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 2015年の全日本綱引き選手権大会は、3月8日に東京の駒澤オリンピック公園総合運動場体育館で開催されました。
 今年もテレビ放送されました。

 ご存じのように、「綱引き競技」は近代オリンピックの初期の時代(1900年~1920年)にはオリンピック種目でもあった、歴史と伝統を誇る競技ですし、大きな競技場や大掛かりな設備ではなく、「綱」と相応のスペースが有れば楽しめますので、手軽なスポーツといっても良いと思います。

 一方で、「綱引き競技」で日本一を目指すとなれば、それは生半可なことでは到底不可能なことです。歴史と伝統を誇る競技ですので、不公平が無く、実力がきちんと結果に現れるレギュレーションとルールが確立されているのです。

 さて、2015年の大会を観てみましょう。

① 女子の部 マドラーズ大阪チームが圧勝

 女子の決勝は、マドラーズ大阪VS神戸PULL-BARの顔合わせとなりました。「4年連続同じカード」となったのです。

 今年こそ「王者」マドラーズ大阪の牙城を崩したかった神戸PULL-BARでしたが、結果はマドラーズ大阪の圧勝でした。
 これで、マドラーズ大阪チームは「9連覇」を達成し、自らが持つ連覇記録を伸ばしました。

 決勝の1セット目、マドラーズ大阪の8人の選手の合計体重は、上限とされる500kgより少なかったのですが、2セット目には選手を交代し「丁度500kg」のチームとしました。つまり、万が一1セット目を落としたとしても、2セット目は必ず取り、3セット目で勝負する作戦だったのでしょう。

 ご承知のように、綱引きは選手の体重が重い方が有利です。同じ筋力同士であれば、重い方が引かれ難いのは道理。従って、綱引き競技では「チーム全体(8名)の体重の合計上限」が定められています。現在は、女子が500kg、男子が600kgです。

 「力が強くて体重が重い選手」を揃えれば有利なスポーツなのですが、チームの合計体重上限が決められていますので、事はそう単純ではありません。大男・大女?ばかりを集めれば勝てるという競技とならないようなレギュレーションとなっているのです。

 さて、本題に戻ると、万一も考慮した第1セットも勝利したマドラーズ大阪ですから、第2セットも圧勝して、セットカウント2-0で優勝ということになったのです。

 神戸PULL-BARも相当強くなっているのですが、主審の「プル」の声で競技が始まった瞬間に、「マドラーズの方が強い」と感じます。
 選手の足が余計な動きをしていないことと、綱の位置が高いのです。

 全日本綱引き選手権大会・女子の部は、まだまだマドラーズ大阪の時代が続きそうな感じです。
 それにしても、「女子の部」は何時の時代も「強力なチーム」が存在している感じです。かての「旭川BL(北海道)」、「コスモレディースTC(大分)」、「コベルコ科研(兵庫)」、そして現在のマドラーズ大阪と続きます。そして、マドラーズ大阪が「最も長い王朝」を継続しているのです。

② 男子の部 進友会(長野)がリベンジ

 男子の決勝は、進友会とBIWAKO同志会(滋賀)の顔合わせとなりました。こちらも「4年連続同一カード」です。2012年と2013年は進友会が勝ち、2014年はBIWAKO同志会が優勝しています。

 決勝戦は「互角の様相」となりました。女子とは異なり、男子は凌ぎを削る戦いとなったのです。

 もともと「まずは相手に引かせて、相手チームの体勢が崩れたと見るや引き返す」戦術を得意としている進友会は、今年も同じ「伝統の戦術」を取りました。一方のBIWAKO同志会は最初から引いて、じりじりと相手を追い詰める作戦でした。

 第1セットは、双方譲らぬ引き合いからBIWAKO同志会が反則3回となって反則負けでした。反則とは、シッティング(尻餅をついたままプレー体制に戻れない時)、ロッキング(ロープの自由な動きを妨害する持ち方をした時)等々ですが、綱引き競技においては相手チームとのギリギリの引き合いの中で、チームとしてバランスが崩れることも多く、選手がお尻を床に付くことは、まま発生します。こうしたプレー振りを審判が厳しくチェックしているのです。

 第2セットは「ノーブル(引分け)」となりました。両チームが殆ど同時に「反則3回目」となったのでしょう。この戦いが互角の戦いであることを如実に示したセットでした。

 第3セット(やりなおしの第2セット)は、進友会が「反則3回」となりBIWAKO同志会が取って、セットカウント1-1のタイになりました。
 
 最終セットは、両チームが秘術を尽くした引き合いを展開しましたが、最後はBIWAKO同志会が「反則3回」となり、進友会が優勝しました。

 2014年大会のリベンジを果たした進友会の選手達はとても嬉しそうでした。これで進友会は通算7度目の優勝と成りました。2005年からの過去11回の大会で7度目の優勝ということですから、現在の男子綱引き界は「進友会の時代」と言って良いのでしょう。

 BIWAKO同志会も素晴らしいパフォーマンスを示しました。進友会とともに、これからも日本の綱引き競技を引っ張って行く存在であることは、間違いありません。
 少し気になったのは、BIWAKO同志会チームは、苦しくなるとロッキングを取られることが多いのです。ギリギリの戦いの中で、一定止むを得ないことなのでしょうが、「勝ち切るためには、こうした反則を減らしていく必要」がありそうです。

 大会の歴史を見ると、男子には「金沢レスキュー隊(石川)」という強豪チームが存在します。過去12度の優勝という、最高回数記録を保持しているチームです。
 その金沢レスキュー隊は、2011年の優勝以降は勝ちきれない大会が続き、今大会もベスト4で敗れてしまいました。「日本の綱引き競技を文字通り引っ張ってきたチーム」ですので、再びその姿を「全日本の決勝」で観たいものです。

 2015年の全日本綱引き選手権大会も、女子はマドラーズ大阪、男子は進友会の優勝で幕を閉じました。
 大会最高齢選手、67歳の女子選手が、「楽しくて仕様がない様子」でインタビューに応じていたのが印象的でした。綱引きとは、そういう競技であり、とても良い競技だと感じます。
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