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HOME   »   NFL  »  [プレーオフ]  レイ・ルイスとアンドリュー・ラック
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 アメリカのナショナル・フットボール・リーグNFLは、レギュラーシーズンを終了し、プレーオフに突入しています。日本時間2013年1月9日には、アメリカン・フットボール・カンファレンスAFCのワイルドカード、ボルチモア・レイブンズとインディアナポリス・コルツのゲームが、レイブンズの本拠地メリーランド州ボルチモアのM&Tバンクスタジアムで行われ、レイブンズがコルツを24対9で下して、ディビジョナルプレーオフに駒を進めました。

 レギュラーシーズンの前半は好調だったレイブンズですが、中心選手のディフェンスDF・ラインバッカーLBレイ・ルイスの故障・戦線離脱から苦しい戦いが続き、10勝6敗の成績で、何とかプレーオフに進出しました。
 一方のコルツは、昨シーズン2勝14敗と散々な成績でしたので、ドラフト全体1位で、スタンフォード大学から注目のクオーターバックQBアンドリュー・ラックを獲得、他にも効果的な補強が功を奏して、今シーズンは躍進、特にシーズン後半の戦いぶりは素晴らしく、11勝5敗の好成績でプレーオフに進出したのです。

 レイブンズはプレーオフ常連の強豪チームですし、一方のコルツはペイトン・マニング放出後のチーム再建期にありますから、普通に考えればレイブンズ有利に思えますが、逆にシーズン後半の調子・成績を見ると、コルツがレイブンズを圧倒していましたので、大激戦が予想されました。試合のポイントは、ラックを中心としたコルツの攻撃を、レイブンズの強力な守備陣が抑え込めるかどうかに、係っていました。

 本ブログでも、今季NFLの注目選手の一人としてアンドリュー・ラックを挙げましたが、ラックはその期待に見事に応えました。このプレーオフゲームでも、新人QBとしてはNFL記録となる50本のパスを投げるなど、十分にその真価を発揮しました。敗れたりとはいえ、ラックそしてコルツ強しを感じさせるゲームでした。そして、ゲームの主役も、この将来性豊かな新人QBとなる筈だったのです。

 しかし、このゲームの主役はレイブンズのレイ・ルイスでした。シーズン後半に故障したことは前述の通りですが、間に合わないと見られていたルイスが、プレーオフに登場したのです。
 もともとDFが看板のレイブンズとはいえ、そのDF陣の中心選手であり、絶対的な精神的支柱であるルイスが居ると居ないとでは、チームの勢いがまるで違います。ゲーム前の選手紹介の際のいつものダンスでも、場内の盛り上がりは最高潮に達し、ルイス自身の気合も凄まじい感じでした。

 ゲーム中も、さすがにレイ・ルイスというプレーが随所に見られましたし、何よりも13タックルが素晴らしい。派手なサックやインターセプト、ターンオーバーもDFプレーヤーの勲章ですが、1試合10タックル以上というのは、常にDFプレーヤーが誇りにして良い数字です。ルイスは、生涯通算記録でも優にこの数字をクリアしていますし、何よりこうした大試合においてもキッチリと自分の仕事を遂行できるところが、NFLトッププレーヤーであることを示しています。

 このレイ・ルイスが、今年の1月2日に引退を表明したのです。「今シーズン限りで引退する」と。この試合が、勝っても負けてもレイブンズのホームスタジアムで、レイ・ルイスがプレーする、最後のゲームになったのです。プレーオフゲームが、ルイスの引退試合となったのですから、ルイスとしても主役は譲れませんでした。
 
 ボルチモア・レイブンズは、NFLの中でも新しいチームです。もともと、ボルチモアをホームにしていた名門チームコルツが、インディアナポリスに移ってしまったため、スポーツが大変盛んなボルチモアの人達は、新チームの結成を急ぎました。そして、レイブンズが出来たのです。
 1996年にスタートしたレイブンズですが、その1996年にドラフトでマイアミ大学から入団したのが、レイ・ルイスです。つまり、レイブンズの歴史は、ルイスとともにあったのです。

 185㎝・110㎏と、NFLのラインバッカーとしては小柄だったルイスは、やっていけるのかどうか危ぶまれたといいますが、ルーキーイヤーから大活躍。翌1997年には、早くもプロボウルに出場し、以来12回プロボウルに選出されています。また、オールプロにも7回選出されています。
 AFC最優秀守備選手3回、NFL最優秀守備選手2回など、そのキャリアは常に栄光に包まれてきましたが、特に輝いたのが2000年に行われた第35回スーパーボールでした。このゲームで、レイ・ルイスは、LBとして史上初めてMVPとなったのです。そもそもスーパーボールで守備選手がMVPに選ばれること自体が珍しいことなのですが、特にラインバッカーLBという、インターセプトといった派手なプレーには縁がないポジションのプレーヤーが選出されたことは、驚くべきことで、彼のこのゲームでの活躍の素晴らしさを如実に示すものです。

 また、2003年シーズンを前にした、アメリカCBSスポーツの企画「各チームのヘッドコーチに聞く 最も試合を支配しているプレーヤーは誰か」において、圧倒的1位にレイ・ルイスが選ばれたのには、とても驚きました。普通、試合を支配するのは、攻撃陣のそれもクオーターバックQBです。NFLの各ヘッドコーチの投票で、守備陣のLBが試合を最も支配しているとされたことは、ルイス最大の勲章でしょう。

 小柄?な体を活かしたスピードあふれる守備が身上ですが、特に反対サイドのランニングバックRBなどを追いかけながら捕捉するスピードは凄まじく、10~20ヤードをトップスピードで駆け続ける瞬発力は、類を見ないものだと思います。そして、その高いクオリティのプレーを17年間継続してきたことも特筆すべきでしょう。

 加えて、レイ・ルイスは17年間レイブンズ一筋でした。これは、現在NFLの全プレーヤー中、同一チームでプレーしている最長記録です。最近のNFLでは、一流プレーヤーが同一チームでキャリアを終えるというのは、珍しいのです。プレーヤーとしての能力の高さとともに、ボルチモアのファンからとても愛されているということも分かります。

 今回のプレーオフゲームでも、回り込んで捕まえるという得意のプレーが観られました。さすがに全盛時程のスピードはありませんが、ベテランらしい無駄のないコース取りで、RBを止めていました。

 レイブンズ24対9のリードで迎えた、第4クオーター残り40秒、試合終了間近です。レイブンズの攻撃ですが、本来守備プレーヤーであるレイ・ルイスが11人目のプレーヤーとしてフィールドに登場しました。地元ファンへのお別れのための、ヘッドコーチの粋な計らいです。フルバックの位置にセットしたルイスは、QBがボールを地面に叩きつけた瞬間に、いつものダンスを披露しました。
 M&Tバンクスタジアムは、大歓声と笑顔に包まれました。

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