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 2017年シーズンのセントラルリーグのクライマックスシリーズ・ファイナルラウンドは、DeNAベイスターズが広島カープを破って日本シリーズ出場権を獲得しました。

 ペナントレース2017を圧倒的な強さで制した広島カープが同3位のDeNAに敗退したことは、またぞろ「クライマックスシリーズのあり方」について、様々な議論を呼んでいます。

 一方で、アメリカ・メジャーリーグベースボールMLBのポストシーズンを見ると、1995年から「ワイルドカード」方式が取り入れられています。

 MLBのポストシーズン(プレーオフ)は、各リーグの東・中・西の各地区優勝3チームと各地区2位以下のチームの中で勝率上位の2チームが「ワイルドカード1試合」を戦い、勝った1チームの、計4チームが2チームずつで「地区シリーズ」を戦い(3勝先取)、勝ち残った2チームが「リーグチャンピオンシップ」を戦い(4勝先取)、勝ち残ったチーム=リーグチャンピオンチームがワールドシリーズに進出する形となっています。

 1995年から2011年までは、単純に各地区2位チームの中で最高勝率の1チームが地区シリーズに進出する形でしたが、2012年からは勝率1位と2位のチームの1ゲームマッチが行われることとなりました。

 従って、地区優勝していないチームがワールドシリーズに進出したり、世界一になったりすることが有り得るルールなのです。

 では、「ワイルドカードからワールドシリーズを制したチーム」がどれくらいあるのかと言うと、これがとても多いのです。

・1997年 フロリダ・マーリンズ(現マイアミ・マーリンズ)
・2002年 アナハイム・エンゼルス(現ロサンゼルス・エンゼルス)
・2003年 フロリダ・マーリンズ
・2004年 ボストン・レッドソックス
・2011年 セントルイス・カージナルス
・2014年 サンフランシスコ・ジャイアンツ

 と、6度もあります。
 2017年も含めれば、「23度のワールドシリーズで6度」(優勝確率26.1%)となると、少なくとも地区優勝3チームの勝率1位・2位・3位のチームの優勝確率より低いということは無く、やや高いということになりそうです。
 160試合を超えるレギュラーシーズンに優勝出来なかったチーム=一般的には、そのシーズンの力量が、優勝チームと比較すれば劣るとみられるチームのワールドシリーズ優勝回数としては「とても多い」と見るのが自然でしょう。(これを「多い」と言わなければ、レギュラーシーズン優勝の価値が下がってしまいます)

 つまり、MLBではレギュラーシーズンで優勝していないチームが、ワールドシリーズで優勝するのは「珍しいことでは無い」ということになるのです。

 また、2012年以降は各地区の優勝チーム以外のチームの勝率上位2チームがワイルドカードを争うルールになりましたから、年によっては「同地区2位と3位の2チーム」がワイルドカードに進出することがある、つまり「レギュラーシーズン3位のチームがワールドシリーズに優勝することがある」ルールとなっているのです。

 実際に、今年2017年のナショナルリーグNLワイルドカードは、西地区2位のダイヤモンドバックスと3位のロッキーズの戦いとなりました。地区3位のチームがワールドシリーズ進出・優勝の可能性があったのです。

 この対戦はダイヤモンドバックスが勝利して地区シリーズに進みましたが、その地区シリーズの対戦相手が、NL西地区優勝のドジャーズでした。(ドジャーズが3地区の優勝チームの中で勝率1位だったため、「より下位のチームと対戦できる」という組合せルールにより、こうした「NL西地区の上位3チームが連続して対戦する」という、とても珍しい形となったのです。
 つまり、レギュラーシーズン地区3位のチームが、同地区1位=優勝チームを破って、ワールドシリーズに進出する可能性があったということになります。

 同地区の2位・3位のチームがワイルドカードに進出したということは、当該地区で優勝したドジャーズの勝率がいかに高かったかを示す事象ですから、自然にドジャーズと2位・3位チームとのゲーム差は大差でした。
 レギュラーシーズンで「大差」で2位・3位となったチームでも、ワールドシリーズに進出・優勝する可能性があるのが、MLBのポストシーズンなのです。

 また、地区シリーズやリーグチャンピオンシップ、ワールドシリーズにおいては、全て「ホーム&アウェイ方式」が採用されています。ワイルドカードのチームであっても、自チームのホームグラウンドで試合が出来るのです。
 「1勝のアドバンテージ」もありません。

 ワイルドカードのチームも、相当に公平なルールの下で各シリーズを戦うことが出来るルールになっているのです。

 もちろん、1つのリーグに3つの地区があり、その地区ごとにレギュラーシーズンの優勝を争い、ポストシーズンを行うMLBと、セリーグとパリーグという各リーグでペナントレースを戦い、同一リーグの1~3位でクライマックスシリーズを行うNPBを、単純に比較することは出来ないと思います。

 とはいえ、NPBやMLBにおいて、こうしたプレーオフ・ポストシーズンの形を取る目的が、優勝決定後の「消化試合」の緊張感維持=「面白さ」維持、あるいは試合数の増加による観客動員他による球団・球場の収益向上にあるとすれば、その意義・実益は相当に大きなものと考えられます。
 一方でルールに則り、レギュラーシーズン・ペナントレースで下位のチームが上位のチームを破る事態が起こったとしても、何もおかしなことでは無いという見方もあることでしょう。

 MLBでは「ワイルドカードチームのワールドシリーズ制覇」は、それはそれでとても盛り上がりますし、MLBポストシーズンのエンターティンメント性を高める要素になっていることも、間違いないところです。
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