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HOME   »   高校野球  »  [夏の甲子園2015] 「闘争心」と「冷静さ」 オコエ選手のホームラン
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 野球の神様から「この試合の中で好きな打席においてホームランを1本打たせてあげる」と囁かれたとしても、やはり9回表3-3の同点、二死ランナー二塁の打席であったことでしょう。

 関東第一高校のオコエ瑠偉選手がホームランを放ったのは、そういうシチュエーションでした。
 もちろん「野球の神様の囁き」無しのホームランでした。

 8月17日の準々決勝・第四試合・興南高校と関東第一高校の試合で、オコエ選手は比屋根投手に完全に抑え込まれていました。
 第一打席から、内角に食い込んでくる投球に三振・凡打を繰り返していたのです。

 試合は、3-2で逃げ切りを図った関東一の継投に対して、興南が執念を見せて7回裏に同点に追いつきました。こうなると「後攻め」の方が有利になります。

 そして、頭書の9回表の打席を迎えました。
 前4打席の経験が有るとはいえ、この打席でもオコエ選手がヒットを打てるようには観えませんでした。タイミングが全く合っていないのです。

 比屋根投手の勝負球が投じられました。やはり内角、やや低めのストレート、キレも十分の投球であったと思います。

 オコエ選手のバット一閃。打球はライナーで左中間スタンドに突き刺さりました。
 もの凄い打球でした。

 タイミングが完璧に有っていました。キチンと前で捌くことが出来ていました。

 「ここしか無い」という場面で、オコエ選手が魅せた、素晴らしい打撃でした。

 この打席に入るオコエ選手の表情は、とても冷静な印象でした。眼も大きく見開かれではおらず、眉も動かず、「物静かな様子」でした。

 一方、試合後のインタビューでオコエ選手は「内角球を狙っていた。『来た』と思った。打つ前から嬉しかった。」とコメントしています。
 「闘志満々」であったことが明らかです。

 「旺盛な闘争心」と「冷静さ」の両立は、高いレベルのアスリートにとって不可欠なものですが、「同時に保持するのは極めて難しいこと」だと思います。
 厳しいゲームの最中に、評論家のように客観的な心持ちでゲームを眺める人・プレーヤー(闘争心皆無の)は数多く居ますが、高いレベルで両立させているプレーヤーは中々居ません。

 この2つの要素を両立させることが出来るアスリートこそが、日本トップクラス・世界で戦って行けるプレーヤーであろうと、私は考えています。
 オコエ選手には、既に備わっている要素のように観えます。

 加えて、この状況で打てている点は、以前にも書きましたが「持っているプレーヤー」であることを如実に示しています。

 同点、9回表、二死ランナー二塁、という状況ならば、「ヒットを打つこと」でも十分に「持っている」ことの証明になります。
 しかし、オコエ選手はホームランを放ったのです。

 「持っているものが『とても大きい』こと」が明らかでしょう。

 この大会、ここまで一本のホームランも打っておらず、高い走力を活かした長打や驚異的な守備力で注目されていた選手が、「ここしか無い」あるいは「ここで打ったらもの凄い」という場面で、ヒットどころかホームランを打つのですから、これはもう「奇跡のレベル」かもしれません。

 「来た」と思って、打つ前から嬉しかった、といっても「打ち損ね」は在るものでしょう。
 というより、状況からすれば「力んで打ち損ねる可能性」の方が高いのが、野球というスポーツのように感じます。

 オコエ選手が、比屋根投手の一球入魂の内角ストレートを「予想していたとしても」上手く打てるのは、10回に2~3回、ホームランに出来るのは10回に1回位なのではないでしょうか。(勝手な推測で恐縮ですが)
 その1回を、あの局面で披露出来るプレーヤーというのは、「何か」を持っていることは間違いないということになりそうです。

 想像を遥かに超えたオコエ瑠偉選手の潜在能力が、準決勝以降の戦いでも発掘されていくかもしれません。
 
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