FC2ブログ
HOME   »   NFL  »  [NFL2016~17] ウェンブリースタジアムでのNFLゲーム
RSSフィード iGoogleに追加 MyYahooに追加
 NFL2016~17レギュラーシーズン第8週の、ワシントン・レッドスキンズとシンシナティ・ベンガルズのゲームは、イギリス・ロンドンのウェンブリースタジアムで開催されました。

 ウェンブリーは、ご承知の通り「サッカーの聖地」です。
 サッカー発祥の国イギリスにおける「聖地」なのですから、世界中のサッカーファンにとって、特別なスタジアムなのです。

 そのサッカーの聖地を会場として、アメリカンフットボールの最高峰・NFLの公式戦が行われるのですから、とても興味深いことなのです。

 当然ながらNFLサイドとしては、「NFLを世界に広げていく」施策のひとつとして、イギリス・ロンドンでの公式戦実施を考えているのでしょうが、同じやるならウェンブリーで、というところがとても洒落ています。

① 「芝」は大丈夫か?

 元サッカー選手だった友人は、「芝のグラウンドでラグビーをやられると、芝が痛んで困る。サッカー場ではラグビーはやらないでほしい」と常々言っています。
 お正月のスポーツにおいて、かつての国立競技場では、元旦にサッカー天皇杯決勝をやり、2日にラグビー大学選手権準決勝2試合を行っていたのも、こうした理由があったのではないかと思います。

 ラグビーでは、スクラムやモール、ラックで、双方のプレーヤーが押し合うプレーが頻発します。押し合う以上は、地面・芝をグイグイと足で押すことになるのは自然なことですから、芝が痛むのです。
 サッカーでは、双方のプレーヤーが押し合うというシーンは多くはありません。

 アメリカンフットボールにおいても同様で、1プレー毎にスクリメイジラインを挟んで、両チームのラインが衝突しプレーヤーが押し合いますから、芝には相当のダメージとなるでしょう。

 加えて、サッカーのフィールドとアメリカンフットボーのフィールドではサイズ・形が異なります。
 サッカーは縦105m×横68m内外の大きさですが、アメフトは縦110m×横50m内外となっています。アメフトのフィールドの方が細長いのです。
 結果として、「横」が18mほどアメフトの方が短いので、ウェンブリーでNFLのゲームを行うと、「横」の両側9mずつはゲームのフィールドでは無くなります。
 この9m幅の芝の上に、数十人の猛者が立って、出場に向けての準備を行うこととなるのです。
 普段のサッカーの試合であれば「ピッチ」になっている地域を、数十人の猛者が踏み、動き回ることは、サッカーでは有り得ないことですから、このエリアの「芝」も大きな影響を受けそうです。

 一方でウェンブリーは「サッカーの聖地」ですから、その競技場の「芝」へのイギリス・イングランドの皆さんのこだわりは相当高いものでしょう。当然ながら「ウェンブリーの芝は世界一」という自負も強いと思われます。

 こうした状況下で、イングランドサッカー界がNFLのゲーム開催を許可したというのは、大英断なのかもしれません。

 また、レッドスキンズとベンガルズの試合の中では、プレーヤーが芝に脚を取られるシーンが時々起りました。アメフトのフィールドと比較して、ウェンブリーの芝の方が深いことが原因なのでしょう。

② 観客席の様子

 90000人収容のウェンブリーに、この日は85000人近くの観客が詰めかけました。ほぼ満員と言って良いでしょう。

 サッカーの試合でも、なかなか入らない大観衆が詰めかけたのですから、NFLゲームは成功ということになります。

 この観客の様子が、また、興味深いものでした。

 レッドスキンズやベンガルズのユニフォームを身に付けている観客も多いのですが、もっと多かったのは「贔屓のNFLのチーム・プレーヤーのユニフォーム」を身に付けている人々でした。

 トム・ブレイディやアーロン・ロジャースのユニフォームを着ている人や、マイアミ・ドルフィンズやダラス・カウボーイズのユニフォームを身に付けている人など、様々な姿が目に付きました。とても「カラフル」な観客席となっていたのです。

