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HOME   »   スキー  »  [アルペンスキー] スキー板は再び長くなってきているのか?
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 オーストリアのシュラートミングで開催されていたFISアルペンスキー世界選手権は、テレビ放送されていましたので、とても楽しませていただきました。

 私は雪国の、それも我が国有数の豪雪地帯に育ちましたから、もの心がついた時にはスキーを履いていました。

 少し大きくなると、ちゃんとしたスキー板を使うようになります。1980年代までのアルペンスキー板は、自分の身長より相当長いものを使いました。具体的には、腕を上げて、手首を曲げ、その掌に当たるくらいの長さが良いとされていましたので、高校生になった頃には、少し背が高い私のスキー板は205㎝か210㎝でした。

 当時の滑降競技に使われたスキー板は、もっと長く、230~240㎝であったと記憶しています。スキー板は、長いほど速く滑ることができるとされていましたので、自らが操作できる限界の長さのスキー板を使用していたのでしょう。

 1990年代に入って、いわゆるカービングスキーが開発されてから、アルペンスキーのスキー板は一変しました。とても短いスキー板を使用するようになったのです。

 スキー板のエッジの部分ですが、1980年代までのものは、スキー板を真上から見て、ほとんど真っ直ぐに見えました。正確には、スキー板の先の方と後ろの方が、少し膨らんでいたのですが、一見したところでは、ほぼ真っ直ぐに見えたのです。

 一方、1990年代以降のカービングスキーは、スキー板の先の方と後ろの方が大きく膨らんでして、エッジのラインは弧を描いています。

 この弧の在り様を、単位で呼ぶと80年台以前のものは「R40」以上、90年代以降のものは「R20」以下、つまり、カービングスキーというのはR20以下の、エッジ部分が大きく曲がっているスキー板ということになります。

 エッジの部分が大きく曲がっていると、ターンし易いのです。滑っていて、回り易いということです。R40以上の、エッジ部分がほぼ真っ直ぐのスキー板は、真っ直ぐ滑るのには向いていますが、ターンするのが難しいということになります。

 本ブログの過去の稿で、スキーは雪面とスキー板の間に、薄い水の膜が出来て、滑ることができると述べました。雪面をスキー板で押すことで、水の膜が出来るのです。主な推進力は、地球の重力です。
 そうすると、より速く滑るためには、なるべく大きな面積でスキー板を雪面に付け、なるべく強い力で押しつけることが、有効ということになります。

 そうなると、回転や大回転といった技術系の種目はともかくとして、滑降やスーパー大回転といったスピード系の種目は、引き続き、長めのスキー板が使われるかと思いましたが、これらスピード系の種目も、短いカービングスキーが主流となりました。
 カービングスキーは、昔のスキー板より幅が広いので、雪面との接地面積は「幅」で確保し、スキー板の操作し易さが優先されたのかな、と考えていました。

 1990年代以降は、選手は自分の身長より短い、それも相当短いスキー板を履いて、競技に臨んできました。昔の、自分の身長より相当長いスキー板を履いている選手の記憶も薄れてきていたのです。

 そして、今2013年の世界選手権を迎えました。今回もカービングスキーばかりの大会になると思いました。
ところが、競技を観ていると、相応に長いスキー板を履いている選手が居るのです。おゃっと思いました。

 女子のスーパー複合競技、優勝したドイツのヘフル・リーシュ選手は、女性としては大柄な180㎝を超える選手ですが、スーパー複合後半の回転競技において、自らの身長より長いスキー板を履いていました。少なくとも185㎝以上のスキー板でした。
 一方、この種目で2位となったスロバキアのマゼ選手は、リーシュ選手より身長が低く、おそらく170㎝以下と観ましたが、その身長より相当短いスキー板を履いていました。155㎝以下のスキー板ではないかと思います。

 世界のトップを争う二人のスキーヤーのスキー板の長さに、これだけ大きな違いがあるのは意外でした。おそらく「R○○」の数値が違うのです。よりターンし易く、操作が容易な「数値の低いカービングスキー」を使う選手が大半だった時代から、よりスピードを出しやすく、真っ直ぐ滑りやすい「数値の高いスキー板」を使用する選手も出て来る時代になったのかもしれません。興味深いところです。

 報道されているところでは、今大会の有力選手の中に「R35」のスキー板を履いている選手が居たそうです。1980年代のR40のスキー板程ではないにしても、エッジの曲りが非常に小さいスキー板ということになります。
 今後の世界選手権やオリンピックのアルペンスキー競技では、使用する道具の違いが注目点となるのかもしれません。ターンし易さとスピードのバランスを、各選手が自分の筋力や柔軟性といった特徴を最大限に発揮するために、練習と検討を続ける時代が来たのでしょう。

 今シュラートミングの世界選手権最終種目・男子回転は、地元オーストリアのヒルシェー選手が気迫十分の滑りを魅せ、見事に優勝を飾りました。今大会、地元オーストリアに初めての個人種目の金メダルを齎したのです。自他ともに認めるアルペン王国オーストリアの面目が保たれたレースでした。
 2位にはドイツのノイロイター選手、3位にはオーストリアのマット選手が入りました。

 3人のスキーヤーは、表彰台で大歓声に応えました。ヒルシェーのスキー板は、ほぼ自分の身長と同じ長さでした。ノイロイターのは身長より短いスキー板でした。そして、マットのは身長より長いスキー板でした。

 三者三様。これからのアルペンスキー競技を象徴しているようなレースでした。

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シュラートミング・アルペン世界選手権   スキー板が長くなっている  
Comment
168
こんにちは
少し前の記事ですがコメントしてしまい申しありません…(笑)

少し記事の内容が気になってしまったのでご存知無いのでしたらとお節介を焼かせていただきます

まず、記事の中で見ましたスーパー複合たる種目ですがSLとSG(回転競技とスーパー大回転競技)を滑り、合計タイムを競うと言う種目です。

次にスキー板の長さとRなのですが、今はマテリアル(ルール)が決められていて
SL(回転競技)は155㎝以上R14以上
SG(スーパー大回転競技)は185㎝以上R32以上
だったと思います。
自分はしばらく前に引退したので正確な数字ではないかもしれませんが(^_^;)

つまり、記事の中にあった選手は一位の選手はSGの板を二位の選手はSLの板を持っていたのではないでしょうか?そうなると両方ともマテリアルに沿ったものを使っているだけって事ですね。

技術どうのというより、ただマテリアルに沿った板で競技をしてるだけだと思います。

以上です。

ご不快になられたら申し訳ありません
良かったら、新しいマテリアルについて調べてみれば更にスキーが面白く見えるかもしれませんのてよければ…

170
Re: コメントありがとうございます。
ご指摘いただき、ありがとうございます。

そうしたレギュレーション、マテリアルがあることは知りませんでした。
とても参考になります。いろいろ調べてみたいと思います。
また、これから始まる世界選手権を、一層楽しむことができそうです。

これからも、コメントよろしくお願いいたします。

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