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 1月29日、アメリカのCBS放送が世界的な自転車競技の大会「ツール・ド・フランス」において「隠しモーター」が使われた可能性があると報じました。
 事の正否は、これからの検証によって明らかになっていくものなのでしょうが、アメリカのメジャーな報道機関が報じた以上、根拠の無いニュースではないと思います。

 この報道によると、ツール・ド・フランスにおける名門チームのひとつ「チームスカイ」(イギリス、過去4度の総合優勝)やドーピング問題で永久追放処分を受けたランス・アームストロング氏(アメリカ)が、レースにおいて隠しモーターを装着した自転車を使っていた、というものです。

 チームスカイの自転車は、他のチームの自転車より800グラム以上重く、丁度隠しモーターの重量に相当するとも報じられました。

 極めてハードな大会であるツール・ド・フランスに出場しようとするプレーヤー・チームは、当然ながら「1gでも軽い」自転車を使用しようとする(強度を確保した上で)でしょうから、800gも重いというのは、戦っていく上では大きなハンディキャップとなりそうです。

 チームスカイおよびアームストロング氏はこの疑惑について否定しているとも報じられています。
 
 世界最大の自転車競走とも呼ばれているツール・ド・フランスは、体力と知力とチームワークの限りを尽くさなければ、到底栄冠に輝くことは出来ない大会です。
 その大会で「電動自転車」を使用していたとなれば、これはもう不正というより、茶番と呼ぶべきもので、万一そんなことが行われていたとすれば、行っていたチームや個人の「自転車競技に対する敬意」や「人格」が問われることになります。

 それにしても、自転車競技というのは何時の時代も「不正」の影が付きまとっているようにも見えます。
 
 いわゆるドーピング問題については、1886年のボルドー・パリ間の自転車レースでイギリスの選手が興奮剤トリメチルの過剰摂取により死亡し、これが全てのスポーツ競技を通じて、記録に残る初のドーピングによる死者と伝えられています。
 また、1960年ローマ・オリンピックの自転車競技で興奮剤アンフェタミンを使用した選手が競技中に死亡し、オリンピックにおける初のドーピングによる死者とされています。

 1928年に国際陸上競技連盟が興奮剤の使用禁止を決めていたとはいえ、検査がありませんでしたので、このころは実質的にはドーピングが野放しの状態だったのです。

 そして1966年、国際自動車競技連盟(UCI)と国際サッカー連盟(FIFA)がそれぞれの世界大会で、全てのスポーツ競技の国際大会を通じて初めてのトーピング検査を実施し、1968年のグルノーブル、メキシコシティの冬夏のオリンピックにおける初めてのトーピング検査実施に繋がっていくのです。

 つまり、自転車競技は全てのスポーツ競技の中で、最も早く、最も強度のドーピングが行われ蔓延し、最も早く対策が講じられた競技のひとつということになります。

 しかし、こうした対策・取組にもかかわらず、頭書のように「1999年から2005年のツール・ド・フランス7連覇」というランス・アームストロング氏の記録はドーピング問題により取り消されてしまい、2017年に至って「隠しモーター疑惑」が持ち上がっているのです。

 「絶えることのない不正疑惑の連続」が自転車競技の歴史だという見方もありそうです。

 もちろん、「栄光とお金への執念」から生ずる「不正行為」は、どの競技にも存在するものだという意見もありそうですが、特に自転車競技に多いように感じられるのは、何故なのでしょうか。
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