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HOME   »   スキー  »  [ジャンプ] スキージャンプ競技の成績と風は無関係
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 スキージャンプ競技を観ていると、解説者やアナウンサーが「良い風が吹いています」とか「K点付近は無風です」とかいう発言をします。
 踏切から、ランディングバーン上空を落下している(飛行している)ときに、良い向かい風が吹いていると、飛距離が伸びるということを言っているようです。

 そして、思ったように飛距離が伸びないと「風に恵まれませんでした」などとも言います。まるで、ジャンプ競技の成績が、風の良し悪しによって決定されるようなトーンです。

 常識的に考えて、屋外スポーツで風によって成績が大きく左右されるような競技は、プレーヤーにとって不公平感が強い競技ですし、観客から見てもジャンプを見なくとも、風力計だけ見ていれば結果が判ることになりますので、面白くない競技ということになり、消滅していく運命にある競技ということになります。

 ジャンプ競技は、消滅するどころか昔から人気のあるスポーツで、現在でもその人気を維持していますから「風により大きく成績が左右される競技ではない」ことが明らかです。

 それでは、ジャンプ競技の成績に対する風の影響は、どれ位なのでしょう。私は、ほとんど影響がないと考えています。
 もちろん、良い風が吹いている時の方が、悪い風が吹いている時よりも飛距離が伸びることは、間違いないことでしょう。しかし、風は全てのジャンパーに対して吹いているのです。ひとつの競技会の成績・結果に対しては、風の影響はほとんど無いということです。ひとつの競技会の競技時間中であれば、風は概ね平等に各ジャンパーに対して吹いているのです。

 ジャンプ競技というのは「連勝」が多い競技です。

 例えば、「スキージャンプ週間」(欧州では4つのジャンプ台ツアーと呼ばれています)という大会があります。
 1952年~53年シーズンに開始された、スキージャンプ大会としては最も歴史が古い大会のひとつです。昨シーズンまでに60回の開催を数えています。

 「スキージャンプ週間」大会は、12月30日のドイツのオーベルストドルフの競技会と1月1日のガルミッシュパルテンキルヘンの競技会、1月4日のオーストリアのインスブルックの競技会と1月6日のビショフスホーフェンの競技会の、毎年年末年始に開催される4つの競技会(いずれもラージヒル)の総合成績を競う大会です。現在は、後発のスキージャンプ・ワールドカップにも組み込まれています。

 この大会は、前述のように60回の歴史と伝統を誇りますが、この60回の内、概ね1/3の19回の大会において、ひとりのジャンパーが4戦の内3勝以上を挙げているのです。

 我が国で有名なのは、1971年~72年大会の笠谷幸生選手です。1972年2月の札幌オリンピックに向けて調子を上げてきた笠谷は、この大会での3連勝の勢いそのままに、札幌オリンピック70m級ジャンプで、見事に金メダルを獲得しました。
 私が「スキージャンプ週間」の存在を知ったのは、この笠谷選手の活躍によるものです。笠谷は、この大会で3連勝しましたが第4戦を、日本国内のオリンピック予選会に出場するために欠場しましたので、総合優勝は逃しています。笠谷選手が4戦目も出場していたらと考えると、残念ではあります。

 それ以外の日本人ジャンパーでは、1997年~98年大会で船木和喜選手が3勝を挙げて、こちらは総合優勝もしています。船木選手も、この大会3勝の勢いをかって、1998年2月の長野オリンピック・ジャンプ競技、ラージヒル金メダル、ノーマルヒル銀メダルの好成績を挙げました。

 スキージャンプ週間大会で、4戦中3勝を挙げている日本人ジャンパーは、笠谷選手と船木選手の2人だけですが、その2人が、直後のオリンピックで金メダルを獲得しているのは、もちろん偶然ではありません。2人のジャンパーは、ピークをオリンピックに合わせ、絶好調で臨んだのです。事前の大会の好成績無くして、オリンピックだけ勝とうなどというのは、虫のよい話ということになります。応援する私達も、十分に認識しておく必要があります。

 この2人の日本人ジャンパー以外にも、2001年~02年大会でドイツのハンナバルト選手が4戦全勝しています。
 4戦中3勝は、1970年~71年大会のノルウェーのモルク選手、1975年~76年はオーストリアのインナウアー選手、1987年~88年はフィンランドのニッカネン選手、2003年~04年はオーストリアのビドヘルツェル選手、2004年~05年はフィンランドのアホネン選手他、計16回の大会を数えます。

 また、総合優勝の回数では、フィンランドのアホネン選手が5回、ドイツのバイスフロク選手が4回、東ドイツのレクナゲル選手とノルウェーのヴィルコラ選手が3回となっていて、ヴィルコラ選手は3連覇です。

