FC2ブログ
HOME   »   スキー  »  [アルペンスキー] コース取りとフォーム
RSSフィード iGoogleに追加 MyYahooに追加
 アルペンスキーの各種目では、ルールに則って旗門を通過していくことが必要です。その際に、最短距離を滑ることが、最も速く滑れる気がしますが、必ずしもそうではありません。

 例えばA旗門からB旗門に進む際に、最短距離が20mで、秒速10mで滑れば、2秒で到達できることになります。一方、少し膨らんで24mを滑ることになったとして、秒速13mで滑れば、2秒未満のタイムで到達できます。当たり前のことを書き、恐縮です。

 大切なことは、最短距離を滑ることではなく、より速く滑ることなのです。例えば、最短距離のコース上にコブが沢山あり、回り道のコースは平らだったとしたら、回り道の方が高速で滑ることができるでしょう。スキー板が雪面を捉え続けることができますから。

 「あーっと、膨らみました。タイムをロスしました」といったアナウンスが、テレビ放送では良く聞かれますが、間違った放送をしているケースが多いのです。その後「意外に、タイムが縮まっています」などという放送が続きます。
 選手は、コースが良く分かっていますし、前に滑った同僚からの情報も、刻一刻と入ってきますから、膨らんだ方が速いことをよく知っているのです。最短距離を滑ることが、必ずしもタイムの短縮にはつながらないことは、十分に認識しておく必要があります。

 次に「フォーム」ですが、スピードが出ている時ほど、綺麗なフォームを作ることは難しくなります。従って「フォームが乱れている時の方がタイムが速い」ことは、良くあることなのです。他の選手が出来ていないところで、クラウチングスタイルで滑っている選手は、大抵の場合遅い選手、スピードが出ていない選手です。第2シード組の選手によく観られます。
クラウチングスタイルが取れない程の速さで滑ることが、良い記録を出す条件なのです。

 「しっかりとしたクラウチングスタイルで滑っています。好タイムが出るでしょう。・・(しばらくして)・・意外にタイムが伸びません」といったアナウンスも、良く耳にします。もう少し、アルペンスキーを理解して、放送してもらいたいものです。

 特に急斜面では、スピードが上がるにつれて、選手はどうしても後ろに体を持って行かれますから、後傾姿勢になりやすいのです。もちろん、バランスを大きく崩しての後傾姿勢ではタイムは伸びませんが、急斜面なら「後傾になるほどの高速」ということもあるのです。そのまま滑り切れれば、好記録が期待できます。

 2013アルペン世界選手権の男子スーパー大回転でも、優勝した選手の滑りを「あーっと後傾姿勢になりました。全体に、体のバランスが良くありません。タイムをロスしています。・・・・・・・ゴール、トップに立ちました」と。こんな放送をして、よくも恥ずかしくないものです。観ている方は、興醒めの連続です。

 ちなみに、アルペン競技では、コース上のいくつかの箇所に「途中計時」ポイントがあります。そこの通過タイムで、選手ごとのタイムの比較をするのですが、これはあくまで目安です。大事なことは、その選手が、そのポイントを通過するときの速度なのです。
 例えば、ある選手が、あるポイントを好タイムで通過したとしても、通過時点で速度が落ちていれば、次のポイントでは大きく遅れることになります。

 各選手は、コース攻略についてそれぞれの戦略を立てて臨みます。コーチともよく相談し、自らの強み(ターンが上手いのか、スピードに強いのか、等々)を良く加味し、コースの形状、雪面の状態等々を考慮して、戦略を立てるのです。
 結果として、ある選手は10番旗門から20番旗門で勝負をかける、別の選手は25番旗門から35番旗門で勝負をかける、といった違いが出てきます。従って、スピードのピークを、どのあたりに持っていくかは、選手の作戦により異なるのです。

 途中計時は、目安にはなりますが、途中計時ばかりを気にしていては、せっかくの「素晴らしい滑り」を見落とすことになりかねません。常に「スピードが出ているか。スピードを出すために、この選手はどのような努力をしているか」に注目する方が、よりアルペンスキーを楽しむことができると思うのです。

 アルペンスキーを観るポイントは、フォームやコース取りでは無く、スキーが滑っているかどうか、スピードが出ているかどうか、という一点なのです。
関連記事
スポンサーサイト



