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HOME   »   大相撲  »  [大相撲2016・5月場所] 「つり出し」の減少
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 5月17日・10日目の栃ノ心と蒼国来の取組で、栃ノ心が「つり出し(吊り出し)」で勝ちました。
 
 2016年に入って、幕内で初めての決まり手であったと報じられました。

 1月場所、3月場所、そして5月場所の10日目に到って、初めて「つり出し」が決まったのです。

 21世紀に入って「つり出し」が減っているという印象は受けていましたが、これ程までとは思いませんでした。
 もはや「つり出し」を観ることは、とても珍しいことになってしまったわけで、「絶滅危惧技」と呼んでも良さそうです。

 20世紀の取組においては、「つり出し」は比較的良く観られる決まり手でした。
 明武谷(みょうぶだに)や若浪(わかなみ)といった力士にとっては、「得意技」でもありました。

 「起重機」の異名を取った明武谷関(最高位・東関脇、幕内在位1959年7月~1969年11月)は、190cm近い長身を利して、「吊れる時は何時でも吊った」感じがします。明武谷が左四つで両まわしを引いた時には、ファンは「吊り」を期待したものです。
 明武谷は「大物食い」でも有名で、横綱や大関との取組で、存分に力を発揮しました。
 殊勲賞と敢闘賞を4回ずつ受賞しています。個性十分な取り口の力士でしたから、大変人気が有りました。私も大好きな力士のひとりでした。

 相手力士の両足が土俵から浮いてしまう「つり出し」は、反撃の難しさを考慮しても、相当有効な技だと考えますが、21世紀に入ってからはめっきり減ってしまったのです。
 何故なのでしょうか。

① 「四つ相撲」自体の減少

 「押し相撲」の隆盛と言っても良いのかもしれませんが、21世紀に入ってからは「四つ相撲」そのものが減っている印象です。「四つ相撲」が減れば、四つ相撲から生まれる「つり出し」が減るのは、道理でしょう。

 20世紀の相撲においては、「がっぷり四つ」からの攻め合いという相撲が度々見られました。引き付け合いや投げの打ち合いといった形も多かったのです。

 結果として、「取組時間の長い相撲」も多かったと感じます。近時は滅多に観られない「水入りの相撲」も、1場所で何回かは見られたのです。それは、「四つ相撲」が多かったことが、要因のひとつなのでしょう。

② 指導の難しさ

 「つり出し」は難しい技なのかもしれません。

 両まわしを引いてからの強烈な引き付けが前提となる技で、相手力士を完全に持ち上げるのですから、腕力・腹筋力・背筋力等のパワーは勿論として、バランス感覚も必要な技なのです。吊られた力士は、両足をバタバタさせてバランスを崩させる努力を行いますが、明武谷などは委細構わず一気に土俵外に運んでいました。

 こうした難しい技を身に付けるよりは、よりシンプルな「押し」を習得させる方が、勝率が高いという考え方もあるのかもしれません。

 「押し相撲」と「四つ相撲」のどちらの習得が難しいのかは、私には判りませんけれども、近年は「押し相撲」の力士の方が圧倒的に多いというのは、事実なのでしょう。

 「絶滅危惧技」のひとつである「つり出し」を、現在持ち技としている幕内力士は栃ノ心ひとりのように観えます。

 栃ノ心関には、時々「つり出し」を披露していただきたいものです。
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