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 ベースボールの塁間距離は約27.4m(90フィート)です。
 これは、1845年頃、ニューヨークに居たアレクサンダー・カートライトという人物が「ベースボールを考案(発明)」した時から、変わっていないと言われています。(諸説はあるようですが)

 凄いことだと思います。

 170年前に決めた「塁間距離」がその後の様々な変化、プレーヤーの資質の変化、道具の進歩、他のルールの変更、等々を経ても、不変なのです。

 ある意味では、とても不思議なことでしょう。

 投手の投球スピードが飛躍的に上がり、走者のランニングスピード・技術も段違いに向上し、内外野の守備力も向上している状況下、同じ塁間距離のままで、ベースボールの持つスリル・面白さが全く損なわれていないのですから。

 打者の技術・スイングスピードが向上し、結果として打球のスピードも上がっている一方で、守備側の技術・送球速度も上がっていることから、クロスプレーの発生頻度・スリリングな様子が維持されているということになるのでしょうが、170年間もの間、数えきれない変更・変化の波に洗われても、「ベースボールの魅力」はいささかも減ずることが無いのです。

 最初にカートライト氏は、どのような「物差し」で塁間距離を決めたのでしょうか。
 ベースボールに似た競技が数多くあった時代のことですから、モデルになった競技もあったこととは思いますが、そうした沢山の競技・ルールを踏まえて、「塁間は90フィート」としたのでしょう。

 この「90フィート」が、ベースボールというスポーツに齎したものは、計り知れないほど大きなもののように感じられます。

 内野ゴロの際の1塁ベース上のクロスプレー、盗塁プレーの際の走者の走る速度とキャッチャーからの送球で生まれる2塁ベース上のクロスプレー、ランナーが本塁に走り込む際の外野手の送球とランナーの走塁から生まれるホームベース上のクロスプレー。
 ベースボールで観られる数限りないクロスプレーは、この「27.4m」の中で生まれているのです。

 長い歴史の中で、長すぎる、短すぎる、という指摘が増えていれば、塁間距離は見直されていたことでしょう。
 しかし、90フィートは不変であったのです。

 例えば「2塁への盗塁プレー」を観てみましょう。
 投手はクイックモーションで本塁へ投球しますし、1塁ランナーへの牽制も行います。牽制技術もどんどん向上しています。
 キャッチャーは、ピッチャーに対してストレート系の投球を要求することも多く、捕球してからの2塁への送球スピードも、日々の練習により向上し続けています。
 そうなると、2塁への盗塁成功は激減しそうなものですが、実際にはそうなってはいない。

 1塁走者側のリードの幅、スタート技術の向上が、守備側の種々の向上と「丁度バランスが取れている」ということなのでしょう。日々進歩を続けながらも、どちらかが圧倒的に優位に立つことが無いのです。

 「栄光のV9」時代に、巨人軍の捕手として活躍し、日本プロ野球史上屈指の好捕手と言われる森選手が、最もスリリングなシーンとして挙げる「2塁ベース上の盗塁時のクロスプレー」の魅力は、何時の時代も全く変わらないものとなっているのです。

 カートライト氏が決めたと言われている「90フィート=約27.4m」は、素晴らしい「偶然」であったように感じられます。
 ベースボールの魅力を、これまでも、これからも維持していく原動力?であろう「90フィート」は、ベースボールの将来をも守っていく「マジック」のような気さえします。

 一方、バスケットボールのゴールの高さは10フィート=305cmですが、こちらも1891年、バスケットボールを考案=発明したジェームズ・ネイスミス氏が最初に決めた高さのまま、120年以上にわたって不変です。

 これも凄いことだと思います。

 バスケットボールが世界屈指の人気スポーツとなり、雪や低気温のため冬には屋外スポーツが出来ない地域でもプレーできるということもあって、競技人口も飛躍的に増えてきた歴史の中で、「305cm」は不変なのです。

 NBAにおいて典型的に観られるように、プレーヤーの大型化が進み、身長2mを超える選手も珍しくない時代となっても、「リングの高さを上げる」ことは行われませんし、そうした提案が本格的に検討されているという話も聞きません。

 ネイスミス氏は考慮していなかったのではないかと思われる「ダンクシュート」が、バスケットボールにおいて最も人気のあるプレーのひとつとなり、現在のNBAやNCAAのプレーヤーの多くが、ゴールの上からボールを叩き込むことが出来るまでに、体格・体力・ジャンプ力が向上した時代になっても、10フィート=305cmは全く揺るぐことが無いのです。

 ボールを保持しながらのジャンプの最高到達点が305cmを大きく超えるプレーヤーが多数出現したために、得点数が増え過ぎてしまい、「点が簡単に取れるスポーツ」になってしまって、バスケットボールの面白さが半減したということも、全く無いのです。

 攻撃側の体力・技術・戦術の向上度合いと、守備側の体力・技術・戦術の向上度合いのバランスが、「305cm」という基準の下で拮抗し続けていることが理由であることは明らかです。
 そして、ゴールを目指す攻撃側・守備側のスリリングなプレーが、変わることなく続いているのです。スポーツとしてのバスケットボールの魅力は、120年以上を経ても全く変わることが無いのです。

 ネイスミス氏が、バスケットボールの最初の試合を行った1981年12月、行われた体育館のバルコニーにゴールを設置したのですが、そのゴールの高さが305cmだったのです。
 もし、バルコニーの高さがもう少し高かったら、低かったら、バスケットボールのゴール(リング)の高さは、異なるものであったのかもしれません。

 もし、ゴールの高さが305cm以外であったら、その高さは変更されていたのでしょうか。
 それとも、バスケットボールというスポーツ自体が、面白さに欠けるということで衰退していたのでしょうか。
 そこは、分からないところです。

 間違いないのは、最初に試合が行われた体育館のバルコニーに設置されたゴールの高さが10フィート=305cmであり、この305cmの高さのゴールが、その後の様々な変化・進歩の中でも、その価値を維持し続けているという事実です。

 ネイスミス氏は、どのような「物差し」で305cmを決めたのでしょうか。
 バスケットボールは、それまであった球技とは全く別の次元で、全く新しく発明されたスポーツ競技ですので、そのルールも相当に検討されたものであろうとは思いますが、さすがにプレーヤーの体格がこれほど大きくなることまでは、ネイスミス氏でも予想できなかったのではないでしょうか。

 やはり、この「305cm」も素晴らしい「偶然」のような気がします。

 もちろん、ベースボールは27.4mを所与のものとして発達し、バスケットボールは305cmを所与のものとして発達してきた、「レギュレーションをベースに進歩してきた」という見方もあるでしょう。
 そうだとしても、数多くの変動要因の下で、27.4mと305cmが変わることなく、2つのスポーツを形作ってきたという事実は厳然たるものです。

 27.4mと305cmは、ベースボールとバスケットボールの魅力をいささかも減ずる要因とはならず、魅力を増大させる基準のひとつとなってきたのです。

 おそらく、他のスポーツにもこうした「素晴らしい偶然」がいくつも存在するのでしょう。

 ベースボールとバスケットボールの人気の高さを思い、世界中の何億人もの人々の人生の糧となっている状況を見るにつけ、スポーツの持つ力を改めて感じるのです。
 
 この「力」のベースとなっている、こうした基準を決めた時には、発明者に「神が舞い降りた」のかもしれません。
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