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HOME   »   大相撲  »  [大相撲2016・1月場所] 力士の国際化の後退?
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 大相撲1月場所の十両以下各段の優勝力士は、以下の通りです。

・十両 英乃海(東京都出身)
・幕下 栃丸(東京都出身)
・三段目 千代の海(高知県出身)
・序二段 魁渡(新潟県出身)
・序の口 琴鎌谷(千葉県出身)

 1月場所の各段優勝力士は、全て日本出身力士でした。
 そして、幕内最高優勝が琴奨菊でしたから、優勝力士が全て日本出身力士で占められた場所と言うことになります。
 本当に久しぶりのことだったのではないでしょうか。

 少し前までは、十両以下の各段の優勝力士の内、半分前後はモンゴル出身力士であった印象が有ります。

 この結果は、これまでモンゴル出身力士に押されていた日本出身力士の頑張りの成果なのでしょうか。それとも、「モンゴル出身力士数の減少」が主因なのでしょうか。

 私には、大相撲界全体の力士の出身地リストや比率情報が有りませんので、正確なことは判りませんが、どうも「後者」の様な気がします。
 「新弟子」や入門間もないモンゴル出身力士は、減っているのではないでしょうか。

 アメリカ・ハワイ出身の高見山の活躍からスタートした感のある、「力士の国際化」ですが、いくつかの変遷を経てきているように観えます。

① アメリカ・ハワイ出身力士の時代

 高見山や横綱・曙、横綱・武蔵丸、小結・小錦に代表される力士達です。
 大柄な体躯をベースとした相撲が印象的でした。
 第1回東京オリンピックが開催された1964年の高見山の初土俵からスタートした「時代」ですが、2003年に武蔵丸が引退してからは、ハワイ出身力士の活躍を眼にすることは、めっきり少なくなりました。

 おそらく、ハワイ出身力士の数が激減したのでしょう。

② ヨーロッパ出身力士の時代

 大関・把瑠都や大関・琴欧洲、現役の栃ノ心、碧山、阿夢露、臥牙丸に代表される力士達です。
 こちらは、まだ現役の力士が多数存在しますから、活躍中ということになるのですが、十両以下を観ると、減っています。

③ モンゴル出身力士の時代

 現在の三横綱や大関・照ノ富士、逸ノ城、旭秀鵬、玉鷲、貴ノ岩に代表される力士達であり、特に三役における占有率は抜群ですから、現在の土俵は「モンゴル出身力士の全盛期」と言って良いのでしょう。

 他にも、ブラジル出身の魁星やエジプト出身の大砂嵐、中国出身の蒼国来といった外国出身力士が居ます。

 こうして見ると、大相撲における力士の国際化が進んできたことが良く分かりますが、一方で「先細りではないか」という懸念もあります。

 ハワイ出身力士は居なくなってしまったように観えますし、ヨーロッパ出身力士も、現役幕内力士が最後の世代の様に感じられます。
 そして、モンゴル出身力士も、十両以下の各段では好成績を残せなくなっていますから、減っているのでしょう。

 15年後の2031年には、力士のほとんどが日本出身で占められる時代がやってくるのかもしれません。
 大相撲は、高見山が登場する前の時代に戻る可能性があります。

 このことの良し悪しについて、本稿では触れませんが、こうした「変遷」が発生した要因を、少し考えてみようと思います。

A. 海外における積極的な力士発掘活動が減ってきたのか。

 ハワイやヨーロッパ、モンゴルの力士増加の背景に、積極的なスカウト活動が有ったことは間違いないでしょう。

 こうした積極的な外国へのスカウト活動が展開された背景としては、日本人力士の大相撲への入門希望者の減少、新弟子検査への挑戦者減少があったと思われます。

 大相撲人気が復活し、日本人力士の入門希望者が増加するにつれて、こうしたスカウト活動が下火になってきた可能性があります。

B. 外国出身者の受入態勢構築

 上記のスカウト活動減少に伴って、一気に外国出身力士が減少しているとすれば、真の意味での外国出身者の受入態勢が、大相撲界には出来ていなかったとも言えそうです。

 もし、長い時間をかけて「受入態勢」が構築されて来ていれば、スカウトでは無く、「ジャパニーズ・ドリーム」を目指して、自ら大相撲界に飛び込んでくる外国出身者が増えても、不思議はないからです。

 習慣や文化が異なる日本の、それも相撲部屋という、ある意味では「特殊な」世界に飛び込んできた外国出身者は、程度の差こそあれ、その違いに戸惑い、馴染むまでに大変な苦労をしてきています。

 そして、こうした「違い」を克服できた力士のみが、幕内で活躍しているのでしょう。

 しかし、「違い」を克服するためには、「個々の外国出身力士の努力」によるしかない、というのでは、インターナショナルスポーツと呼ぶには不十分なのかもしれません。

 もちろん、サッカーやラグビー、ベースボール、テニス、日本発祥のスポーツでも柔道や剣道のように、世界中の人々が取組み楽しんでいるスポーツと、大相撲は違うのだという見方もあると思います。

 大相撲1月場所で、6人の優勝者全てが日本出身力士によって占められたという事実は、本当に久しぶりのことであり、国技・大相撲としては、とても喜ばしいことなのでしょう。

 しかし一方で、「半世紀・50年以上続いて来た大相撲力士の国際化」の意義・意味について、もう一度しっかり考えてみる時期が来ているような気がします。

 来たる2031年1月場所・桟敷席の光景。

 日本出身力士ばかりになってしまった土俵を観ながら、お父さんがお子様に、「昔は外国人力士が沢山居て、日本人力士がなかなか優勝できない時期が有ったんだよ」と説明します。
 笑顔で声援を送り続けていたお子様は、「えー、お相撲って日本だけのものじゃなかったの」と驚いたように応えています。
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