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 足でボールを蹴ること自体が人間にとって面白いことで、ボールの種類も様々、ルールも様々、という形で、有史以来人々は「フットボール」を楽しんできたのでしょう。我が国で有名なのは「蹴鞠(けまり)」という遊戯で、平安時代に貴族などの間で行われていたといわれています。

 本稿でいう「サッカーのはじまり」というのは、現在行われているサッカーの起源のことを指します。そして、サッカーは「ラグビーと袂を分かつ」という形で始まった点が、とても興味深いところです。有名な話ですし、筆者は恐縮ながら伝聞でしか知らないことですが、近代スポーツ全般の起源をみるうえで示唆に富んだ話題だと思いますから、採り上げたいと思います。

 いわゆる「フットボール」は、世界中そして欧州でも18世紀頃まで盛んに行われていました。19世紀に入ると、イギリスのパブリックスクール(貴族の子弟用の全寮制の学校)で、子弟教育の一環として盛んに行われるようになり、互いの学校同士の対戦も増えてきましたから、ルール統一の機運が高まりました。フットボールが盛んだったケンブリッジ大学(パブリックスクール卒業生の進学校)で、1839年にフットボールの大会を開こうとしましたが、学生の出身校毎にルールが異なったために、ルール統一への校内の取組が始まり、1846年に基本的なルールを定めました。これが「ケンブリッジ・ルール」と呼ばれるもので、現在のサッカーのルールの礎になっています。サッカーにとって極めて重要なルールである「オフサイド」が、既に取り入れられていた点は、特筆すべきところです。

 ケンブリッジ・ルールが出来たとはいえ基本的な部分のみのルールであり、やはりパブリックスクール毎のルールの違いは存続しました。特に、共に名門パブリックスクールであったイートン校とラグビー校という2校で行われていたルールが、当時のフットボールの2大ルールになって行きました。

 イートン校の「手を使うことを制限するルール」とラグビー校の「ボールを持って走ることを認めるルール」は相容れないため、1863年10月26日にイギリス・ロンドンのパブ(居酒屋)フリーメイソンズ・タバーンに、ロンドンの12のクラブが集まり、最終的なルール統一とフットボール協会の設立のために集まりました。

 しかし、この協議は物別れに終わります。ラグビー校の代表達が席を立ち、後の2つの競技(サッカーとラグビー)が決別したのです。そして、「手を使うことを制限するルール」を主張していたパブリックスクールの代表達によって「フットボール・アソシエーション(FA)→フットボール協会」が設立されました。これこそが、サッカー誕生の瞬間と言われています。
 FAのルールによって行われるフットボールを「アソシエーション・フットボール(協会式フットボール)」と呼び、そのAssociation Footballの略語であるsocに「人」を意味する-erを付けたものがsoccerサッカーの語源となっています。(色々な言葉に-erを付けるのが当時の流行だったそうです)
 

 FA発足後、1863年12月8日までに6回のミーティングを行い、14条からなる統一ルールが制定されました。これが、世界最初のサッカー統一ルールとなりました。前述のケンブリッジ・ルールは、この14条のルールに大きな影響を与えています。
 尚、当初の協会式フットボールは「手を使うことを制限するルール」であって、ボールを手でキャッチすることは認められていたそうです。時代を経て、現代のような「手を使うことを禁止するルール」が確立されていったのです。

 この14条のルールによる世界初のゲームは、同じ1863年の12月19日にイングランドで行われました。国際試合も1870年3月に、イングランドとスコットランドの間で初めて行われました。加えて、大会も1872年にFAカップ(現在も有名なカップ戦)という名称で始まりました。

 こうして、協会式フットボールは瞬く間にイギリス中、世界中に広がりました。

 球技であるフットボールは、大昔から世界中で、様々なルールのもとに行われていたにもかかわらず、「サッカーはイギリスで始まった」とされるのは、こうした事実があるためなのです。
また、ルールを定めたからといって、必ずしも普及していくとは限りませんから、「当該ルールによって行われる競技がとても面白いものであった」ことも、見逃せないところです。
このことから、近代スポーツとして確立されていくための条件が見えてきます。それは
1. 統一ルールができること
2. そのルールのもとで行われる競技が面白く、皆に支持されること
の二つが条件となるのでしょう。

 このサッカーの起源の話は、よく知られている上に、記録が残っているために内容が具体的です。詳細に調べれば、もっともっと面白い深い事実を見つけることができると思います。
 それにしても、居酒屋で各代表はどんなレイアウトで対していたのかとか、FA設立後は参加クラブの代表達で祝杯を挙げたのだろうかとか、興味は尽きません。もし、その居酒屋が当時のままロンドンに残っているのであれば、席に座ってビールでも飲みながら150年前にその場所で行われた協議に思いを馳せてみたいものです。

 さて、決然として席を立ったラグビー校の代表を中心とする「ボールを持って走ることを認めるルール」を支持するグループは、その後どうしたのでしょうか。やはり、ラグビーも産声をあげたのです。



 
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