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HOME   »   ラグビー  »  [関東大学ラグビー]  関東学院大学 2部へ降格
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 12月8日、関東大学ラグビーリーグ戦グループの1部2部入替戦が行われました。

 まず、1部7位の大東文化大学と2部2位の山梨学院大学が対戦。大東文化大学が21-14で勝ち、1部残留を決めました。
 続いて、1部8位の関東学院大学と2部1位の立正大学が対戦、40-17で立正大学が勝ち1部への昇格を決めました。関東学院大学は、2部に降格しました。
 
 関東大学ラグビーリーグ戦グループは1部から6部まであり、シーズンの成績により、それぞれの部毎に入替戦が行われるルールですから、関東学院大学が2部に降格になることは、不思議なことではありません。しかし、あの関東学院大学が、という感じはします。

 関東学院大学にラグビー部(同好会)が出来たのは、1959年・昭和34年です。翌1960年には部になり、1968年には関東大学ラグビーリーグ戦グループの2部に所属しました。1972年には3部に降格し、1974年には牧野監督から春口監督に代わりました。
 この春口廣監督の就任が、同大学ラグビー部のエポックのひとつであったろうと思います。1977年には2部に昇格し、1982年には1部に昇格しています。その後1986年までは、1部の下位に低迷しましたが、1987年に4勝4敗で3位となり、以降はリーグ戦グループ1部の優勝を争う大学になりました。

 1990年には、リーグ戦1部で初優勝、大学選手権にも初出場を果たします。その後1995年までの間は大東文化大学・法政大学との間で熾烈な戦いを続けましたが、1部優勝には今一つ届かないシーズンが続きましたし、大学選手権でも準決勝・準々決勝での敗退が続きました。殻を破る寸前の状態であったと思います。

 そして、1996年のシーズンを迎えます。このシーズン、関東学院大学は7戦全勝で1部優勝を果たします。そして、翌1997年も全勝優勝、加えて全国大学選手権で初優勝したのです。この1997年から2006年までの10年間、同大学のラグビーは全盛期を迎えました。

 この「栄光の10年」の関東学院大学ラグビーの強さは、10年間続けたという意味で、かつてどの大学も実現したことの無い高いレベルの強さであったと思います。
・リーグ戦1部で8回優勝(内5回全勝優勝)
・10年連続大学選手権決勝進出
・大学選手権優勝6回(2連覇2回)、準優勝4回
 という、凄まじい成績です。

 特に、2001年~2006年の大学選手権における早稲田大学との6年連続の決勝戦は、全国大学ラグビーフットボール選手権大会の輝ける歴史のひとコマでしょう。この頃の早稲田大学も毎年相当に強いチームを送り出して来ましたが、前に出るパワーという点では、常に関東学院大学が上回っていたように観えました。3勝3敗という成績も、この6年間を象徴するのに相応しいものでしょう。

 この全盛時の関東学院大学に転機が訪れたのは2007年。2006年に続いてリーグ戦1部を6連勝で走っていましたから、今年も関東学院が大学ラグビーを制するのではないか、と誰もが考えていた折、11月に大麻取締法違反容疑で部員2人が逮捕され、対外試合を自粛してリーグ戦、大学選手権の試合を辞退。
 その後、部員12名の大麻吸引が発覚し、ラグビー部は半年間の対外試合自粛を発表しました。春口監督も辞任し、櫻井監督が就任しました。

 この不祥事の後、関東学院大学のラグビーは次第に勢いを失い、今シーズンの2部降格となったのです。

 こうして見ると、現時点までの同大学ラグビーの全国大学ラグビーにおける足跡は、春口監督と共にあったように思います。
 春口氏は、日本体育大学のラグビー部出身でポジションはスクラムハーフSH。しかし、日体大ではレギュラーにはなれなかったそうです。
 1974年に部員8人の関東学院大学ラグビー部の監督に就任し、最初の2年間は3部で全敗。3年目に初勝利を挙げました。この頃の春口監督は、いつか早稲田・慶応・明治に匹敵するチームを造りたいと日々の練習に打ち込んでいたそうです。
 大学選手権を優勝した際のインタビューにも、名門校への強いライバル意識が観えました。

 春口監督の指導の特徴として、フォワードFW・バックスBKのバランスの良いチーム造りが挙げられると思います。全盛時のチームは、FWもBKも強く、前に出るパワーに溢れていました。従って、攻勢に出た時の強さは格別で、当時の大学チームでは太刀打ちできない感じがしました。

 春口氏在学中の日本体育大学のラグビーチームも大変強く、1969年には大学選手権を制覇しています。この頃の日体大チームのラグビーは、バックスによる横への展開ラグビーの早稲田や、フォワードによる前への突破を主体とした明治のラグビーとは異なり、フランカーとバックスプレーヤーが2~3人並行に走り、短いパスを繋いでゴールラインに迫る、我が国では珍しいランニングラグビーであったと記憶しています。

 春口監督の関東学院大学でのラグビーは、前述3校のいずれにも似ていない、独自のラグビーであったように思います。
 まず、個々のプレーヤーの体が非常に強い。ひとりで相当に突破できる能力があります。FWも突破力があり、ひとりで5~10ヤード抜けていきます。BKも突破力があり、カウンターのスピードも十分です。フルバックに突破力を備えたプレーヤーを配置していることが多かったとも思います。
 一言では表せませんが、高い能力を備えた個人プレーの継続という感じでしょうか。ラックやモールの集団プレーよりも、ラックサイド、スクラムサイドを突破していくイメージがあります。

 その高い能力を有するプレーヤーの代表格が、ナンバーエイトの箕内選手でした。箕内選手を始めてみた時のインパクトは強烈でした。従前の日本の大学ラグビープレーヤーの枠を完全に超えた選手でした。そのパワーは凄まじく、箕内選手の前身は止められないと思いました。関東学院大学ラグビー全盛時の始まりを告げるプレーヤーでしたが、日本ラグビー史上における最強のナンバーエイトの一人だと思います。

 バックスでは、立川選手が印象的でした。フルバックFBから素早く強いカウンター攻撃で、10~20m位前進します。ステップも素晴らしいのですが、何より体が強い。なかなか倒れないのです。関東学院大学の全盛時を飾るトッププレーヤーでした。

 もう一人忘れられないのが有賀選手です。立川選手と同じポジションのFBですが、立川選手とは異なり、巧みなステップで縦に突破してきます。止められそうで止められない感じのランニングは驚異でした。関東学院大学ラグビー全盛時の後半の名プレーヤーでした。

 もちろん、他にも松田選手、淵上選手、山口選手、北川選手、山村選手等々、名プレーヤーが目白押しですが、私が最も印象的だったのは、前述の3人のプレーヤーでした。

 このような歴史と沢山の素晴らしいOBを擁する関東学院大学ラグビーが2部落ちしたことは、頭書した通り不思議なことです。
 報道では、良い選手が集まらなくなり、チーム内の競争も無くなった、といった理由が書かれていますが、1997年以降の栄光の10年間はともかくとして、1990年頃の伸び盛りの関東学院大学ラグビー部には、全国高校ラグビーのトップクラスの選手が集まっていたのでしょうか。
 そうではなく、情熱に溢れた春口監督の下で、限られた戦力を磨きに磨き、チームを創り上げていったのではないでしょうか。

 どんな名門チームにも、必ず苦しい時期があります。関東学院大学ラグビー部も、この降格をチャンスとして捉えて、もっと強いチームになって帰ってきて欲しいものです。
 「怖いぐらいの突破力を具備したチーム」が、私の知っている関東学院大学ラグビー部です。

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