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HOME   »   競馬  »  [競馬コラム189] NHKマイルカップと日本ダービーを連勝した キングカメハメハ号
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 2017年春のG1戦線真っ盛りですが、この時期になるとキングカメハメハを思い出します。

 ハワイの王様のような印象的な名前だったキングカメハメハは、2003年11月、京都競馬場の芝1800m新馬戦でデビューしました。このレースを1/2馬身差で勝ち、続く500万下のエリカ賞も1/2馬身差で連勝したのです。
 2歳の冬のことですから、当然本格化前だったわけですが、この頃から「勝負強さ」の片鱗が伺えます。後に「名馬」と呼ばれるサラブレッドの中には、デビュー戦で5馬身差、10馬身差でぶっちぎる馬もいるのですが、キングカメハメハは必要な着差で勝つという術を、早々に身に付けていたように見えます。

 3歳となった2004年1月の京成杯G3(中山競馬場芝2000m)で、キングカメハメハは初めて敗れます。フォーカルポイント、マイネルマクロスから離されての3着でした。
 結局、この1敗が「生涯唯一の敗戦」となるわけですが、この1敗の影響は大きく、皐月賞と同じコースでの敗戦を踏まえて、陣営は皐月賞出走を回避することとなったのです。

 その後、キングカメハメハは2月のオープンレース、3月の毎日杯G3(阪神競馬場芝2000m)に臨み、連勝しました。
 特に、毎日杯では、京成杯で敗れたマイネルマクロスを破り、2着のシェルゲームに2・1/2馬身差の完勝でした。ようやく「パンとしてきた」のでしょう。

 キングカメハメハは、5月9日のNHKマイルカップG1に勇躍駒を進めました。

 そして、このレースを圧勝したのです。
 2着のコスモサンビームに5馬身差、1分32秒5のレースレコード勝ちでした。

 残り1ハロンまでは競り合った形のレースであったと記憶していますが、そこからの伸びが凄かった。一完歩ごとに差を広げ、ゴール板では5馬身差を付けたのです。

 続いて5月30日の日本ダービーです。

 NHKマイルカップの前身レースであったNHK杯(2000m)が、日本ダービーのトライアルレースだったころから、この2つのレースを連勝するのはローテーション的にきつい、と言われていましたし(あのハイセイコーもNHK杯を勝ち、ダービーは3着でした)、NHK杯がG1・NHKマイルカップになってからは、一層厳しいと考えられていました。マイルの専門家が大挙して出走してくるからです。
 いずれにしても、「3週間でG1レースを2走」というのは、誰が見ても「しんどい」感じがします。

 しかし、キングカメハメハ陣営は敢然と挑戦してきました。後に、皐月賞回避を決めた時点で、NHKマイルとダービーの連勝を狙っていたと報じられました。

 2004年の日本ダービーは、道中ハイペースの展開となりました。
 4角を回って、いつものように好位に付けたキングカメハメハは、馬場の7分どころを通って直線に進出しました。

 道中のハイペースがたたってか、あるいは、3歳馬にとっての初めての2400mの厳しさか、直線での叩き合いは「我慢比べ」の様相でしたが、このレースでも「残り200m」からキングカメハメハはグイッと前に出て、大外を強襲したハーツクライの追い上げを1・1/2馬身凌ぎ切ったところがゴールでした。
 素晴らしいレースでした。

 2分23秒3という走破タイムはレコードでした。緩みの無いペースの中で、キングカメハメハがスピードと持久力を示したレースでしたし、ゴール前で見事な伸び脚を魅せたハーツクライのレース振りは、後の「大成」を予感させるに十分なものでした。(このレコードタイムは翌年の三冠馬ディープインパクトと同タイムであり、2015年、キングカメハメハの仔ドゥラメンテの2分23秒2に破られるまで続きました。日本ダービーのタイムとしては、キングカメハメハ・ドゥラメンテの親子およびディープインパクトの走破タイムが、歴代でも抜けています。もちろん、馬場状態との関係があるのでしょうが、レベルの高いタイムであろうと思います)

 キングカメハメハは、NHKマイルカップ→日本ダービーという「新しい道」を選択し、見事に連勝して魅せたのです。
 「変則二冠」とも呼ばれるローテーションですが、2008年のディープスカイとともに、史上2頭しか成し遂げていない快挙です。

 マイル戦特化の傾向が一層強まり、1600mと2400mは「別の世界」と評されるようになった現在では、この「変則二冠」に挑む馬も多くは無いことでしょう。

 3歳秋には、天皇賞(秋)を目指して神戸新聞杯を快勝したキングカメハメハでしたが、屈腱炎を発症して、そのまま引退しました。

 キングカメハメハ号、父キングマンボ、母マンファス、母の父ラストタイクーン。大種牡馬ノーザンダンサーの4×4・血量12.5%。超良血との評もあります。
 通算成績8戦7勝・3着1回。主な勝ち鞍、日本ダービー、NHKマイルカップ。

 種牡馬となったキングカメハメハは、ご承知のように、サンデーサイレンス血統が全盛期を迎えた日本競馬の中で、対になる血統として抜群の存在感を示しています。活躍産駒も枚挙にいとまがありませんから、こちらは、別の記事で書いてみたいと思います。

 競走馬としてのキングカメハメハのピークは、NHKマイルカップであったろうと考えています。
 その3週間後に、残された力の全てを投じて日本ダービーをもレコード勝ちしてくれました。

 「ゴール前200mの強さ」が、キングカメハメハの真骨頂なのです。
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