 そして「クラウドノイズ」が有りませんでした。
 ベンガルズやレッドスキンズの選手達は、いつもよりとても良くクオーターバックQBのコールが聞こえたと思います。

 この日のウェンブリーには、レッドスキンズファンやベンガルズファンというより、「NFLファン」が多く集まっていたことになります。

③ 何故「レッドスキンズ対ベンガルズ」なのか。

 イギリスひいてはヨーロッパにNFLを広めることを目的としたイベント・公式戦ですから、NFLとしては「カード」についても、入念に打ち合わせたうえで決めたことは、想像に難くありません。

 まず、世界最高水準のプレーを観ていただかなくてはなりませんから、好チーム同士の一戦である必要があります。
 とはいえ、スター選手が多く居て、世界的にも有名なチームを送り込むのでは、真の需要拡大には繋がらないかもしれません。ニューイングランド・ペイトリオッツやダラス・カウボーイズ、ピッツバーグ・スティーラーズといった人気チームは回避したいと考えたかもしれません。

 そして、ベンガルズとレッドスキンズが選出されたと見るのは、穿ちすぎでしょうか。

 ベンガルズのQBアンディー・ドルトン選手とレッドスキンズのQBカーク・カズンズ選手は、共に脂の乗った好プレーヤーです。パスプレーも上手。

 加えて、両チームとも攻撃・守備のバランスが良く、最も標準的なNFLの試合を披露出来ると考えたのではないでしょうか。

 そして、このゲームは期待通りの熱戦となりました。

④ A.J.グリーン選手のスーパーキャッチ

 ゲームは逆転に次ぐ逆転の展開となりました。
 
 第3クオーターQを終えて20-17とベンガルズがリードして第4Qに入りました。

 第4Qにレッドスキンズが逆転のタッチダウンTDを決めて24-20とリードして迎えた、試合時間残り7分57秒、ベンガルズのQBドルトン選手からエース・ワイドレシーバーWRグリーン選手にパスが投じられました。

 タイミングの合った素晴らしいロングパスでしたので、レッドスキンズのディフェンスバックノーマン選手は、「このままグリーン選手にパスキャッチを許すと、グリーン選手の走力で一気にTDまで持って行かれてしまう」と考えたのでしょう、グリーン選手のユニフォームを引っ張りました。ユニフォームが大きく伸びる程強く引っ張ったのです。

 明らかにパスインターフェアの反則で、反則を犯した地点まで相手チームの前進を許す反則・重い反則なのですが、その反則を犯してでもTDを阻止するというプレーでした。

 ところが、この反則を受けても、グリーン選手はパスをキャッチしたのです。「さすがはA.J.グリーン」と唸らずにはいられないスーパープレー。
 ウェンブリーに詰めかけた大観衆の目の前で披露した「NFLのプレー」でした。

