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HOME   »   MLB  »  [MLB2015] アフリカ系アメリカ人プレーヤーの減少と中南米のプレーヤーの増加
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 「大越健介 メジャーリーグを行く」という番組が、8月23日にNHK-BSで放送されました。1時間50分に及ぶ番組でした。

 元東京大学野球部のエースピッチャーであり、現在NHKに勤務する大越氏が、1か月間に渡ってアメリカ各地を訪問し、アメリカ合衆国・アメリカの人々とベースボールの関係を観て行くという趣旨であったと思いますが、興味深いテーマも多く、とても楽しく拝見しました。

 その中で、特に興味深かったことを採り上げます。

 番組の前半で、大越氏があまり豊かでは無い人達が住むというエリアを歩きました。
 少年達はバスケットボールに興じていました。野球場もいくつかある(凄いと思います)のですが、殆ど使われていませんでした。

 MLBのプレーヤーに占める「アフリカ系アメリカ人プレーヤーの比率が8%まで下がっている」というリポートでした。
 理由として、「ベースボールはお金がかかるスポーツなので、貧しい人達はやることが出来ない」というもの。

 確かに、野球はお金がかかります。
 私の少年時代は、今から40年以上前ですが、その頃私が通っていた高校にも野球部が有り、甲子園を目指して毎日厳しい練習に取り組んでいました。

 練習が終わると、下級生はボールの手入れをしています。硬球は高価な物なのです。相当痛んで来ていても、なるべく長く使う必要がありました。

 そして、当時は木製であったバットがよく折れるのです。1本3000円位であったと記憶していますが、これが頻繁に折れる。あまり上手では無い選手の打撃練習の時ほど、よく折れると思いました。
 この費用はばかになりませんから、後に金属バットが導入される一因となりました。

 当時の学校全体のスポーツ関連クラブの予算の半分位が、野球部に配分されていたと思います。

 そうした記憶を背景に、この番組のリポートを観て、さもありなんと感じました。

 ところが、番組の後半で、中南米のプレーヤーが採り上げられました。
 ドミニカやプエルトリコといった中南米諸国のプレーヤーのMLBプレーヤーに占める比率は1/4にまで上がっているというのです。
 前述のアフリカ系アメリカ人プレーヤーの減少とは、対照的な話。

 大越氏は、プエルトリコで行われた少年野球大会を取材したのですが、ゲーム後ドミニカの選手達が、海岸沿いの砂浜で草野球に興じている姿が映し出されました。少年達は本当に楽しそうでした。

 「この違いか」と感じました。

 中南米の少年達の家庭が、アフリカ系アメリカ人の家庭と比べて、とても豊かということは無いように思います。
 それでも、少年達は空き地でベースボールに親しんでいるのです。

 同じことが、アフリカ系アメリカ人が住むエリアでは行われていない。

 アメリカでは「ベースボールがお金のかかるスポーツになってしまった」のかもしれないと感じました。
 短期間の少年向けベースボールスクールも登場しましたが、この費用が600ドル・約72,000円でした。600ドルを支払うことが出来る家庭の子でなければ、このスクールには参加できません。
 そうなると、アフリカ系アメリカ人プレーヤーは減って行ってしまうのでしょう。

 今から40~50年前には、空き地で野球をする子供たちの姿が、日本でも多数見られました。私も学校が終わると、仲間と野球をしていました。街角や事務所の庭など、場所は様々であり、ルールも場所により異なるものでしたが、毎日毎日野球をしていました。
 打球が家のガラスを割ってしまったり、通行人の近くを通過することもありました。叱られたりもしましたが、「野球を止めろ」という大人は少なかったと思います。

 中南米の野球小僧たちは、やはり空き地でベースボールに興じているのでしょう。そして、草ベースボール?の中から多くのMLBプレーヤーが育っているのでしょう。

 「豊かな社会」であるアメリカ合衆国では、草ベースボールも管理されたものになり、相応の費用が掛かるものになってしまっているのかもしれません。
 少年達がベースボールをやるには、どこかのチームに所属しなければならなくなっていて、所属するには相応のお金が必要な社会になって来ているのかもしれません。

 昔から、野球はお金がかかるスポーツでした。ボールやバット、グローブやスパイクは安価なものでは無かったのです。
 しかし、現代ではそうした用具の費用に加えて、さらに別の費用が掛かるスポーツになって来ているのかもしれません。

 翻って、日本の状況はどうなのでしょうか。
 現代の日本の都市、特に大都市では、かつてのような草野球をする場所は激減していると感じます。
 空き地が無い訳ではないが、「勝手に野球をやって良い」という雰囲気が無いのでしょう。

 40年以上前の草野球において、「その空地の所有者」など考えたことも有りませんでした。プレーで怪我をしたとしても、「責任の所在」が問題になることも少なかったと思います。
 私もヘッドスライディングの際に、ススキの切り株(野球場では無いので雑草も生え放題でした)が掌に刺さってしまい、大量に出血する怪我を負ったことが有りましたが、怪我が治ったらまた野球をしていました。

 レジャースポーツに怪我は付き物なのです。
 怪我は誰の責任でも無く、強いて言えば「自己責任」ということなのでしょうが、当時はそんな概念も無かった。野球をすれば、時々は怪我もすることが肌で分かっていたという感じでしょうか。
 怪我は、痛いし怖いのですが、それ以上に野球は面白かったということになります。

 また、ボールでガラスが割れたとして、その修復費用がどのように購われていたのかは、子供であった私達には判りませんでしたけれども、その空地で野球を止めろという話になったことは、無かったと記憶しています。
 現代なら、責任の所在を明確にして、当該草野球は止めさせられてしまうのでしょう。

 野球をやりたいのなら、どこかの少年野球チームに入り、ちゃんとした野球場で練習・試合をするように言われるのでしょう。

 日本も「格差社会」になりつつあると言われて久しいのですが、結果として「野球をやったことが無い少年達」が相当の比率に上っている可能性があります。
 
 「仕方が無いこと」だという見解も有るのでしょうし、成熟した社会では止むを得ないという見方もありそうです。
 もちろん、野球以外にも少年達には多様なアミューズメントが用意されていることも、野球離れの一因であることもは間違いなさそうです。

 そうなると「野球の裾野は小さくなって来ている」ことになります。
 前述のように、アメリカ合衆国における「ベースボールの裾野も小さくなって来ている」ようです。

 良し悪しでは無く、「事実として受け入れる」必要があるのでしょうが、少し残念な気がします。
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