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HOME   »   ラグビー  »  [ラグビーWC2015] 「強さの証明」 エディ・ジャパン サモアに快勝!
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 10月3日に行われた、グループリーグB組の日本VSサモアのゲームは、日本チームが終始ゲームを支配し、26-5のスコアで快勝しました。

 南アフリカチームとの緒戦では、「歴史的な勝利」「ワールドカップ史上最大の衝撃」と形容される勝利を挙げたエディ・ジャパンですが、サモアチームにも勝利したことにより、その実力を世界に示しました。

 前半を終えて20-0とリードした時には、「信じられない」という雰囲気が漂いました。
 ヨーロッパの強豪チームで活躍するプレーヤーで固めているサモアチームは、個の力に優れ、ワールドカップとなれば常に「台風の目」としての活躍を続けてきました。
 日本チームも組織力で対抗し、互角の勝負を魅せてくれるものと考えていましたが、20-0というのは、互角では無く「圧倒している」スコアなのです。

 今大会の日本代表チームは、私などの予想を遥かに上回る力を保持しているのでしょう。「世界との相対的な差」は確実に縮まっているのです。
 以下、順不同の感想です。

① 過去7大会で1勝のチームが、今大会2勝目

 この事実が、日本チームの実力向上を如実に示しています。素晴らしい事実です。

 世界は驚いていることでしょう。

② ハンドリングミスが少なかったこと

 南アフリカとのゲームと同様に、このゲームでも日本チームの「小さなミス」はとても少なかったと思います。
 「小さなミス」が致命傷となる「大きなゲーム」において、日本チームは抜群の集中力と気迫十分ながら冷静なゲーム運びを見せました。

 もちろん、ノックオンが0であったというわけではありませんが、致命的なタイミングでのミスは極小であったと思います。
 「こうしたゲーム運びを身に付けて行く手法」は、将来に渡って日本ラグビーの大きな財産となることでしょう。決して忘れてはならないノウハウだと思います。

③ 勝負を決めた「山田章仁選手のトライ」

 前半40分を過ぎでのラストプレー。日本は右サイドに展開し、山田選手が右隅にトライしました。このゲームの日本チームの勝利を確定したトライであったと思います。

 サモアチームのプレーヤーのタックルをくるりと交わしてのトライであり、山田選手の能力の髙さを如何無く示したものでした。

 このトライでエディ・ジャパンは、18-0とリードを広げ、大変難しい角度からのゴールキックを五郎丸選手が決めて20-0としたのです。

 13-0では、2トライ・2ゴールで逆転されてしまいますから、爆発力十分のサモアチーム相手では不十分と感じていた時点での、貴重なトライであったと思います。

 気掛かりなのは、山田選手が後半16分に「強烈な膝蹴り」を顔に受けて退場したことです。ゲームの流れの中でのコンタクトプレーであったと思いますが、相当のダメージであったと思いますし、倒れた山田選手はピクリともしませんでした。大きな怪我でないことを祈ります。

④ 2人掛かり・3人掛かりのタックル

 サモアチームのプレーヤーの突進には、南アフリカチームやスコットランドチームのそれを上回る破壊力が感じられました。凄まじいパワーとスピードでした。
 おそらく、個の力のみを比較すれば、世界最高レベルのチームなのでしょう。

 このアタックに対して日本チームは、南アフリカ戦と同様のダブルタックルの励行はもちろんとして、局面によってはトリプルタックルで対抗しました。
 見事であったのは、「2人掛かり・3人掛かりのタックル」がゲームを通して継続されたことでしょう。

 「大切なプレーを継続する力」が、今大会のエディ・ジャパンの最大の特徴であろうと感じます。どんなに良いプレーでも、単発では大きな成果を上げることは出来ないのでしょう。
 この「継続力具備のノウハウ」も、将来に渡って日本ラグビーの財産となるものであり、決して忘れてしまってはならないものです。

⑤ スクラムでの優位

 このゲームにおける、日本チームのスクラムは秀逸でした。

 第一に、極めて安定して組めていました。
 スクラムからのボール出しのタイミングは、全体として速いことが多かったのですが、こちらも安定していました。様々なトレーニングの成果でしょう。
 こうした大きな大会で「安定したスクラムを組む」というのは容易なことではありません。多くの場合、サイズと重さで劣位にある日本チームが、相手チームと互角のスクラムを組むのですから、第一列のプレーヤーの能力が高いことは間違いありません。
 
 第二に、必要な時に「真っ直ぐ押せる」スクラムであったこと。
 これも凄いことです。あのサモアチームのスクラムを「真っ直ぐ」押したのです。
 このレベルになると、両チームのスクラムテクニックは極めて高度なものになりますから、ただ押すだけでは、スクラムが回ってしまったり、つぶれてしまったりすることが多いのです。

 その場合には、どちらの反則になるかは微妙なところです。実際に落としたチームでは無く、相手側のチームに反則が宣せられることも少なくないと思います。(もちろん、ワールドカップの審判のレベルは高いので、そうしたことは少ないとは思いますが)

