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HOME   »   サッカー  »  [女子サッカーワールドカップ2015] 日本女子サッカーの未来
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 なでしこジャパンの「決勝進出」という快挙に日本中が沸いた大会でしたが、決勝戦後やメディアの取材に応じた選手たちの口から異口同音に発せられるコメントは、「これからの日本女子サッカーへの不安」でしょう。

 極端な例を挙げれば「今後の日本女子サッカーの為に優勝したかった」という趣旨のものまで有りました。「優勝できなかったので、将来が不安だ」という意味にさえ取れるコメントです。

 なでしこジャパンのメンバーは、前回2011年のワールドカップ優勝後、国内リーグの1試合当たりの入場者数が、それ以前の900人台からそれ以降2500人以上に増加した事実、そしてその後4年間入場者数は毎年減少を続け、昨年は1500人位になっていたという事実を、肌で感じてきたのでしょう。

 日本国内の女子サッカー熱を盛り上げるには「ワールドカップで優勝するしかない」という、強い、極めて強い使命感を持って今大会に臨んだものと思われます。メンバーに選ばれた23名の選手達は、眦を決していたのです。

 女子サッカー世界一を決める大会で優勝するしかない、と考えてゲームに臨むというのは、ある意味では素晴らしい目的意識の共有と言えるのでしょうが、あまりにも自らを追い込み過ぎているようにも思います。
 ワールドカップの決勝トーナメント、ベスト8、ベスト4に進出することだけでも、大変な快挙であり、見事な活躍であると思うのですが、選手達はそうは考えていなかったのです。

 一方で、ゲームに臨む選手達はとても楽しそうに観えました。
 1ヵ月間で7試合を、それも極めて厳しい、一瞬たりとも気を抜けないゲームを戦っている選手達の口から、「こうした試合に出場できる喜び」が溢れていました。中3日のゲームでも、疲れている様子など微塵も感じられなかったのです。

 何万人もの観衆、決勝戦などは5万人を優に超える大観衆の下で試合が出来ることは、なでしこジャパンのメンバーにとって無上の喜びであり、23名に選ばれた名誉を心底認識していたのでしょう。
 これ程の大観衆の目の前で試合が出来るのは、自分達にはこの大会しかない=普段の試合はいつも観客が少ない、ことを痛切に感じていたのでしょうか。

 前述の2つの話に共通しているのは「国内リーグでもっと多くの観衆の前でプレーしたい」という願望です。
 やはり、スポーツ選手にとって沢山の観客の前で、自らのプレーを披露することは、無上の喜びなのでしょう。

 世界最高水準にあることが明白な日本女子サッカーを盛り上げていくには、どうしたら良いのでしょうか。

① PR不足

 国内リーグの試合が、何時どこで行われているかのPRが足りないことは間違いないでしょう。

② スポンサー不足

 前①の原因でもありますが、スポンサーの数とその出資金額が足りないことも事実なのでしょう。

 もちろん、スポンサーとなる以上は「宣伝効果が期待できること」が条件となります。慈善事業ではないのですから、「女子サッカーの商品性を高める努力」が不可欠です。

③ 後援会の活動

 サッカーに限らず、観客数・参加者数を増やし定着させていくためには、当初は「動員をかける」必要があります。
 「生で観る」楽しさを広げて行く努力が不可欠なのです。

 子供の頃、親と一緒に観た記憶は、一生残るものなのでしょう。例えば、スタジアムに足を運んだ10人のお子様の内、3人が女子サッカーのファンになるとすれば、その繰り返しは有効な施策でしょう。

 もちろん①~③のような施策は、当然にこれまでも行われてきたことであろうと思いますが、その実施内容が十分であったかどうかは、分からないところでしょう。

 かつて、Jリーグが始まった頃、アルビレックス新潟がチームを盛り上げるために展開した様々な施策は、こうした活動のモデルとなるものでした。
 本当に根気強く、多種多様な施策を展開したのですが、その効果もあって、アルビレックス新潟はチームとしての観客動員数で、浦和レッズと1位2位を争うまでに成長したのです。
 プロスポーツチームとしては、素晴らしい成功であったと思います。(今季、アルビレックス新潟の成績が不振であるところは気になりますが)

 いずれにしても、マーケティングが発達した現代においては、「必要な施策」「有効な活動」は、その前例も含めていくつも在るのですから、女子サッカーにおいてもそうした施策の展開が望まれるのです。

 それも、言葉は悪いのですが「形ばかりの実施」ではなく、性根を据えた取組が不可欠でしょう。

 これは、日本女子サッカー協会や日本女子サッカーリーグ、そしてリーグ所属の各チームの取り組むべき活動でしょう。

 もちろん、選手達もその活動の一翼を担うのは当然のことなのですが、「日本の女子サッカーを盛り上げるためにはワールドカップに優勝するしかない」といった決死の覚悟で大会に臨まなければならない、という状況は好ましいとは言えないと感じます。

 なでしこジャパンのメンバーが、「自らが出来る唯一の方法」として「優勝を至上命題として大会に臨む」というのでは、あまりにも可哀相だと思います。
 本来こうした大会に出場することで得られるべき様々な利点が失われてしまう、せっかくの機会を活かせない怖れがあるのです。

 ワールドカップを終えた選手の皆さんから、「ワールドカップの素晴らしさ」「他国のプレーヤーとの交流」「他国のプレーヤーから学んだこと」「なでしこサッカーの強さの秘密」といった話をどんどん聞いてみたいと思います。

 そうした情報を共有することが、「日本女子サッカーの隆盛に資すること」であろうとも、考えます。

 決勝戦に臨む前夜の公開インタビューで、なでしこの宮間キャプテンから「これからサッカーを始めようという少女達のために(日本における女子サッカー環境を整えて行くために)勝たなければならない」というコメントが有り、「(日本における女子サッカーを)ブームでは無く文化にしたい」という名言が出るに及んで、「日本女子サッカーの未来」に対して、選手達に過大な期待がかかっていると感ぜざるを得ませんでした。

 「決勝戦に進出した喜び」や「チームなでしこの戦術・素晴らしさ・誇り」、「対戦相手であるアメリカチームへのリスペクト」「アメリカチームとの戦い方」等々をもっと明確に表明し、元気と明るさに満ちた会見を、宮間キャプテンにさせてあげることが出来なかった日本女子サッカー界は、大いに反省すべきなのかもしれません。
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