 こうした競技結果を観ると、風と成績が無関係であることは明らかです。1週間強の期間の大会で、3勝以上の成績を残しているジャンパーが皆、個々の競技会の2回ずつ、計6回以上のジャンプにおいて、良い風に恵まれていたということは考えられないからです。

 それどころか、世界のトップアスリートが集まる競技会で、複数のプレーヤーが、これだけ高い勝率を残し得る競技というのも珍しいと言えます。つまり、スキージャンプ競技というのは様々なスポーツの中でも「その時に強い選手が勝利する確率がとても高い競技」と言えます。
 勝ち負けに、風の良し悪しは無関係ということです。

 テレビ放送で、全日本のコーチ職にあるようなハイレベルの専門家である解説者が「今K点付近は良い風ですので、期待できます」といった発言をするのを聴くと、とても心配になります。もちろん、ジャンプ競技を良く知らない視聴者のために、解り易く伝えようとして、そうした表現になるのでしょうが、大会で優勝するジャンパーは風の良し悪しにかかわらず優勝しているのですから、あまり適切な解説とは思えません。

 ジャンプ競技の成績を決めるのは、踏切(サッツ)の強さと速さと角度、そして空中姿勢であることを、キチンと視聴者に伝えるべきだと思うのです。

 また、日本人ジャンパーの皆さんには、大会に臨んでは風のことなど考えず、良いジャンプをすることに集中していただきたいと思います。(十分に認識されていることとは思いますが)
 シャンツェのスタート台に立った時に、良い風が吹いているのかどうか、背中からの悪い風が吹いてきたらどうしよう、などと考えているようでは、結果はおのずと知れたものです。

 歴史的に観てジャンプ競技は、あるジャンパーが勝ち始めると、しばらくの間、その選手が大変高い確率で世界大会を勝ち続ける、競技です。近年であれば、ヤンネ・アホネン選手やアダム・マリッシュ選手、シモン・アマン選手などが相当します。
 ところが、こうした選手でも、調子を崩すと、全く勝てなくなるのです。ここが、他のスポーツ競技とは異なるところです。

 その点から観ると、ジャンプ競技における踏切(サッツ)のタイミング・角度というのは、本当に微妙なもので、十分な筋力があることを前提としてタイミング・角度が合っている間は勝ち続け、合わなくなると容易なことでは合わせることが出来なくなる競技なのではないか、と思っています。

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スキージャンプ週間   笠谷幸生   船木和喜   ヤンネ・アホネン   アダム・マリッシュ   シモン・アマン  
Comment
255
『風によって成績が大きく左右されるような競技は、面白くない競技ということになり、消滅していく運命にある』

だから、

『昔から人気のあるスポーツで、現在でもその人気を維持していますから「風により大きく成績が左右される競技ではない」ことが明らか』

この論理の展開に無理があり過ぎると感じる。風が成績に影響しないなら、風によってスタート地点の高さを変える必要がないはず。

257
「風により大きく成績が左右される競技」だから、後年ウインドファクターとゲートファクターが追加されたんですよ。
スキージャンプ競技の歴史を考えると、つい最近の話です。
それを考えると、むしろスキージャンプは風という不確実性と長く付き合ってきた競技なんです。

これは別にスポーツとして何らおかしなことではありませんし、特に道具を用いることの多いウインタースポーツではある意味当然のことです。

ノルディッククロスカントリーは力量で全て決まりますか?
もちろん力量は第一のファクターです。でも、ワックスだって重要です。
雪質の違いや、気温が上がって溶けることが予想される場合、あるいは競技の途中で新雪が積もって重くなるかもしれない。
ウインタースポーツは自然環境と道具を上手く使う人が勝利に近づくスポーツです。

それでもスキージャンプで連勝する人が多いのは、力のある人同士が同じ条件で飛べるような順番になっているからです。
2本目をいい位置で飛ぶ必要性をさかんに解説者が言うのはこのためです。
これは確実性の話でもあり、もし沙羅ちゃんが1回目15位だったときと2位だったとき、どちらが2回目にいいジャンプができる可能性が高いかというと、おそらく後者です。

これは野外で行われ、自然を相手にやるスポーツな以上、しかたのないことです。

269
余りにも勘違いが過ぎるものが平然と残っているのは害でしかない。よくもこんな思い込みができるものだ。
他の方もコメントしてるが、風の影響があるのがスキージャンプという競技である。やった事がある人間として間違いないことを言っておく。
ここを訪れた人が、ここのコメントまで読んでくれることを願うよ。

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