
[競馬(無観客)] NHKマイルカップ2020の注目馬
[NBA2020] 個人トレーニング再開に向けての動き
[UEFA-EURO2012-グループD] イングランドとフランスの激突
[競馬コラム266-天皇賞(春)2020] フィエールマンの連覇とC.ルメール騎手の天皇賞4連勝
[UEFA-EURO2012-グループB] ポルトガル デンマークとの接戦を制す
[競馬コラム265・下鴨ステークス2020] スズカルパン 100戦出走達成!
[UEFA-EURO2012-グループA] 開幕戦 ギリシャチーム 驚異の粘り
[UEFA-EURO2012-グループD] フランスチームの堅守
[競馬(無観客)] 天皇賞(春)2020の注目馬
[UEFA-EURO2012-グループC] イタリアとクロアチア 一歩も引かず
[競馬コラム264-日本馬の海外挑戦11] 2007年 シンガポール競馬への進出
[UEFA-EURO2012準々決勝] クリスティアーノ・ロナウドVSチェフ
[競馬コラム263-日本馬の海外挑戦10] 2006年 ハーツクライとデルタブルース
[スーペルコパ2020準決勝] FCバルセロナ よもやの敗退
[UEFA-EURO2012準決勝] 「怪物」バロテッリ選手の2ゴール
[マラソン2020] 「心臓破りの丘」 山田敬蔵氏 逝去
[競馬コラム262-日本馬の海外挑戦-9] 2005年 ゼンノロブロイとハットトリック
[MLB2020・MVPランキング] バリー・ボンズ選手の凄さ
[フィギュアスケート2020春・世界ランキング] 羽生選手、紀平選手が共に1位
[NPB2020] 菅野智之投手 超絶の仕上がり
[高校野球2020] 花巻東高校 女子野球部が練習開始
[大相撲2020] 豊ノ島の引退
[UEFA-EURO2008決勝] スペインチーム 黄金時代の幕開け
[UEFA-EURO1976準決勝] 降りしきる オランダチームの涙雨
[競馬(無観客)] 皐月賞2020の注目馬
[UEFA-EURO1984準決勝] フランスチーム ポルトガルチームとの「死闘」を制す
[NPB2020] 関根順三氏 逝去
Entry TAG
シーバードの代表産駒・女傑アレフランス  
Comment
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
「スポーツを考える-KaZ」ブログへ
ようこそ!
我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

最新記事
最新コメント
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Page Top
CALENDaR 12345678910111213141516171819202122232425262728293031