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HOME   »   ゴルフ  »  [マスターズ2016] 波乱の展開 ダニー・ウィレット選手が優勝
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 2016年のマスターズ・トーナメント最終日は、各選手のスコアが目まぐるしく上下する波乱の展開となりました。
 
 そして、イーブンパーでスタートし、最終ラウンドでスコアを5つ伸ばしたダニー・ウィレット選手(イングランド)が通算5アンダーパーのスコアで栄冠を手にしたのです。

 1ラウンド・18ホールの中で、有力各プレーヤーがこれほどスコアを上下させたメジャートーナメントは珍しいのではないでしょうか。

① 松山英樹選手のプレー

 3日目を終って、首位と2打差でスタートし、日本人プレーヤーによる初のメジャータイトル奪取が期待された松山選手でしたが、6番ホールまでの間にスコアを大きく崩してしまいました。

 苦手とする1番ホールのボギーを、2番・パー5のバーディで取り返した時には、「いつものプレー」に観えましたが、4番・5番を連続ボギーとした後の6番・パー3で、よもやのダブルボギー打ってしまいました。

 ティーショットが右に大きくショートし、セカンドショットがグリーンの斜面で転がり落ち、サードショットが大きくショートしての5打でした。
 池やハザードが無いホールでのダブルボギーは、大きなダメージとなりました。

 これで3オーバーとなった松山選手は、優勝争いから大きく後退しました。

 こうなると、「いくらでもスコアが悪くなるタイプ」のオーガスタ・ナショナルG.C.なのですが、松山選手はここから息を吹き返したのです。

 8番パー5でバーディとして1つ返し、13番では素晴らしい第1打・第2打で1m強のイーグルパット。これが入らなかったのはとても残念でしたが楽々とバーディとして、ついにイーブンパーまで戻しました。
 その後も14番・15番とバーディチャンスを創りましたが、2m前後のパッティングが決まらず、スコアを伸ばすことが出来ませんでした。

 「1日の内に四季が有る」といった様相のプレーでしたが、いずれにしても7位タイでホールアウトしたところは力を示したと言って良いのではないかと思います。今季今後のメジャートーナメント、あるいは来年のマスターズ大会が楽しみです。

② ジョーダン・スピース選手のプレー

 前述の松山選手や、2位でスタートした同組のスマイリー・カウフマン選手、3位のベルンハルト・ランガ―選手ら、上位でスタートしたプレーヤー達が軒並みスコアを崩す中で、スピース選手が8番までにスコアを4つ伸ばし、7アンダーとした時には、「優勝は決まり」という空気が漂いました。

 アグレッシブなプレーでガンガン攻めて行くタイプでは無く、冷静に状況に合わせたプレーを展開しながら、グリーン上のパッティングの上手さで勝負して行くスピース選手が、大きくスコアを崩すというのは、想像できなかったのです。
 2015年のチャンピオンでもありますから、このコースの攻め方も熟知しています。

 3日目の終盤に「ティーショットを右にプッシュアウトするショット」が見られて心配されていましたが、その点もしっかりと修正して来ていた様子でしたから、死角は見当たらなかったのです。
 2大会連続の完全優勝が見えていました。

 ところが「アーメンコーナー」が牙を剥いたのです。

 11番ホールで微妙なパットを外しボギーとしてスコアを5アンダーまで下げたことが影響したのか、12番パー3で、スピース選手は右サイドに立っているピンを狙って行きました。
 
 「世界で最も美しいパー3」とも称される、オーガスタ・ナショナルの12番。
 距離も150~170ヤードと短く、世界トップクラスのマスター達からすれば、「容易に攻略」できそうなホールなのですが、そうは問屋が卸さない。

 上空の風が最も影響するのですが、刈り込んだラフやグリーン奥の茂みが、思わぬ悪さをするのです。
 どの大会でも、大きくオーバーしたり、池に落としたりするプレーヤーが続出します。
 このレベルのプレーヤー達が、160ヤードのアイアンショットで、10ヤード以上オーバーしたり、ショートしたりするのですから、不思議という他は有りません。

 「帝王」ジャック・ニクラウスはかつて、「12番はピンの位置に関係なく常にグリーンの真ん中に打って行く」とコメントしていました。
 グリーンの真ん中付近は、奥行きが10ヤードしか無く、前後をバンカーで囲まれているのですから本来回避したい場所に見えます。それでも「常に」真ん中に打つと言うのです。

