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HOME   »   MLB  »  [MLB2017・オフシーズン] ヤンキースの新監督にアーロン・ブーン氏
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 12月5日、ニューヨーク・ヤンキースの新しい監督に、アーロン・ブーン氏が決まったと報じられました。

 10月下旬に、ジョー・ジラルディ前監督が2018年シーズンは指揮を取らないと報じられて以来、約1ヵ月半が経っての発表でした。

 アーロン・ブーン氏は、1973年生まれの44歳。シンシナティ・レッズやヤンキース等、MLBの6球団で三塁手としてプレーした後、2010年に現役を引退し、ESPNの解説者として活躍してきました。MLBおよび傘下の球団も含めて、指導者としてのキャリアは初めてとも報じられています。

 私たち日本のMLBファンにとっては、アーロン・ブーン氏のお兄さん、ブレット・ブーン氏の方が馴染みがあります。
 イチロー選手がMLBに挑戦し、シアトル・マリナーズで活躍を始めた頃、その同僚として、「強打の二塁手」として大活躍を魅せていたからです。この2001年のブレット・ブーン選手は141打点で打点王に輝くとともに、37本塁打を放ち、シーズン116勝という史上最高記録を達成したチームに、多大な貢献をしたのです。

 「ブーン家」は、祖父のレイ・ブーン氏、父のボブ・ブーン氏、兄のブレット・ブーン氏、そしてアーロン・ブーン氏と「3代4名のメジャーリーガー」を輩出していて、これはMLBの記録となっています。
 何より凄いのが、その4名が4名ともオールスターゲームに出場していることでしょう。

 メジャーリーガーに成るだけでも、類稀なことであることは言うまでもありませんが、その中でオールスター戦に出場するというのは、MLBのトッププレーヤーの証です。
 3代4名がオールスター戦に出場するというのは、空前絶後の記録に見えます。

 さて、そうした「MLBのエリート一族」の一員であるアーロン・ブーン氏に、ヤンキース監督というMLBでも最も注目される監督就任の「白羽の矢」を立てたということになります。

 ヤンキースの監督ひいてはMLBの監督の選定基準は、当然ながら、私のような素人には計り知れないものですが、近時は「40代の若い監督」が増えているように見えます。
 2017年のワールドシリーズも、43歳のAJヒンチ監督率いるヒューストン・アストロズと、45歳のデーブ・ロバーツ監督率いるロサンゼルス・ドジャーズの対戦となりました。
 40歳台のMLB監督は、決して珍しくはなくなっているのです。

 様々な関連情報を見ると、現在MLBで求められている監督像には
① 若いプレーヤー達と良好なコミュニケーションを取ることが出来るパーソナリティを具備していること
② 各種のデータ分析に精通し、実践の戦術に応用する力があること

 の2点が必要とされているようです。
 この①などは、コミュニケーション能力では無く、コミュニケーションを取ることが出来る「パーソナリティ」というのですから、才能としてもともと備わった「個性」ということになります。
 MLBの監督に就任するためには「天賦の才」が必要ということになるのです。

 ニューヨーク・ヤンキースは、アーロン・ブーン氏に「その能力あり」と判断したことになります。

 もうひとつ、ヤンキース固有の事項として、久し振りに「捕手出身」以外の、三塁手という「野手出身」の監督ということが挙げられそうです。

 ヤンキースは、1996年~2007年のジョー・トーリ監督、2008年~2017年のジョー・ジラルディ監督と2代・22シーズンに渡って、捕手出身者が監督を務めてきました。
 色々な理由があると思いますが、「トーリ監督の成功」が大きな影響を与えたことは間違いないでしょう。

 MLB史上最多の27回のワールドシリーズ制覇を誇るヤンキースですが、その内20回は1960年代前半までに獲得されたもので、1970年代以降「世界一」の回数は激減し、1970年から1995年までの間には、僅か2回しか優勝できませんでした。
 そして、1980年から95年の間は、ワールドシリーズどころか、ポストシーズンもままならないシーズン、「低迷の時代」が長く続いたのです。

 この苦境からヤンキースを引き上げて魅せたのが名将ジョー・トーリ監督でした。
 トーリ監督は、4回のワールドシリーズ優勝、6回のリーグ優勝と、ヤンキースファンに久方ぶりの「黄金時代」を提供したのです。

 「捕手出身監督は良い」という評価が、ヤンキースおよびヤンキースファンの間で固まることは、自然なことだったのでしょう。
 そして、ジラルディ監督も10シーズンの間指揮を執り、2009年シーズンにはワールドシリーズを制覇しました。松井秀喜選手がMVPを獲得したワールドシリーズです。

 そのジラルディ監督も2010年以降は、なかなかワールドシリーズにチームを導くことが出来なくなり、今回の退任ということになったのでしょう。
 ポストシーズン進出位では、ヤンキースファンは満足してくれないということでしょうか。大変なポストです。

 さて、ブーン新監督には、ワールドシリーズ制覇が期待されるのでしょう。
 2016年シーズンから「一気の若返り」を進め、アーロン・ジャッジ選手を始めとする、今後10年のヤンキースを支えるプレーヤー達が育ちつつあるチームを、ワールドシリーズに連れて行く責務が課されることは、間違いないのでしょう。

 若きプレーヤー達との良好なコミュニケーションと、セイバーメトリクスを始めとするデータ分析と戦術・プレーへの応用をベースとして、ブーン監督ならではの工夫を加えた指揮が、2018年のヤンキースに大きな変革を齎すことでしょう。

 その采配が、今からとても楽しみです。
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