HOME   »   NFL  »  [NFL2016~17] 「ザ・強豪対決」 ピッツバーグ・スティーラーズVSダラス・カウボーイズ
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 アメリカンフットボール競技の世界最高峰・NFL(ナショナル・フットボール・リーグ)の対戦カードの中でも、「ザ・強豪対決」と呼ばれるのは、ピッツバーグ・スティーラーズとダラス・カウボーイズの対戦でしょう。

 共に「8度のスーパーボウル出場」を誇り、スティーラーズが優勝6回(史上最多)、カウボーイズが優勝5回(史上2位)という、輝かしい実績を誇っています。

 これまでも、NFL史上に残るゲームを披露してきた両チームですが、今季の試合も素晴らしいものとなりました。

[2016年11月14日・ハインツフィールド(スティーラーズのホーム)]
カウボーイズ35-30スティーラーズ

① 逆転に次ぐ逆転

 何度逆転が有ったのか数え切れない程、二転三転したゲームでした。

 最終の第4クオーターQ、残り試合時間1分を切ってからも、試合の行方は全く分からないというゲームとなりました。

② 残り1分からの攻防

 残り1分を切って24-29とリードを許したスティーラーズの攻撃。試合時間が「秒単位」となってからのNFLの試合は、「如何にして時計を止めるか」がポイントとなります。

 残り50秒でスティーラーズは「スパイクフェイク」プレーからパス。これをワイドレシーバーWRアントニオ・ブラウン選手が見事にキャッチしてタッチダウンTD!

 スティーラーズが30-29と逆転しました。
 乾坤一擲のプレーでしたし、この場面でこのプレーを決める、スティーラーズの執念が感じられました。

 カウボーイズに残された時間は42秒でしたから、試合はスティーラーズに大きく傾いたとおもわれました。
 ところが、ここからカウボーイズの逆転に向けたドライブが始まったのです。

 自陣12~3ヤード付近から開始されたドライブでしたが、カウボーイズ攻撃陣は着実に前進を重ね、敵陣に入りました。フィールドゴールFGでも逆転できる点差ですから、とにかく前進することが大事なのです。

 そして残り23秒。スティーラーズは大きな反則を犯してしまいました。
 「フェイスマスク」を掴む反則でした。15ヤードの罰退。
 これでカウボーイズは、スティーラーズ陣20ヤード以内に進出しました。

 試合時間残り9秒、カウボーイズのQBプレスコット選手からランニングバックRBエリオット選手にボールが渡され、エリオット選手が真っ直ぐ走りラインを突破して走り込みました。逆転TDでした。

 35-30とカウボーイズが再び逆転したのです。

 伝統的に「強力なディフェンス」を誇るスティーラーズですが、このプレーではエリオット選手のランを許してしまいました。ディフェンスエンドのプレーヤーがQBに向かってラッシュをかけてしまい、ラインの裏側が手薄というか、プレーヤーが残っていなかったのです。

 近時「かつての『スティールカーテン』と称された強力ディフェンスが観られなくなった」と言われるスティーラーズを象徴するプレーであったという見方もありそうです。

③ 「スパイクフェイク」プレー

 試合残り時間が1分を切ってきたような状況における攻撃では、プレー後「時計を止めること」がとても重要です。プレーが終了しても時計が動き続けることが多いランプレーなどでは、あっという間に試合時間が無くなってしまうからです。

 こうした状況下で時計を止める方法には、パスプレーでキャッチの後、レシーブしたプレーヤーがサイドラインから出て「ボールデッド」と認定されること、タイムアウトを取ること、パス失敗、スパイクプレーといった方法があります。(反則行為でも止まりますが、得点を取るためのプレーには含めないこととします)

 この試合の残り1分を切った時点で、スティーラーズはタイムアウトを残していましたが、「虎の子」のタイムアウトを使うことなく、そしてボールを自軍のものに確保した状態で時計を止める方法として、「スパイクプレー」を選択すると思われました。

 フィールドにも「スパイク」という声が何度も聞こえましたから、スティーラーズのクオーターバックQBロスリスバーガー選手は、次のプレーでスパイクするものと思われたのです。

 そして、センタープレーヤーCからQBにボールが渡り、ロスリスバーガー選手がボールを地面に叩きつける仕草を見せましたが、ボールはフィールドに跳ねることはありませんでした。ロスリスバーガー選手はボールを投げ捨てなかったのです。

 そして右サイドを走るWRブラウン選手に「ふわり」としたパスを投じました。
 フィールド上の殆どの選手が「スパイク」と予想していたので、大半の選手はこのトリックプレーに反応できませんでしたが、カウボーイズのコーナーバックCBはこのパスに気づき、WRブラウン選手を追いかけましたが、ブラウン選手はこの追撃を制してパスをキャッチしました。
 こうしたトリックプレーであり、相手の意表を突いたものでしたが、そのQBのパスの精度、WRのキャッチ能力とも、大変レベルの高いプレーであったと思います。さすがは、QBベン・ロスリスバーガー選手→WRアントニオ・ブラウン選手のポットラインです。