 この後、ベンガルズはキッチリとTDを決めて、27-24と再び逆転しました。

 ところが、レッドスキンズは残り時間1分7秒でホプキンス選手が40ヤードYのフィールドゴールFGを決めて27-27の同点としたのです。

 ゲームはOT(延長戦)に入りました。

⑤ 27-27の引分け

 NFLのゲームにおいて「引分」は、滅多に無いことです。

 OTに入っても、どちらかのチームがTDやFGで決勝点を挙げて決着が付くことが多いというか、大半なのです。

 ところが、このゲームはOTでも決着が付かず、27-27の引分けとなりました。

 どちらのチームにもチャンスが有りましたが、特にレッドスキンズには惜しいゲームとなりました。

 OT試合時間残り2分10秒で、レッドスキンズは34ヤードのFGのチャンスを迎えました。NFLのキッカーにとっては「100発100中」の距離です。

 ところが、このFGをレッドスキンズのホプキンス選手が左に外してしまったのです。信じられないような光景でした。

 ウェンブリーに居るサッカーの神様が、「今日は引分でいいだろう」と考えたのかもしれません。

 「サッカーの聖地」ウェンブリースタジアムにおけるNFLのゲームは、こうして終了しました。
 とても面白いゲームでした。
関連記事
スポンサーサイト



NEXT Entry
[大相撲2016・11月場所] 活躍が期待される10名の力士
NEW Topics
[温故知新2020-女子テニス3] 「アイス・ドール」 クリス・エバート選手
[温故知新2020-男子テニス4] 黒人プレーヤーの先駆者 アーサー・アッシュ選手
[ブンデスリーガ2019~20(無観客)] 鎌田大地選手 2試合連続ゴール
[競馬コラム269] オークス2020のデアリングタクトと日本ダービー2020のコントレイル
[温故知新2020-陸上競技4] 男子走り幅跳び オリンピック金メダリストの記録
[ブンデスリーガ2019~20・第27節(無観客)] バイエルン・ミュンヘン 圧勝
[温故知新2020-女子テニス2] アメリカの英雄 ビリー・ジーン・キング選手
[競馬(無観客)] 東京優駿(日本ダービー)2020の注目馬
[温故知新2020-女子テニス1] 「史上最強」 マーガレット・コート選手
[温故知新2020-男子テニス3] ダブルスの名手 ジョン・ニューカム選手
[温故知新2020-陸上競技3] 男子10,000m オリンピック金メダリストの記録
[温故知新2020-競泳2] 男子1,500m自由形 日本チームの全盛期
[温故知新2020-競泳1] 男子100m自由形 日本チームの黄金時代
[FIFAワールドカップ2010準々決勝] ドイツチームの完勝
[温故知新2020-男子テニス2] 「史上最強」 ロッド・レーバー選手
[競馬(無観客)] 優駿牝馬(オークス)2020の注目馬
[温故知新2020-陸上競技2] 男子1,500m オリンピック金メダリストの記録
[温故知新2020-陸上競技1] 男子100m オリンピック金メダリストの記録
[ラグビーワールドカップ2011プールA] 日本チーム フランスチームを相手に65分まで4点差の健闘
[温故知新2020男子テニス-1] ウィンブルドンを勝てなかった イワン・レンドル選手
[競馬コラム268・ヴィクトリアマイル2020] 感動的なレース
[FIFAワールドカップ1986決勝] アルゼンチンチーム 2度目の優勝
[競馬(無観客)] ヴィクトリアマイル2020の注目馬
[NPB・MLB2020] 「開幕」に向けての動き
[ブンデスリーガ2019~20] 無観客での再開へ
[競馬コラム267-日本馬の海外挑戦12] 2009年 牝馬の挑戦
[FIFAワールドカップ2010ラウンド16] ブラジルチーム 貫録の勝利
[FIFAワールドカップ2010ラウンド16] 日本チーム 史上初のPK戦
[FIFAワールドカップ2010ラウンド16] ランパード選手 「幻」のゴール
[Jリーグ2020] イニエスタ選手のオンライントークショー
[競馬(無観客)] NHKマイルカップ2020の注目馬
[NBA2020] 個人トレーニング再開に向けての動き
[UEFA-EURO2012-グループD] イングランドとフランスの激突
[競馬コラム266-天皇賞(春)2020] フィエールマンの連覇とC.ルメール騎手の天皇賞4連勝
[UEFA-EURO2012-グループB] ポルトガル デンマークとの接戦を制す
[競馬コラム265・下鴨ステークス2020] スズカルパン 100戦出走達成!
[UEFA-EURO2012-グループA] 開幕戦 ギリシャチーム 驚異の粘り
[UEFA-EURO2012-グループD] フランスチームの堅守
[競馬(無観客)] 天皇賞(春)2020の注目馬
[UEFA-EURO2012-グループC] イタリアとクロアチア 一歩も引かず
[競馬コラム264-日本馬の海外挑戦11] 2007年 シンガポール競馬への進出
[UEFA-EURO2012準々決勝] クリスティアーノ・ロナウドVSチェフ
[競馬コラム263-日本馬の海外挑戦10] 2006年 ハーツクライとデルタブルース
[スーペルコパ2020準決勝] FCバルセロナ よもやの敗退
[UEFA-EURO2012準決勝] 「怪物」バロテッリ選手の2ゴール
[マラソン2020] 「心臓破りの丘」 山田敬蔵氏 逝去
[競馬コラム262-日本馬の海外挑戦-9] 2005年 ゼンノロブロイとハットトリック
[MLB2020・MVPランキング] バリー・ボンズ選手の凄さ
[フィギュアスケート2020春・世界ランキング] 羽生選手、紀平選手が共に1位
[NPB2020] 菅野智之投手 超絶の仕上がり
Entry TAG
ウェンブリースタジアムにおけるNFLゲーム  
Comment
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
「スポーツを考える-KaZ」ブログへ
ようこそ!
我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

最新記事
最新コメント
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Page Top
CALENDaR 123456789101112131415161718192021222324252627282930