 おそらく、風の影響でショットが予想外にショートしてもオーバーしてもバンカーに入る=救われる=池ポチャやロストボールを回避できる、といった意味なのではないかと推測します。マスターズ大会最多優勝を誇るニクラウス選手の言葉は重いのです。
 
 さて、話を戻しましょう。

 ニクラウス選手なら、最終日のピン位置・右サイドに立つピンを観ても、関係なくグリーンの真ん中に打っていったのでしょうが、この日のスピース選手はピンをデッドに狙って行きました。
 そしておそらくは風の影響もあったのでしょう、大きくショートし、刈り込まれた手前の斜面に当たったボールは池に飲み込まれました。
 よもやのショットでした。冷静になって考えれば、打数差を持ってメジャートーナメントでトップに立っているプレーヤーが狙ってはならないポイントだったのでしょう。

 第3打は、ピンまで50~60ヤード地点からの池越えのショットとなりました。
 スコアダウンを最小限に抑えたい=ピンにピタリと寄せてボギーで上がりたいと考えたのでしょうが、超高速グリーンに対してピタリと寄せるには「ボールのスピン調整が難しい50ヤードは嫌な距離」だと感じました。
 そしてスピース選手は、この第3打も池に入れてしまいました。

 「大ダフリ」ショットでした。池ポチャと言っても、グリーン手前の斜面に当たって転がり落ちたのではなく、グリーン近くのエリアに落としたのでもなく、池の最も手前側に落としたのです。まるで私自身のプレーを見るようだ(比較すること自体、失礼な話で恐縮ですが)と思いました。
 世界ゴルフ界をリードするトッププレーヤーとしては、考えられないようなミスショット。
 ゴルフ競技におけるメンタル面の重要性を如実に示したプレーでした。

 第5打は、当然の様にグリーンオーバーし、このホールに7打を要しました。5アンダーから一気に1アンダーに後退したのです。
 スピース選手にとっては、悪夢のような12番であったことでしょう。

 しかし、ここから反撃に出るところが、メジャーチャンピオンなのでしょう。

 13番で早速バーディとして、3アンダーまでスコアを伸ばしました。
 5アンダーでホールアウトしたウィレット選手に追い縋ったのです。

 17番・18番を連続バーディとして並び、プレーオフに持ち込みたいと考えたのでしょう。

 その17番の第2打が惜しくもピン手前のバンカーに入り、3m弱のパーセービングパットを外した時、スピース選手の反攻は終わりました。
 
③ リー・ウェストウッド選手とダスティン・ジョンソン選手のプレー

 かつて欧州ツアーを席巻し、「ヨーロッパの王者」と呼ばれたウェストウッド選手は、15番パー5でアプローチショットを直接カップインし、一気に3アンダーとスコアを伸ばしました。
 全盛時を過ぎているとはいえ、初のメジャータイトルが手の届くところに来たのです。

 ところが16番パー3で、1mのパーパットを外してしまいました。
 イーグルの勢いは、一気に萎みました。

 「世界屈指の飛ばし屋」ジョンソン選手が、15番ホールの左サイドラフ、眼前には高い木が並んでいる場所、から驚くほど高いショットで2オンを果たし、バーディとして、スコアを3アンダーに伸ばした時には、ついにダスティンにメジャー優勝のチャンスが来たと感じました。
 なにしろ、マスターズ大会で「1ラウンド・3イーグル」という記録を持つほどの爆発力を誇るプレーヤーです。勢いに乗ったら手が付けられないプレーを魅せるのです。

 ところが、フェアウェイセンターの絶好の位置から打った、17番の第2打が僅かに短く、手前のバンカーに捕まり、寄らず入らず。1m弱のボギーパットも外してダブルボギー。万事休しました。

 こうして、有力プレーヤー達がスコアを大きく変動させている間に、ウィレット選手は着々とスコアを伸ばしました。
 結果としては、「サンデーバック9」を悠々と逃げ切ったのです。

 1996年のニック・ファルド選手以来のイングランド人選手の優勝でした。

 2016年のマスターズ・トーナメントは、「3日目までと最終日が全く違う様相の大会」であったと思います。
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