 それにしても、「スパイクプレーのフェイク」というのは、大変珍しいプレーでしょう。

④ 2ポイントコンバージョン、両チーム合わせて6回失敗

 TDの後、ゴールキックを決めると1点が加算されます。TD6点+ゴール1点=7点が、一般的なTDによる得点となるのです。
 しかし、もう1点得点を増やしたい時には、ゴールキックの代わりに「2ポイントコンバージョン」にトライすることがあります。

 例えば、TDで逆転し、相手チームとの差が「1点」(例えば30-29)となった時に、ゴールキックGKを決めてもその差は2点になるだけですから、相手チームにFGで3点を挙げられると再逆転されてしまいます。従って、TDで逆転したチームは、その差を3点にするために、2ポイントコンバージョンに挑むことがあるのです。

 NFLにおいては、TD6点、TD+GK=7点、FG3点というのが、相手との差を測る時の基準になります。(セイフティで2点を取ることが出来ますが、セイフティプレーは滅多に観られないプレーです)
 従って、相手との差は、3点以上、7点以上を目安に、ゲームを進めることが多いのです。
 残り時間が少なくなった状況で、1点差と2点差、5点差と6点差には「有意な違い」は有りませんから、GKを決めても2点差や6点差にしかならない局面では、2ポイントコンバージョンを狙うことがあるのです。

 こうした点差を意識した上で狙って行く2ポイントコンバージョンプレーですが、当然ながら「成功の確率はGKより格段に低い」ので、トライには勇気が要ります。通常なら1試合に1度見られるかどうか、のプレーでしょう。

 ところが、このゲームでは6度も観られたのです。
 第1Q、スティーラーズがTD後にいきなり2ポイントコンバージョンにトライした時には驚きました。「何故、1Qから?」と多くの人が考えたことでしょう。
 おそらく、スティーラーズのスタッフは「このゲームは大接戦となるから、最初から1点でも多く取っておいた方が良い」と考えたのでしょうし、今季このゲームの前まで2度トライして2度成功していたこと、つまりこのトリックプレーに自信を持っていたことも、こうしたプレー選択の理由だったのでしょう。

 しかし、その最初のトライ失敗を皮切りに、スティーラーズはこのゲームで、2ポイントコンバージョンを4度プレーし4度失敗しました。

 一方のカウボーイズも2度トライして2度失敗しました。
 試合終了間際のTDで35-30と逆転した時も、「GKの1点を加えた6点差には有意な意味が無い=TD6点+GK1点の7点で逆転されてしまう」ということから、2ポイントコンバージョンを狙って行ったのです。
 「残り時間9秒」でもスティーラーズの乾坤一擲のプレー、ヘイルメアリーパスのようなプレーが万万が一決まる可能性を考慮し、「より負け難い点差を目指す」ところに、NFLの試合に勝つことの難しさ、両チーム・各プレーヤーの「勝利への執念」が存分に感じられます。

 この激戦を制したカウボーイズは、今季成績を8勝1敗としました。初戦を落とした後の「8連勝」で、NFC東地区の首位を快走しています。
 NFL屈指の強豪チームであるカウボーイズにとっても、「8連勝は1977年以来40年振り」ということですから、今季のカウボーイズの勢いは素晴らしいものです。

 特に、QBダック・プレスコット選手、RBエゼキセル・エリオット選手、WRジェイソン・ウィッテン選手やデス・ブライアント選手らを擁する攻撃陣は、とても充実しています。
 1995年以来22年振りのスーパーボウル制覇に向けて、快進撃を続けていただきたいと思います。

 一方のスティーラーズは、4勝5敗と負けが先行してしまいました。今季は4勝1敗と好スタートを切ったのですが、4連敗となってしまいました。
 とはいえ、今季のAFC北地区は全体として成績が悪く、首位のボルチモア・レイブンズも5勝4敗ですので、まだまだ地区優勝の可能性が十分にあります。
 今後の反攻に期待したいと思います。

 「スティーラーズVSカウボーイズ」は、NFLの看板カードのひとつです。

 これまでも、そしてこれからも、素晴らしいドラマを提供してくれるのです。
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NFL2016~17・スティーラーズ対カウボーイズ  
Comment
234
ブロンコスファンの私ですが、今期のスーパーボウルは、
レイダースとカウボイーズが見てみたいと思います!
どちらも、新しい力がチームの中核を成して、これから5,6年のNFLの中心となっていきそうなチームですね。
ペイトリオッツやシーホークスなどの高い壁を打ち破って進出の暁には、素晴らしいゲームが期待できます。

235
Re: コメントありがとうございます。
私もそう思います。

復活しつつある名門チームとして、そして何より
試合が面白いという点で、この両チームの活躍が
とても楽しみです。

引き続き、コメントよろしくお願いします。

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