NEXT Entry
[日本代表] ザックジャパン ラトビアと好ゲーム
NEW Topics
[競馬コラム269] オークス2020のデアリングタクトと日本ダービー2020のコントレイル
[温故知新2020-陸上競技4] 男子走り幅跳び オリンピック金メダリストの記録
[ブンデスリーガ2019~20・第27節(無観客)] バイエルン・ミュンヘン 圧勝
[温故知新2020-女子テニス2] アメリカの英雄 ビリー・ジーン・キング選手
[競馬(無観客)] 東京優駿(日本ダービー)2020の注目馬
[温故知新2020-女子テニス1] 「史上最強」 マーガレット・コート選手
[温故知新2020-男子テニス3] ダブルスの名手 ジョン・ニューカム選手
[温故知新2020-陸上競技3] 男子10,000m オリンピック金メダリストの記録
[温故知新2020-競泳2] 男子1,500m自由形 日本チームの全盛期
[温故知新2020-競泳1] 男子100m自由形 日本チームの黄金時代
[FIFAワールドカップ2010準々決勝] ドイツチームの完勝
[温故知新2020-男子テニス2] 「史上最強」 ロッド・レーバー選手
[競馬(無観客)] 優駿牝馬(オークス)2020の注目馬
[温故知新2020-陸上競技2] 男子1,500m オリンピック金メダリストの記録
[温故知新2020-陸上競技1] 男子100m オリンピック金メダリストの記録
[ラグビーワールドカップ2011プールA] 日本チーム フランスチームを相手に65分まで4点差の健闘
[温故知新2020男子テニス-1] ウィンブルドンを勝てなかった イワン・レンドル選手
[競馬コラム268・ヴィクトリアマイル2020] 感動的なレース
[FIFAワールドカップ1986決勝] アルゼンチンチーム 2度目の優勝
[競馬(無観客)] ヴィクトリアマイル2020の注目馬
[NPB・MLB2020] 「開幕」に向けての動き
[ブンデスリーガ2019~20] 無観客での再開へ
[競馬コラム267-日本馬の海外挑戦12] 2009年 牝馬の挑戦
[FIFAワールドカップ2010ラウンド16] ブラジルチーム 貫録の勝利
[FIFAワールドカップ2010ラウンド16] 日本チーム 史上初のPK戦
[FIFAワールドカップ2010ラウンド16] ランパード選手 「幻」のゴール
[Jリーグ2020] イニエスタ選手のオンライントークショー
[競馬(無観客)] NHKマイルカップ2020の注目馬
[NBA2020] 個人トレーニング再開に向けての動き
[UEFA-EURO2012-グループD] イングランドとフランスの激突
[競馬コラム266-天皇賞(春)2020] フィエールマンの連覇とC.ルメール騎手の天皇賞4連勝
[UEFA-EURO2012-グループB] ポルトガル デンマークとの接戦を制す
[競馬コラム265・下鴨ステークス2020] スズカルパン 100戦出走達成!
[UEFA-EURO2012-グループA] 開幕戦 ギリシャチーム 驚異の粘り
[UEFA-EURO2012-グループD] フランスチームの堅守
[競馬(無観客)] 天皇賞(春)2020の注目馬
[UEFA-EURO2012-グループC] イタリアとクロアチア 一歩も引かず
[競馬コラム264-日本馬の海外挑戦11] 2007年 シンガポール競馬への進出
[UEFA-EURO2012準々決勝] クリスティアーノ・ロナウドVSチェフ
[競馬コラム263-日本馬の海外挑戦10] 2006年 ハーツクライとデルタブルース
[スーペルコパ2020準決勝] FCバルセロナ よもやの敗退
[UEFA-EURO2012準決勝] 「怪物」バロテッリ選手の2ゴール
[マラソン2020] 「心臓破りの丘」 山田敬蔵氏 逝去
[競馬コラム262-日本馬の海外挑戦-9] 2005年 ゼンノロブロイとハットトリック
[MLB2020・MVPランキング] バリー・ボンズ選手の凄さ
[フィギュアスケート2020春・世界ランキング] 羽生選手、紀平選手が共に1位
[NPB2020] 菅野智之投手 超絶の仕上がり
[高校野球2020] 花巻東高校 女子野球部が練習開始
[大相撲2020] 豊ノ島の引退
[UEFA-EURO2008決勝] スペインチーム 黄金時代の幕開け
Entry TAG
アルペンスキーの見方  
Comment
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
「スポーツを考える-KaZ」ブログへ
ようこそ!
我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

最新記事
最新コメント
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Page Top
CALENDaR 123456789101112131415161718192021222324252627282930