FC2ブログ
HOME   »   競馬  »  [競馬コラム3]  セントライト記念とアカネテンリュウ
RSSフィード iGoogleに追加 MyYahooに追加
 我が国最初のクラシックレース三冠馬であるセントライト号を記念して始められたセントライト記念は、1947年・昭和22年、終戦2年後の10月のレースを第一回とする、歴史と伝統を誇るレースです。
 現在は中山競馬場の芝2200mコースで行われ、秋の首都圏競馬の開幕を告げるレースでもあります。

 もともと3歳馬限定のレースでしたから、秋の3歳馬のビッグイベント「菊花賞」へのステップレースという色合いが濃いレースでした。実は、正式に菊花賞のトライアルレースに指定されたのは1995年で、このレースの長い歴史から見れば最近のことに思えます。

 セントライト記念が歴史上、菊花賞のトライアルレースであったかどうかは、あまり大きな問題ではないと思います。スケジュール面と3歳限定である点から、春の3歳路線で活躍した馬が、暑い夏を過ごして秋初戦として走るには丁度良いレースであったと思います。

 一方、皐月賞、日本ダービーといった春のレースには間に合わなかった、あるいは賞金条件等で出られなかった馬で、夏競馬でメキメキ力をつけてきた馬にとって、春の強豪たち相手に自らの力を試す絶好のレースでもあります。
 従って、セントライト記念が菊花賞への重要なステップレースであったことは間違いないことでしょう。

 2200m~2400mのレースだから3000mの菊花賞を占うレースには成り得ない、といった見解を目にすることがありますが、いかがなものでしょうか。そもそも秋の菊花賞に向けての3歳路線(あるいは3歳馬が出走できるレース)に、2500m~3200mのレースは存在しないのですから、距離適性を観ることはどのような方法をもってしてもできません。
 セントライト記念や神戸新聞杯といった、存在する最も適したレースにより、菊花賞出走馬の「調子を観る」ことが重要だと思います。

 ここまで65回を数えるレースですから、優勝馬もバラエティーに富みます。
アサカオー、プレストウコウといった菊花賞馬、サクラショウリ、メリーナイスといった日本ダービー馬、ベルワイド、モンテプリンス、メジロティターンといった天皇賞馬、皐月賞馬ビンゴガルー、ジャパンカップ馬レガシーワールド、有馬記念馬イシノアラシ、宝塚記念馬ナカヤマフェスタ、GⅡ4勝ローゼンカバリー、GⅡ6勝(JRA記録)バランスオブゲーム、そして三冠馬にして天皇賞・有馬記念・ジャパンカップ等々を制したシンボリルドルフ。
 まさに綺羅星のごとく、JRAの歴史を飾った馬たちが並びます。どの馬も印象深く、一頭一頭に思い出がありますが、セントライト記念で最も記憶に残っている馬と言われれば、アカネテンリュウ号を挙げます。

 アカネテンリュウは、父チャイナロック・母ミチアサ。1969年・昭和44年の3歳春シーズンは条件馬として、皐月賞・日本ダービーには無縁の馬でしたが、夏の函館からブレイクし、セントライト記念に駒を進めました。ついに日本ダービー出走馬と同じ土俵に上がったのです。
 ダービー2着馬のミノルに2馬身1/2の差をつけて優勝、重賞初制覇。その勢いで菊花賞も、2着リキエイカン(翌年春の天皇賞馬)に4馬身の差をつけて快勝しました。

 セントライト記念の時もそうだったのですが、菊花賞の京都競馬場の最後の直線でアカネテンリュウは左右によれながら走りました。「遊びながら走って勝った」と言われたものです。常に欧州最強馬の一頭に挙げられるシーバードの凱旋門賞直線を思わせる走りで、アカネテンリュウ強しを印象付けたレースでした。
 この活躍でアカネテンリュウは「戦後最高の上がり馬」と評され、その後しばらくは夏競馬でブレイクした馬が出てくると、アカネテンリュウのようだと言われたものです。

 アカネテンリュウは勢いをかって有馬記念に挑戦します。近時は3歳で有馬記念に挑戦することは珍しくなく、昨年も三冠馬オルフェーブル号が挑戦し勝利していますが、当時は3歳馬と4歳以上の古馬には歴然とした実力差があるとされていて、3歳で有馬に挑戦するのは無謀なことと言われました。

 レースは中山競馬場の直線で逃げ切りを図る6歳馬スピードシンボリ号を、アカネテンリュウが猛然と追い上げ、並んだところがゴールという激しいものでしたが、惜しくも届かずアカネテンリュウは2着。
 その翌年の有馬記念も、この両馬に、その年の菊花賞馬ダテテンリュウ号を加えた3頭の猛烈なたたき合いとなって、スピードシンボリが連覇、アカネテンリュウは再び僅差の2着でした。
 2つのレースともに印象深い競馬でしたし、6・7歳で有馬記念を連覇した名馬として、スピードシンボリの評価を固めたレースでもありました。

