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HOME   »   ゴルフ  »  青木功氏 日本ゴルフツアー機構・JGTOの会長に就任
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 3月4日に報じられました。

 JGTOは、日本の男子ゴルフツアーを主催する組織です。
 1999年に、日本プロゴルフ協会JPGAから独立しました。アメリカでPGAツアー機構が、アメリカプロゴルフ協会から独立し、成功した前例に倣ったものであり、「日本男子プロゴルフツアーの活性化」を目指した動きと伝えられました。

 しかし、その狙いとは裏腹に、日本の男子プロゴルフツアーは低迷の一途を辿っています。

① 試合数の激減

 1983年に年間46試合であった試合数が、JGTOが発足した1999年には32試合に減り、2016年は24試合(国内開催分)にまで減少してしまいました。

 略半減であり、大袈裟に言えば「存続の危機」という状況でしょう。

② 「非日常性」の不足

 1970年代から90年代にかけて隆盛を誇った男子ゴルフツアーには、青木功・尾崎将司・中島常幸のAONを始めとして、個性豊かなプレーヤーが沢山存在しました。

 ジャンボ尾崎こと尾崎将司選手は、通算100勝超えという「空前絶後」の記録を保持しています(まだ現役ですから記録が伸びる可能性もあります)し、アメリカPGAツアーの試合で、日本人プレーヤーとして初めて優勝した青木功選手は、日本男子ゴルフの強さを世界に示しました。中島常幸選手はマスターズトーナメントを始めとする世界のメジャートーナメントで数々のドラマを魅せてくれました。

 そして、AONが日本ツアーで繰り広げた、日本オープンを始めとする数々のドラマ・名勝負は、ゴルフファンの心を掴み続けたのです。

[体格面]
 身長180cm前後を誇ったAONは、体格面でも当時の世界を代表するプレーヤー達と互角でした。ジャック・ニクラウス選手やセベ・バレステロス選手、グレッグ・ノーマン選手らの強豪と、互角の体格を誇ったのです。

 1980年、バルタスロールG.C.で行われた全米オープン大会の最終日、「帝王」ジャック・ニクラウス選手と互角の戦いを繰り広げ、惜しくも2位となった青木選手の姿・プレーのスケールは、ニクラウス選手に全く引けを取らない雄大さを具備していました。

[飛距離面]
 300ヤードドライブを始めとして、AONは海外の強豪たちと互角の飛距離を誇りました。
 いわゆるアベレージゴルファーのゴルフとは別次元の「非日常性」を有するツアーだったのです。

 日本男子ゴルフツアーで観られる戦いが、「世界レベルに在る」と感じられることが、その人気の源泉であったのだろうと思います。

 ところが、1990年代の後半頃から、日本人プレーヤーと海外プレーヤーの「体格面」「飛距離面」の差が広がって行ったのです。
 世界のゴルフ界には、タイガー・ウッズ選手の登場と共に、身長190cm前後のプレーヤーが続々と登場しました。
 そして、3番ウッドで300ヤードを超えるショットを放つようになりました。
500ヤードを超えるパー4や300ヤード前後のパー3も珍しいものでは無くなったのです。

 4大トーナメントやPGAツアーのテレビ放送が増えるにつれて、日本のツアーより海外のツアーの方が面白い=「非日常性」に溢れている、とファンが感じたのも無理は無いと思います。

 例えば、4大トーナメントにおける成績で観れば、21世紀の日本人プレーヤーも健闘しているのですけれども、相対的な「プレーのスケール」という面では、「全く違うスポーツ」になってしまったといった意見を耳にする程の差が付いてしまったのです。

 タイガー・ウッズ選手やフィル・ミケルソン選手、現在で言えばダスティン・ジョンソン選手やババ・ワトソン選手、ジェイソン・デイ選手の豪打・妙技は、ゴルフファンの心に響きました。
 自分達のゴルフとは「別次元のもの」を示すことが、プロの試合として重要なことなのでしょう。

③ 新体制に求められるもの

 青木会長や尾崎将司特別顧問、丸山茂樹相談役を始めとするJGTOの役員の皆様は、前述のようなことは「百も承知」であろうと思います。

 大事なことは、日本男子ゴルフツアーに「非日常性」を取り戻していくために、何をして行くのかということになります。
 企画力と実行力が問われているのでしょう。

[プレーヤーにとって魅力のあるツアー]
 魅力あるツアーにして行くためには、素晴らしいプレーヤー達・将来性豊かなプレーヤー達に「主戦場として選択していただくこと」が必須であることは、言うまでもありません。

A. 賞金の分配

 JGTOが男子ツアーを運営するようになってから、賞金額全体に占める「優勝者の取り分比率」が増加しました。スポンサーが減り始め、スポンサーが提示する賞金総額が増えなくなった、減り始めた、時期と重なりますので、「優勝賞金額」が減ると、ますます魅力が無くなると考えたのかもしれませんが、結果として、順位が下のプレーヤーの取り分の減少に繋がりました。

