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HOME   »   サッカー  »  [欧州サッカー] ACミランからパリ・サンジェルマンへ
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 ACミランといえば、泣く子も黙る?名門クラブです。イタリアサッカー1部リーグ(セリエA)を代表する強豪チームとして、数々の栄光に包まれてきました。

 1899年創設という歴史を誇るACミランがセリエAや国際舞台で活躍するようになったのは、第二次世界大戦後のことです。
 特に、1986年に現オーナーであり、前イタリア首相でもあったシルヴィオ・ベルルスコーニ氏が、ACミランを買収し、その豊富な資金を元にチームの補強を行ってから、赤と黒のユニフォームが欧州サッカー、ひいては世界のサッカーをリードする時代がやってきました。
 まずは、監督としてアルゴ・サッキをパルマから引き抜き、続いて1987年にはルート・フリットをオランダのPSVアイントホーフェンから、マルコ・ファンバステンをオランダのアヤックスから、1988年にはフランク・ライカールトをスペインのサラゴサから獲得しました。
 この3人は、1988年のUEFA欧州選手権(ユーロ1988)をオランダが制した時の中心選手でした。オランダの黄金トリオとイタリアを代表する名ディフェンダーであるフランコ・バレージらを擁するACミランに、黄金時代が到来したのは言うまでもありません。
 パオロ・マルディーニ、アレッサンドロ・コスタクルタ、デメトリオ・アルベルティーニといったスーパースター達が次々と加入・活躍した1994年までの間、スクデット(セリエAの優勝エンブレム)の獲得はもちろんとして、UEFAチャンピオンズカップやチャンピオンズリーグで数々のタイトルを奪取しました。

 我が国でも、この時代のACミランの印象は強く、熱狂的なファンが多数生まれ、数ある海外サッカークラブの中でも、最も人気の高いクラブであったと思います。

 その後も紆余曲折はありましたが、ACミランはセリエAを代表する世界的なビッグクラブとして君臨してきました。2010~2011年のセリエAでも優勝しています。我が国のテレビ番組にも「ACミランチャンネル」が、現在でも放送されています。日本で、特定の海外チームのサッカー番組が有料放送ではないチャンネルで継続して放送されている、唯一の例だと思います。ACミランというクラブの、我が国における人気の高さを示す事例だと思います。

 そのACミランが、2012年に入ってから変調をきたしているのです。原因は、欧州経済危機でしょう。ギリシャやスペインの財政危機に代表されるEUの経済問題は、ACミランの経営母体企業の業績にも大きな影響を与えました。
 2012年から、ACミランの中核有名選手達が次々と退団したり、他のチームに放出されたのです。クラレンス・セードルフ、チアゴ・シウバ、アレッサンドロ・ネスタ、アントニオ・カッサーノ、ズルタン・イブラヒモビッチといったプレーヤー達です。

 チームを維持するためには、当然代わりのプレーヤーが必要ですが、獲得したのは若手の比較的無名のプレーヤーが多く、世界中の有名プレーヤーの宝庫だったACミランが、あまり知られていないプレーヤー達のチームに、半年もしない内に変貌してしまったのです。
 世界のビッグクラブの中でも、プレーの華やかさでは屈指の存在であったACミランの急激な変化でした。我が国そして世界中のミラニスタにとっては、とても寂しいことだろうと思います。

 一方で、この欧州経済危機の最中に強力なスポンサーが付き、一気にビッグクラブへと歩み出したクラブがあります。それが、フランス一部リーグ(リーグ・アン)のパリ・サンジェルマンFC(PSG)です。

 パリ・サンジェルマンFCは、1970年設立の比較的新しいクラブです。我が国では、Jリーグでも活躍したパトリック・エムボマ(元カメルーン代表)が一時期所属していたことが知られているくらいで、フランス1部リーグで2回の優勝歴があるとはいえ、世界的にはそれ程有名なクラブではありませんでした。
 そのPSGの株式の過半をカタールの王族が購入し、実質的なオーナーになって以降、その豊富な資金力を背景に、チーム力の強化に乗り出したのです。

 かつてプレーヤーとして、Jリーグの鹿島アントラーズやPSGに所属し、1997年にはACミランに移籍したレオナルド氏(元ブラジル代表)をスポーツ・ディレクターに据えて、有力選手の獲得を開始、2011年末には監督をカルロ・アンチェロッティに交代しました。アンチェロッティは、2001~2009年のACミランの監督でした。
 続いて今年2012年には、プレーヤーとしてACミランから、チアゴ・シウバ(ブラジル代表)、ズルタン・イブラヒモビッチ(スウェーデン代表)というスーパースターを獲得。
 そして現在PSGは、スペインリーグのレアル・マドリードからの移籍話があるカカ(ブラジル代表)の移籍先有力候補にもなっています。カカは、2003~2009年のACミランの中心プレーヤーでした。

 潤沢なオイルマネーを背景に、一気にチーム力を上げたクラブと言えば、最近では2011~2012年のイングランド・プレミアリーグで44年ぶりに優勝したマンチェスター・シティFCが有名ですが、今、パリ・サンジェルマンFCがこれを追いかけています。
 それも、かつてのACミランを、そのまま飲み込むようなチーム創りです。

 ビッグクラブの経営には常に潤沢な資金が必要な時代になったことを、あらためて認識させる事象でした。そして、ACミラン程のクラブでも、半年もしない内に全く違う風景のチームに変わってしまう可能性があることが示されたことは、ある意味では怖いことだとも思います。

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