 アカネテンリュウ号の父上チャイナロックは、ハイセイコー号やタケシバオー号のお父さんでもあります。現在では良血とは言われませんが、ファンに愛された馬達のお父さんです。


関連記事
スポンサーサイト



NEXT Entry
[競馬コラム4]  戦時の三冠馬 セントライト
NEW Topics
[UEFA-CL2019~20(無観客)] 再開 ベスト8決まる。
[温故知新-陸上競技13] 男子3,000m障害 オリンピック金メダリストの記録
[全米プロゴルフ選手権2020(無観客)] コリン・モリカワ選手 初優勝
[MLB2020(無観客)・ナショナルリーグ] 8月8日終了時点の各地区の順位
[MLB2020(無観客)・アメリカンリーグ] 15ゲーム前後を終えての各地区の順位
[MLB2020(無観客)] ダルビッシュ有投手 2連勝!
[PGAツアー2019~20(無観客)] 全米プロゴルフ選手権大会 開幕
[ルヴァンカップ2020(観客数制限)] 三浦知良選手 53歳5ヵ月10日で先発!
[温故知新2020-陸上競技12] 男子三段跳び オリンピック金メダリストの記録
[大相撲2020・7月場所(観客数制限)] MVPは隠岐の海関
[大相撲2020・7月場所(観客数制限)] 照ノ富士関 5年振り2度目の優勝
[競馬コラム275] キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークスの勝ち馬
[MLB2020(無観客)] 田中将大投手 今シーズン初登板
[NBA2019~20(各種制限)] 再開 八村塁選手の活躍
[大相撲2020・7月場所(観客数制限)] 大一番 朝乃山VS照ノ富士
[欧州4大リーグ2019~20] 各リーグの優勝チームが決まりました。
[NPB2020(観客数制限)セリーグ] 巨人が首位
[NPB2020(観客数制限)・パリーグ] ソフトバンクが首位
[陸上・東京選手権2020(無観客)] 男子800m クレイ・アーロン・竜波選手 快勝!
[MLB2020(無観客)] 前田健太投手 今季初登板・初勝利
[MLB2020(無観客)] 大谷翔平「投手」 久しぶりの登板
[競馬コラム274] エネイブル号 G1レース11勝目!
[大相撲2020・7月場所(観客数制限)] 中日を終えて
[MLB2020(無観客)] ダルビッシュ有投手 登場
[MLB2020(無観客)] 大谷翔平選手 3年目のシーズンイン
[MLB2020(無観客)] 筒香嘉智選手 メジャーデビュー戦で2ランホームラン
[MLB2020(無観客)] 秋山翔吾選手 メジャー初打席・初ヒット・初打点
[MLB2020開幕戦(無観客)] マックス・シャーザー投手とゲリット・コール投手の投げ合い
[MLB2020(無観客)] ついに開幕 今シーズンの試合数など
[大相撲2020・7月場所5日目(観客数制限)] 5戦全勝の力士達
[セリエA2019~20(無観客)] クリスティアーノ・ロナウド選手 驚異の得点力
[競馬コラム273] ビワハヤヒデ号 30歳の大往生
[大相撲2020・7月場所初日(観客数制限)] お行儀の良い観客の皆さん
[ホクレン・ディスタンスチャレンジ2020(観客数制限)] 一山麻緒選手と前田穂南選手
[FIFAワールドカップ2010準決勝] スペインチーム 「パスサッカー」の完成
[温故知新2020-陸上競技11] 男子400m競走 オリンピック金メダリストの記録
[NPB2020(観客数制限)] 戸郷翔征投手 開幕3連勝!
[NPB2020(観客数制限)] DeNA 7月15日まで16試合連続「○●○●・・・」のNPB記録更新
[大相撲2020・7月場所(観客数限定)] 活躍が注目される10名の力士
[温故知新2020-競泳8] マーク・スピッツ選手とマイケル・フェルプス選手
[リーガエスパニョーラ2019~20(無観客)] 久保建英選手 今シーズン4点目!
[アメリカ・カレッジスポーツ2020] アイビーリーグが秋季のスポーツを中止
[温故知新2020-ボート] 男子エイト オリンピックのメダル獲得チーム
[NPB2020・パリーグ(無観客)] 楽天ゴールデンイーグルスの快走
[NPB2020・セリーグ(無観客)] 阪神タイガース 3連勝
[温故知新2020-陸上競技10] 110mハードル 金メダリストの記録
[競馬コラム272-日本馬の海外挑戦14] 2011年 ヴィクトワールピサの快挙
[温故知新2020-競泳7] 男子100m自由形 オリンピック金メダリストの記録
[温故知新2020-陸上競技9] 男子200m競走 金メダリストの記録
[温故知新2020-自転車] 男子団体追い抜き オリンピックのメダル獲得チーム
Entry TAG
セントライト記念の歴史   アカネテンリュウ   上がり馬  
Comment
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
「スポーツを考える-KaZ」ブログへ
ようこそ!
我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

最新記事
最新コメント
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Page Top
CALENDaR 12345678910111213141516171819202122232425262728293031