 賞金の大半を「一部のトッププレーヤー」が取るという構造では、「このツアーで食べて行こう」という若手プレーヤーが減るのも無理が無いところでしょう。
 若手海外プレーヤーの参戦も期待薄ということになります。

 予選を通過するだけでも「食べて行けるレベルの賞金」が得られる構造でなければ、新たに日本男子ツアーに挑戦しようというプレーヤーが増えないのではないでしょうか。
 当然のことですが、日本最高のツアートーナメントで予選を通過するというのは、大変なことなのですから。
 
B. 年金制度の設立

 PGAツアーと日本ツアーの大きな違いのひとつに「年金制度の有無」が有ると言われています。

 日本ツアーにはツアー固有の年金制度はありませんが、アメリカPGAツアーでは、スボーサーが提供する資金総額の中から、あらかじめ一定比率をプレーヤーの「年金資金」として分離・保管・運用し、残った資金の中から優勝他の賞金を出していく形になっていると報じられています。
 そして、PGAツアーにおける成績(優勝回数や入賞回数に加えて、シード回数や出場試合数なども加味)に応じて、貰える年金額が決まって来るようです。
 ツアー引退後の生活を担保する年金制度の有無は、そのツアーの魅力に大きな影響を与えることは明白です。

 もちろん、前述のA・Bを実行するとなれば、例えば優勝賞金額は大幅に減ることになるでしょう。これまで3000万円だった優勝賞金額が1000万円になってしまうトーナメントも出て来るかもしれません。しかし、A・Bといった施策を展開しない限り、日本ツアーに挑戦しようとするプレーヤーは増加せず、結果として魅力ある試合を展開することが出来なくなってしまい、ファンが「観たい」と感じるプレーが少なくなって、テレビ放送の視聴率が取れなくなり、スポンサーが減って、ますますトーナメント数が減って行くという「悪循環」に入り込んでしまう、可能性があります。

 現状を打開するためには、10年・20年をかけた再生に向けての取組が必要なのですから、一時的な「優勝賞金額の減少」は必要なことなのかもしれません。
 
 日本男子ゴルフツアーにファンが戻ってくれば、また優勝賞金額も増加するのでしょう。ファンを増やしていくことが、第一目標なのです。

C. プレーヤーの育成

 「ゴルフにおけるオフィシャルハンデキャップ上限はゴルフを始めた年齢の半分」という言葉を耳にしたことがあります。

 「普通の運動神経の人」のハンデ上限は、(相当真剣にゴルフに取り組むことを前提として)ゴルフを始めた年齢の半分という意味でしょう。例えば、10歳でゴルフを始めた人のハンデ上限は「10歳÷2=ハンデ5」ということになります。20歳で始めた人は「ハンデ10」、30歳で始めた人は「ハンデ15」が、その人のキャリア最高のオフィシャルハンデキャップになるということです。

 つまり、ゴルフは「早く始めれば始める程」「クラブを握り始めるのが幼い頃であればある程」、上達できるということになります。

 もちろん、プロゴルファーになる程の天賦の才を与えられている人材であれば、相当後になってからゴルフを始めたとしても、トッププレーヤーに成れるのかもしれません(尾崎将司選手は野球の甲子園大会優勝投手として活躍してからゴルフ界に入りました)が、一般的には「幼いころからゴルフに親しむ」ことが大切ということになります。
 世界のトッププレーヤーの幼年時のプレーを映したフィルムが、PGAツアーのテレビ放送で流されることは珍しくなく、その4~5歳の頃のプレーの上手さに驚かされることも、珍しくありません。

 ゴルフは「相応にお金がかかるスポーツ」ですから、幼い頃からクラブを握りコースに出るというのは、誰にでも許される環境ではありません。「お金持ちのスポーツ」という見方もあるのでしょう。

 しかし、ひとりでも多くの幼児に、あるいは小学生に、ゴルフに接する機会を用意し、少しでも親しんでもらい、その子達の中から「未来のプロゴルファーを発掘して行くこと」は、日本男子ゴルフツアーにとって必須の取組の様に感じられます。

 もちろんこうした取組は、JGTOのみならず、日本のゴルフ界を牽引する各組織・団体が総力を挙げて取り組んで行かなければならない課題なのでしょうが、JGTOが先頭に立つことが最も有効なのではないかと思います。
 やはり「日本最高の大会の主催者」の旗振りが、最もインパクトが強いのではないでしょぅか。

 企画・立案と共に、JGTOがこうした取り組みのための「資金」をどのように調達して行くのかも、ポイントとなるのでしょう。

 青木功会長を先頭とするJGTOによる、「日本男子ゴルフツアー活性化に向けての取組」が始まりました。
 「試合の充実」のために、打って行く施策は色々とありそうです。

 日曜日の午後は、日本ゴルフツアーの「サンデイ・バック9」を楽しむ時代が帰って来て欲しいものです。
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