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HOME   »   サッカー  »  ハリルジャパン4得点でイラクに快勝!
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 6月11日の国際親善試合、日本チームとイラクチームの対戦となったキリンチャレンジカップ2015は、日本が4-0で勝ちました。

 イラクチームのコンディションが良くなかったのではないか、メンバーが一線級では無かったのではないか、とゲーム後色々な情報が流れていますが、それらの点はともかくとして、ハリルジャパンは素晴らしいプレーを展開したと思います。

① 少ないパスでのチャンス創造

 先制点となった前半5分の本田選手のゴールは、「柴崎選手→本田選手」の1本のパスからでした。

 柴崎選手の絶妙のパスと本田選手の絶妙のシュートから生まれた得点です。
 特に本田選手は、丁寧なトラップからイラクゴール右ポストに当ててのゴールですから、極めて高いレベルのプレーであったと思います。さすがはACミランの主力プレーヤーといったところです。

 この数年、日本代表チームは「パスサッカー」に注力していました。「アジアのFCバルセロナ」といった評価を受けていた時期もありました。スペイン代表チームのプレーに観られた、短めの連続パスを基本としたポゼッションサッカーが世界のサッカーの潮流だったことも間違いありません。

 しかし、こうしたサッカーで勝利を積み重ねて行くには、シャビ選手やイニエスタ選手といったスーパープレーヤーの得点力が不可欠ですので、他のチームが真似をしても中々上手く行くものではないのです。

 この数年の日本チームは「パスを、それも出来ることならダイレクトパスを続けて行かなければならない」という、大袈裟に言えば「強迫観念」のもとでプレーを続けていたのかもしれません。

 こうした中で、新しく着任したハリルホジッチ監督は「タテに突破して行くサッカー」を標榜したのです。
 これが、新生日本代表の得点力向上に結び付いていることは、間違いないでしょう。このところの代表マッチで、必ず2得点以上を挙げていることを観ても明らかです。1本か2本の少ないが相手ゴールに向かっていくパスが効果的なのです。

 「シンプルなプレー」が、日本チームの特徴である「スピード」を活かしていると思います。

② ドリブルが効果的

 前述の本田選手のドリブルを始めとして、このゲームではハリルジャパンの「効果的なドリブルプレー」が印象的でした。

 3点目のアシストを始めとして、宇佐美選手のドリブルはイラクチームを脅かしました。宇佐美選手がドリブルを開始すると、これを止めることが出来なかったのです。
 宇佐美選手の方も、伸び伸びとプレーしているように観えました。笑顔が再三見られたのです。

 また、4点目の原口選手の得点もドリブルから生まれました。相手ゴール前で、相手ディフェンダーを振り切って行く力強いドリブルは、原口選手の大きな可能性を示すものであったと感じます。

③ 本田選手と岡崎選手のさすがの得点力

 日本代表チームにおける、本田選手と岡崎選手の得点力の重要性については、これまでも再三書いてきましたが、このゲームでも各々が1点ずつを挙げました。

 この二人のプレーヤーの得点感覚とシュート精度の高さは、群を抜いているのでしょう。この二人のプレーヤーにも「調子の良い試合と悪い試合」がある筈なのですが、どの試合においても得点に絡んでいくところが、凄いところです。

④ 守備陣の活躍

 このゲームでは、日本チームの守備陣が「後ろを取られること」が殆ど在りませんでした。

 これだけ攻撃陣が活躍したゲームですから、吉田選手や槙野選手も体力十分な状態で戦い続けることが出来たということもあるのでしょうが、オーバーラップした時のカバーフォーメーションも含めて、守備陣が良く機能していました。

 守備陣の底に長友選手が位置するプレーも何度か登場しました。長友選手のプレーとしては珍しい感じがしますが、このフォーメーションからチャンスが生まれていましたので、有効な形なのでしょう。こうしたポジションにおいても「長友選手のスピードと強さ」が威力を発揮するのかもしれません。

