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HOME   »   陸上競技  »  [世界陸上2015・男子400m] 予選第2組で何が起こったのか?
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 陸上競技の世界選手権大会2日目、男子400m予選が行われました。
 準決勝に進出するためには、各組の3着までに入り、4着以下の選手の中からタイム上位6名に入らなくてはならないレギュレーションです。

 世界最高レベルの大会ですから、大体「各組の上位2名が44秒台半ば、3着が45秒前後」というのが目安となります。予選から、相応のタイムを叩き出さなければ、次には進めないのです。

 それ位の物差しで予選レースを観ていましたが、第2組で驚くべき記録が出たのです。

 [男子400m予選・第2組の結果]
1着・マスラヒ選手(サウジアラビア) 43秒93
2着・マクドナルド選手(ジャマイカ) 43秒93
3着・マクワラ選手(ボツアナ) 44秒19
4着・ルーニー選手(イギリス) 44秒45
5着・ボネバチア選手(オランダ) 44秒72
6着・マスラ選手(チェコ) 45秒16

 予選で43秒台が出たのです。それも2人。

 頭書の様に、各組の1・2着に入るには44秒台半ばという、概ね自己ベストのタイムを出してこなければならないのですが、一方で「43秒台」というのは「決勝でメダルを争うタイム」ですから、43秒台の記録を保持している有力選手でも、なかなか(というか滅多に)予選では出しては来ない記録なのです。

 それが、同組・同タイムで2人のランナーが出してきた、それもメダルを狙えるレベルとは観られていなかったランナーが叩き出してきたのですから、驚きです。

 全体として「記録が出やすい環境」であったのかというと、そんなことは無く、第1組の1着・バーバーグ選手(アメリカ)は44秒43、第3組の1着・メリット選手(アメリカ)は44秒51、第4組の1着・ジェームズ選手(グレナダ)は44秒56、第5組の1着・ユスフ選手は45秒24、第6組の1着・バンニーキルク選手(南アフリカ)は44秒42、と概ね予想の範囲内の記録でした。
 そして、各組の1着には「メダルを争うメンバー」がズラリと並んでいます。

 そうなると、第2組だけが「尋常ではないタイム」で走ったということになります。いったい何が起こったのでしょうか。

 1着・マスラヒ選手は「アジア新記録」でした。もともと「アジアの英雄」と呼ばれている400mランナーですが、この予選で自己ベスト・サウジアラビア記録・アジア記録を更新した上に「43秒ランナーの仲間入り」を果たしました。

 2着・マクドナルド選手も「ジャマイカ新記録」でした。あの短距離王国ジャマイカの新記録を予選で記録したのです。5着・ボネバチア選手も「オランダ新記録」でした。

 そして、第2組からは5着のボネバチア選手までの5ランナーが準決勝進出を果たしました。また、この組の最下位・6着のマスラ選手でも第5組の1着よりタイムが良かったのです。
 第2組は「圧倒的なレベル」であったことになります。

 第2組に有力選手が集まっていたのであれば、有り得ないことでも無い(それでも予選で43秒台はなかなか出ないと思いますが)のですが、第2組で大会前に「メダルが期待される選手」として指摘されていたのは、3着に入ったマクワラ選手だけでしたから、この好タイムは、やはり不思議です。

 穿った見方で恐縮ですが「レース中ずっと追い風」であったのではないか、「風が回っていた」のではないか、とも考えてしまいます。
 そうでなければ、走り切った6名の選手全員のタイムが良いというのは、説明が付かない様に思うのです。

 他の種目を観ていても、この日の北京オリンピックスタジアムは風向きが頻繁に変わっていました。
 本来、400メートルトラックを一周する種目で、どこを走っても追い風ということは起こり難いことなのでしょうが、次々と風向きが変わるという「奇跡的な偶然」が発生したのかもしれません。

 そんなことをさえ考えさせられてしまうレースでした。

 もちろん、そうした偶然が有ったからと言って、43秒台が2人も出た予選レースの価値がいささかも損なわれるものではありません。

 素晴らしいレースでした。
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世界陸上2015・男子400m予選2組の好記録  
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