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HOME   »   大相撲  »  高見山大五郎 その7 「人気」
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 今回は、力士・高見山の現役時代の「人気」がテーマです。(読売新聞の記事の全般に関するものです)

 高見山は、1964年から1984年の20年間現役でしたが、この時期は大相撲の「黄金時代」と言って良いと思います。
 特に、大関・貴ノ花(初代、1965年~1981年に現役)と高見山が、共に幕内に居た時代・1968年~1981年は、「史上最も大相撲人気が高かった時代」であろうと思います。

 大相撲は、昭和30年代(1955年~)から概ね高い人気を維持してきていると思います。八百長問題で揺れた時期もありましたが、それでも国技としての人気が完全に下火になることはありませんでした。

 とはいえ、人気度合いには上がり下がりが有りました。

 私なりに、昭和30年代以降の大相撲の人気をランキングにしてみようと思います。

第一位・貴ノ花時代(1968年~1981年)
第二位・柏鵬(はくほう)時代(1960年~1970年頃)
第三位・若貴時代(1990年~2000年頃)

 第一位の貴ノ花時代とは、初代の貴ノ花(元大関、現在の貴乃花親方の父)が活躍した時代です。高見山もこの時代の人気力士でした。
 初代・貴ノ花(貴ノ花利彰-としあき)の人気は、凄まじいものでした。昭和30年代以降の大相撲の歴史において、最高のものであったと思います。

 貴ノ花は、小さな体(身長183cm体重114kg、現在の幕内最軽量・横綱日馬富士より20kgも軽い)で大きな力士相手に奮戦しました。その強靭な足腰から生まれる驚異的な相撲内容と、凛とした甘いマスクから、人気が爆発したのでしょう。

 読売新聞の「時代の証言者 高見山大五郎」の第14話に出て来る「ちょんまげが先に土俵に付いた」一番も目の覚めるような取組でした。
 貴ノ花と高見山の1980年9月場所の取組は、土俵際での投げの打ち合いとなり、どちらが勝ったのか、どちらが先に土俵に落ちたのかが、微妙な相撲となりました。取組後、スローモーション(当時はこう言いました)で観てみても、ほとんど同時です。

 良く観ると、貴ノ花のちょんまげが僅かに先に土俵に着いています。「ちょんまげも体の一部」ということで、物言いの末この取組は高見山の勝ちとなりました。
 貴ノ花は、全く「かばい手」をしませんでした。そのまま、顔から土俵に突っ込んだのです。鼻血が出ていました。貴ノ花の気迫溢れる取り口でした。
 200kgを超える巨漢の高見山と110kgそこそこの貴ノ花が死闘を演じるのですから、面白くない筈がありません。

 貴ノ花を中心として、あまりに強過ぎてヒール(悪役)であった横綱・北の湖や高見山が活躍していた、この時代は、大相撲の入場券は超プラチナチケットでした。年間契約者や余程の伝手が無い限り、まず入手不可能であったと思います。
 何より、貴ノ花個人の人気が凄まじかったのです。

 また、貴ノ花は大横綱・大鵬の最後の取組相手としても知られています。
 1971年5月場所5日目、大鵬は西小結であった貴ノ花との取組で押されて土俵外に落ちました。これが大鵬の最後の土俵となりました。
 「大相撲人気を支える存在」として、大鵬から貴ノ花にバトンタッチが行われた、象徴的・歴史的な一番であったと思います。

 第三位とした若貴時代において、若花田・貴花田兄弟が十両に上がり、幕内に入ってきた時代となって、相撲人気は再び隆盛となりました。「若貴フィーバー」と呼ばれたものです。
 しかし、この時代に複数の相撲関係者に話を伺った時、「貴ノ花の時は、こんなもんじゃなかった」と声を揃えておっしゃいました。「若貴フィーバー」も、父親の貴ノ花の人気には遠く及ばなかったのでしょう。

 そして、貴ノ花時代を代表する力士のひとりであった高見山も高い人気を誇りました。高見山は「CM横綱」と呼ばれたのです。(読売新聞の記事の「第20話」に出てきます)
 松下電器産業(現、パナソニック)の携帯型テレビ「トランザム」のCMにおけるタップダンスや、丸八真綿の布団のCMにおける「2倍、2倍」「西武劇場」「ジェシーエンゼル編」、富士通のワードプロセッサ「オアシス」のCM、などなど、高見山の姿をテレビで観ない日は無い状態でした。

 特に、丸八真綿の「2倍、2倍」は一世を風靡した傑作CMであったと思います。

 21世紀であれば、高見盛や遠藤がCM横綱と言うことになるのでしょうが、高見山の露出度?の方が遥かに上であったと思います。(もちろん、その後の力士のCM自粛といった動きも影響していますが)

 第二位の柏鵬時代は、横綱・大鵬と横綱・柏戸が並び立った時代です。
 大変有名な時代ですので、ここでは多くを述べませんが、この時代を象徴する言葉としての「巨人・大鵬・卵焼き」を見れば明らかでしょう。
 子供が好きなものを列挙した「巨人・大鵬・卵焼き」は、この時代を象徴する言葉でした。プロ野球と大相撲が、日本の人々にとって最大の娯楽・エンターティンメントであったことを如実に示しています。

 2014年秋から、大相撲人気は復活の兆しを見せています。
 しかし、貴ノ花時代や柏鵬時代、若貴時代と比較すれば、まだまだ「兆し」の段階なのでしょう。

 読売新聞の記事「時代の証言者・高見山大五郎」をベースにしたシリーズも、本稿で7回目となりました。
 最終回となる第8話は、年明けにしたいと思います。
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