 また、2点目の槙野選手のゴールも印象的でした。

 抜けてきたコーナーキックCKのボールをファーサイドでキッチリと押し込んだゴールでしたが、ワールドカップ2014・ブラジル大会のブラジルチームのチアゴ・シウバ選手のゴールを髣髴とさせるプレーでした。
 キッチリとしたディフェンスと、セットプレーにおける得点力というのは、代表チームにおけるディフェンダーに臨まれる役割期待そのものです。

⑤ 新戦力の活躍

 前述の通り、柴崎選手・宇佐美選手・原口選手そして槙野選手が大活躍を魅せました。頼もしい限りです。

 これらの、ハリルジャパンになって登用されるようになったプレーヤー達が、代表戦でのプレーを重ねることで、その持ち味をゲームで活かせるようになったのです。別の言い方をすれば「代表チームで自らのプレーを展開できる能力を保持している選手達」ということかもしれません。

 宇佐美選手が「代表初先発」であったというのも意外でしたが、その初先発で伸び伸びとしたプレーを魅せたところが素晴らしい。

 原口選手の気迫に溢れたプレー、突破力も魅力十分です。今後、苦しいゲームになった時に、局面を打開してくれるプレーを生み出してくれることでしょう。

 槙野選手も、すっかり「ハリルジャパンの守備の要」となっています。「ラインの上げ下げは自分が指示している」と公言するプレー振りは、とても頼もしいものです。

 柴崎選手は、遠藤選手の後継者として着々と地歩を固めている感じがします。遠藤選手のテクニックとシュート力は、我が国のサッカー史上でも屈指のものだと思いますから、その後継者となることは、容易なことではないのです。

 日本代表チームとしては、「中盤の要としての遠藤選手の穴を埋めるプレーヤーの発掘」が大きな課題であったとも思います。
 柴崎選手は、その期待に応えてきていると感じます。

 もちろん、遠藤選手と柴崎選手は持ち味が異なります。セットプレー・フリーキックFKの精度・威力は、現時点では遠藤選手の方が上でしょう。(この点では、遠藤選手は日本サッカー史上最高のプレーヤーのひとりでしょう)
 一方で、柴崎選手には「決定的なパスを出す能力」の高さが有ります。ゲームの状況を把握する能力と、正確なパスを出していく能力は抜群の様に感じます。「日本のシャビ」と言ったら、少し褒め過ぎでしょうか。

 私は、柴崎選手にはシャビのような選手に成長して欲しいと考えています。

 一方で、後半に投入された若手プレーヤーの中には、少し物足りないプレーヤーも居ました。特に永井選手は、その持ち味を発揮することが出来ませんでした。永井選手の「タテの突破力」は、日本代表チームにとってはとても大切なものですし、世界的にも中々見られないタイプのプレーヤーだと思います。

 にもかかわらず、このゲームでは殆ど見られませんでした。
 ボールを貰ったら「自ら行く」というプレーに、遠慮せずにトライしていただきたいと思います。永井選手には「日本のロッベン」になって欲しいのです。

 また、武藤選手も目立ちませんでした。武藤選手は10~20mのドリブルからの「意外性満点のプレー」が持ち味だと思います。
 このゲームのような、ゴール前に張り付いたプレーでは持ち味は活きないのではないでしょうか。

 試合後、ハリルホジッチ監督は「美しいゲームに満足している」とコメントしました。辛口であり厳しいことで有名な監督が、こうした表現をするのですから、満足度が高いゲームであったことは明らかです。
 2018年のワールドカップ・ロシア大会に向けての予選開始直前という時期に、ハリルジャパンは良いチームに仕上がってきたのでしょう。

 着任後の短い期間で、よくぞここまで仕上げてきたものだとも感じます。

 6万人を超えるファンで埋め尽くされた日産スタジアムで、日本代表チームは素晴らしいゲームを魅せてくれました。
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