 「大男達による秘術の応酬」の中で、日本チームは見事なスクラムワークを展開しました。本当に素晴らしいプレーの連続であったと感じます。

⑥ サモアチームの危険なタックル

 「手を使わず頭からダイビングする」危険なタックルが、サモアチームのプレーの中で時折見られました。アメリカンフットボールのタックルのようなプレーです。

 相手プレーヤーにとっても、自身にとっても、とても危険なプレーですから、シンビンとなり10分間の退場に結び付いてしまいました。

 ヨーロッパの強豪チームに所属するプレーヤーで固めたサモアチームですから、こうしたプレーが欧州強豪リーグでは普通に行われているのかもしれないと感じさせるものでしたが、防具を付けているアメリカンフットボールと同じプレーを、防具無しのスポーツで行うのは危険過ぎるものでしょう。

 首の骨を折ったりして、死亡や寝たきりといった重大な怪我に結び付く可能性があるプレーですので、絶対に回避すべきだと思います。

⑦ エディ・ジョーンズ・ヘッドコーチの指導力の高さ

 南アフリカ戦での歴史的勝利、サモア戦の快勝、という「日本ラグビー史上空前の成果」を挙げた、エディ・ジョーンズHCの指導力の高さは、疑いようの無いものです。
 日常の、選手に対するトレーニングやゲームにおける采配はもちろんとして、チームスタッフの選定、そしてそれらの有能なコーチ達が着任・指導してくれている事実も含めて、その総合的な力量は賞賛に値するものでしょう。

 「日本ラグビーの父」と呼んでも良いと思います。
 エディ・ジョーンズHCの下で、「ブロッサムズは世界にデビューした」のですから。(「出場」と「デビュー」は違います)

 極めて厳しい練習を行っていると伝えられており、その指導法に対して批判が有るとも報じられていますが、この圧倒的な実績を前にしては、そうした批判が的外れな物であることは明らかです。

 ワールドカップという世界最高の大会で、かつて実現したことが無いというか、「想像もできなかった」ような成績を残したという事実は、いかなる誹謗中傷にも耐え得るものでしょう。
 口先だけでは、絶対に実現できない成果なのです。

 2019年のワールドカップ日本大会に向けても、エディ体制で強化を進めていくべきだと思いますが、エディ氏自身は「辞めたい」と漏らしているとも報じられています。「辞めたい」と考える理由が、思ったように強化・指導が出来ないから、とも伝えられています。
 何の指導能力・ノウハウも持たず、ラグビーの本質を全く知らない人達が、エディ氏を批判しているとしたら(そんなことは無いと信じたいところです)、これはいつか来た道です。

 指導者が交代したとたんに弱くなるというのは、様々なスポーツで発生してきた、ゆゆしい事態です。

 「極めて厳しい練習を選手達に課し、選手達がその要請に懸命に応える」ということ自体が、凡庸な指導者には到底出来ないことなのです。
 そして、勝利・好成績という「明らかな成果」により、選手達やファン・日本中に無上の喜びを提供できる人物こそが、ナショナルチームの指導者なのです。

 スポーツにおける実力比較は「相対的なもの」です。

 自らの実力が向上するだけでは、成績向上は望めません。「ライバルチームの実力向上量より、多く向上・進歩すること」が必須なのは、言うまでも無いことです。

 2019年を展望すれば、世界中のチームも今後4年間で実力を上げて来るのですから、日本チームはそれ以上に上げて行かなければ、地元開催における好成績は望めません。
 それどころか、またグループリーグで1勝も出来ないチームに戻る怖れも十分にあるのです。
 「少し停滞すれば、あっという間に置いて行かれる」のが世界大会なのです。

 「ライバルチームより多く進歩させてくれる指導者」として、現在考えられるのは、エディ・ジョーンズ氏だけではないでしょうか。

 さて、ワールドカップ・グループリーグでの2勝という、初めての経験をしている日本代表チームですが、決勝トーナメント進出は難しい状況です。
 グルーブリーグ最終戦のアメリカチームに勝ったとしても、南アフリカ・スコットランド両チームに勝ち点で及ばない可能性があるのです。

 所謂ボーナスポイント(1ゲーム4トライ以上、7点差以内の惜敗)の差が影響している形です。

 とはいえ、もしベスト8・決勝トーナメント進出がならなかったとしても、今大会の日本代表チームの輝きには、いささかの影響もないと感じます。本当に素晴らしいプレー・ゲームを魅せていただいているのです。

 アメリカ戦も、サモア戦同様に互角のゲームです。
 厳しいゲームとなるのでしょうが、波に乗るブロッサムズですから良いゲームを披露してくれるものと思います。

 成長過程のチーム・プレーヤーにとっては、最高の舞台で、自らの持ち味を存分に発揮し、現在自らが残し得る最高の成績を挙げていただくことが最も重要なことでしょう。

 決勝トーナメントに進出できるかどうかは、「神のみぞ知る」領域の話なのです。
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