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HOME   »   陸上競技  »  [世界陸上2015・女子200m] 新しい時代を開いたレースか?
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 先行するトンプソン選手に並びかけて、胸ひとつシパーズ選手が出たところがゴールでした。
 「競り合い」と言う意味で、滅多に観られないタイプのレースであったと思います。

 スタートから4コーナーまでは、2コースのベロニカ・キャンベル選手(ジャマイカ)が飛ばしました。コーナーがきつく、走り難いとされる最インコースで見事なコーナリングを魅せて、直線入り口では1m程のリードを取りました。
 選手キャリアの終盤に差し掛かっていると見られている、オリンピック・世界選手権の金メダリストが、意地の走りを見せたというところでしょうか。

 直線を向いて20m程走ったところで、5コースのトンプソン選手(ジャマイカ)が出ました。素晴らしいスピードでした。

 200mという競技は、直線入り口辺りでトップスピードに達し、残りの80~90mは「減速を可能な限り抑える」走りとなるのです。
 従って、直線の前半でトップに立ったランナーが圧倒的に有利、ゴール手前で追い抜くというのは難しい種目です。ましてや世界選手権大会決勝レースですから、大きく減速するランナーは少ないのです。

 直線前半でリードを許したシパーズ選手(オランダ)は、しかし、腕を大きく振り大きなストライドで追い上げを開始しました。「減速を最小限に抑える」走りでした。
 届かないと観られましたが、じりじりと差を詰めてゴール寸前逆転しました。見事な走りでした。
 3着には前半飛ばしたキャンベル選手が粘り切りました。

 走破タイムも破格のレースでした。シパーズ選手の21秒63は大会新記録であり、トンプソン選手とキャンベル選手も21秒台でした。

 21世紀に入ってからは、男女を通じて「短距離競走種目は黒人ランナーの圧倒的優位」が続いていました。
 黒人、白人、黄色人といった肌の色による区別をすることについては、色々な見解が有るとは思いますが、スポーツを観て行く上で「事実」として捕えて行きたいと思います。

 その黒人ランナー圧倒的優位の時代に、白人ランナーとしてのシパーズ選手が世界選手権で優勝したのです。
 これは、ひょっとすると「ひとつのターニングポイント」となるレースであったのかもしれません。
 
 オランダのダフネ・シパーズ選手は、8月24日に行われた100m競走でも、優勝したフレーザー・プライス選手(ジャマイカ)に0.05秒差の銀メダルを獲得しています。
 200mで金、100mで銀というのは、今大会の女子スプリンターとして最高の成績と言えるでしょう。

 白人ランナーとしては、同じ28日に行われた女子100mハードル種目でも、ロールダー選手(ドイツ)とズバレン選手(スイス)が決勝に進出し、ロールダー選手が銀メダルを獲得しました。7台目ハードルから追い上げを開始して、優勝したウィリアムズ選手に0.02秒差まで迫ったところがゴールでした。優勝していても不思議の無いレースでした。

 シパーズ選手のみならずロールダー選手も、ジャマイカやアメリカの黒人ランナーと互角の戦いを展開したのです。

 2015年北京世界選手権大会は「白人女子スプリンター復権の大会」であったと、後世評価されるかもしれません。
 
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世界陸上2015・シパーズ選手女子200m優勝  
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