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HOME   »   スキー  »  [冬季五輪アルペン三冠] 「白い恋人たち」が流れる中で ジャン・クロード・キリー選手
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 「白い恋人たち」といっても、北海道の有名なお土産ではありません。

 1968年グルノーブル・オリンピック記録映画の主題曲です。

 この大会の記録映画は好評を博し、「白い恋人たち」はヒット曲となりました。あの素晴らしい音楽を背景に、「大会の旗を折りたたむ関係者の姿が映し出されるシーン」は今でも思い出されます。
 「オリンピック公式記録映画」という、どうしても堅苦しくなりがちな映画を、ここまで「お洒落なもの」にしてしまうという、フランスという国の文化・感性に感心した記憶があります。

 さて、このグルノーブルで開催された冬季オリンピックで、地元フランスの期待を一身に背負って「三冠」を成し遂げたのが、ジャン・クロード・キリー選手でした。

 1943年生まれのキリー選手はこの時24歳。
 当時は、「アルペン王国の覇権」はオーストリアとフランスが争っていました。そして、1956年のコルチナダンペッツォ大会でオーストリアのトニー・ザイラー選手が「三冠」を達成し、この大会でフランスのキリー選手が「三冠」となったのです。

 アルペン大国、オーストリアとフランスを象徴する2選手であったと思います。

 キリー選手の「三冠」は、しかし、3種目の「回転」でひと騒動有りました。
 種目が終わった直後には、オーストリアのカール・シュランツ選手の優勝が報じられたからです。シュランツ選手はこの頃のオーストリアチームのエースであり、キリー選手と世界のトップを争っていたスキーヤーでした。

 そのシュランツ選手が大喜びで手を挙げ、向かって左側に居たキリー選手が残念そうな様子で写っている写真が、翌日の新聞各紙を飾っていました。

 この写真が撮られた後、シュランツ選手の「旗門不通過」が宣せられて失格となり、2位に居たキリー選手の優勝→三冠が決まったのです。

 この旗門不通過裁定は二転三転していたと思います。
 旗門不通過の指摘がなされた後、旗門不通過はコースを係員が横切ったためというシュワンツ選手側の主張があり、再レースを実施してシュランツ選手が再び最高タイムを記録した後、最初の滑走においてシュランツ選手が旗門不通過したのは、係員が横切った地点より手前の旗門であったとの指摘がなされて、再び失格となったと記憶していますが、いずれにしても、少し後味の悪い形でした。キリー選手の地元、フランスにおける大会であったことも影響したのでは、との評もありました。

 とはいえ、記録上は間違いなく「キリー選手の三冠」となったのです。

 世界アルペン史上、僅かに2人しか居ない栄誉はキリー選手の上に輝きました。

 グルノーブル・オリンピックの年1968年に現役を引退したキリー選手は、この後タレントとして活躍し、映画にも出演し、現役時代のシーズンオフにトライしていたカーレースにも挑戦しました。あのル・マン24時間耐久レースにも参加しています。
 トニー・ザイラー選手同様に、キリー選手も二枚目だったのです。

 その後1977年に国際スキー連盟(FIS)の委員となったキリーは、フランス・アルベールビルのオリンピック開催に尽力し、1992年アルベールビル・オリンピックの開催を実現しました。
 1987年にアルベールビル・オリンピック組織委員長に就任するなど、「スポーツ官僚」としての活躍を続けました。
1995年にはIOC(国際オリンピック委員会)の委員に就任し、1998年長野オリンピックの調整委員、2006年トリノ・オリンピック組織委員長などを歴任しました。

 そして、ジャン・クロード・キリーが「スポーツ官僚」を辞めたのは、2014年ソチ・オリンピック閉幕後でした。
 つい最近まで、キリーは冬季オリンピックと共に在ったのです。

 「トニー・ザイラーとジャン・クロード・キリー」、時代を代表する2人の偉大な「三冠スキーヤー」であったと思います。

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