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HOME   »   スキー  »  [平昌五輪2018・クロスカントリースキー男子30kmスキーアスロン] 「王国」ノルウェー メダル独占!
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 2月11日、アルペンシア距離センターで行われた男子30kmレースで、ノルディックの本家、クロスカントリースキーの「王国」ノルウェーチームが、メダルを独占しました。

 前半の15kmをクラシカル走法、後半の15kmをフリー走行(殆どの選手がスケーティング走法)で争われたレースでした。
 
 オリンピックや世界選手権といった大きな国際大会では、30km競走は最後まで先頭集団が形成され、残り1km辺りからのスプリント勝負になることが多いのですが、今回は違いました。

 スタート直後からフィンランドのイーボ・ニスカネン選手が出たのです。
 世界選手権の優勝経験もあるニスカネン選手が早々に独走を目指したのですから、他の選手達も「放っておく」訳には行きません。
 5~6名の選手がこれを追ったのです。相当速いペースに観えました。

 ニスカネン選手としては、常に集団走を展開し、自分達に有利な体制を創り上げることが上手なノルウェーチームに対して、「1対1の力勝負」を目指したのだろうと思います。

 ところが、この日の競技場は「風が強かった」、それも地表の雪が吹き飛ばされる程の強風でした。この環境下での単独走では、体に強風をまともに受けてしまいます。疲労の蓄積が速いのです。

 クラシカルからスケーティングへの切り替えのタイミング以降、ニスカネン選手はズルズルと後退し、最期は19位でした。今回は、ニスカネン選手のトライは成功しなかったのです。

 さて、後半に入って、ノルウェーのマルティンヨンスル・スンビ選手とハンスクリステル・ホルン選手がレースを引っ張りました。ノルウェーチームのお家芸「集団走」を展開したのです。
 そしてここに、シモンヘルスタッド・クルーガー選手が加わり、3名のチーム走になりました。
 当然のことながら、オリンピックチャンピオンを決めるレースにおける「集団走」ですから、個々の選手が世界トップクラスの力を身に付けていることは明らかです。
 やや力が劣る選手達が集まって、力不足を補おうとする集団走とは、全くの別物なのです。

 なお、このレースの開始直後、大集団の中で3名が巻き込まれる転倒がありました。
 その転倒に、クルーガー選手が含まれていたのです。スキーやストックが壊れるレベルの転倒でしたから、レースに戻ったクルーガー選手は、先頭集団から大きく遅れたのです。
 しかし、クルーガー選手は慌てることなく、前半の15kmをかけて先頭集団に追い付いていました。
 世界トップクラスの選手、かつ、「王国」ノルウェーの代表とはいっても、高速レースにおいて大差を取り戻すというのは至難の技の筈です。そういう面からも、この日のクルーガー選手のコンディションは、相当良かったのでしょう。

 さて、先頭集団に追い付いたクルーガー選手は、後半の4周回の3周目の最後の坂で飛び出しました。
 転倒で大きく遅れ、ようやく追いついた選手が、今度は先頭集団から飛び出したのです。
 「凄いレース振りだな」と感じました。
 他の先頭集団の選手達は、様子見といった雰囲気でクルーガー選手のスパートを許容しました。ゴールまでには追い付けると考えたのかもしれません。

 ラスト1周前半、クルーガー選手は逃げました。
 その差を次第に広げ、一時は20秒位まで広げました。
 2番手集団から「見え難い位置」まで離れたのです。

 この状況下、2番手集団から2名の選手が抜け出しました。ノルウェーのスンビ選手とホルン選手でした。
 同僚のクルーガー選手を追い上げ始めたのです。

 この時、スンビ選手とホルン選手が、クルーガー選手に追い付き、追い越そうとしていたかどうかは分かりませんが、少なくとも「メダルを目指す」ためには必要なことだったのでしょう。
 そして27km以上を走ってきて、余力を残していたことが素晴らしいことだと感じます。

 先頭のクルーガー選手とスンビ選手、ホルン選手との差が縮まります。
 その差が、スンビ選手とクルーガー選手との差が8秒まで詰まったところが、クルーガー選手のゴールでした。

 実力が拮抗している(オリンピックですから当たり前のことですが)選手同士の戦いでは、自らのリソースをどこで使うかがポイントとなります。
 クルーガー選手が、あのまま先頭集団に残り、ラストスパート勝負に出た場合と、今回のように残り4kmで抜け出す場合とでは、結果がどのように変わっていたのか、これはとても興味深いところです。まさに、オリンピックチャンピオンを争うレースの醍醐味でしょう。

 結果として、あのタイミングで自身のリソースを使うことにより、クルーガー選手は金メダルを獲得しました。
 ゴール前で、1秒でも前に居るためのスパートが功を奏したのです。

 実力が拮抗しているレースですから、スンビ選手達との差が詰まるのは自然なことなのです。試合というのは、こういうものなのでしょう。

 そして、ノルウェーチームは金・銀・銅メダルを独占しました。
 世界に冠たる「クロスカントリースキー王国」ですから、オリンピックのクロスカントリースキー種目でノルウェーの選手がメダルを取ることは、珍しい風景ではありません。

 しかし、これが「表彰台独占」となれば話が違います。

 「王国」ノルウェーとはいっても、男子チームのオリンピックでの成績は世界選手権程には圧倒的な物では無く、21世紀に入ってからも「どうしたノルウェー男子」と言われるような大会もありました。

 メダル独占も、女子チームでは観られても、男子チームではなかなか無いことであったと思います。

 このレースは、「王国」ノルウェー男子チームにとっても、会心のレースだったのです。

 それにしても、2月10日のスピードスケート女子3000mにおける「王国」オランダチームのメダル独占に続いての、クロスカントリースキーにおけるメダル独占です。

 「王国」の底力を感じます。
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平昌五輪2018・クロスカントリースキー男子30㎞  
Comment
253
ノートグ選手の近況の解説ありがとうございました。ケガもあったり、2017年世界選手権でも調子が悪かったんですね。
本来の走りといえば、最後のキレのあるラストスパート。どの大会か忘れましたが、それを見て以来、彼の走りに魅了され今回のオリンピックも楽しみしていたので残念です。
ビヨルゲン選手は、出始めの頃から知っていまして、凄い選手が出てきたなぁという印象がありましたが、あまり好きな選手ではありませんでした。
しかし、そのまま順風万歩の活躍でなく、しばらくの停滞期があって復活。それ以来は女子ではビヨルゲン選手を応援してます。今大会もスキーアスロンでの銀メダル獲得。大ベテランになっても強さは変わりませんね。
ノートグ選手にも、なんとか復活してもらって次の大会で、あの華麗なラストスパートを見せてほしいです。
王国ノルウェーの表彰台の独占。ノルウェー勢の活躍が見られそうな大会ですね。
他に楽しみにしてた、アルペンの男子滑降や女子の回転が、天気のため延期になるなど、平昌の気候と北の参加で政治力が強い大会になってるの残念ですが、まだまだ始まったばかり。いい大会になる事を願ってます。
クルーガー選手の走りは、もちろん最高でした!!

254
Re: コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、ノートグ選手と言えばスプリントの強さ
ラストスパートの破壊力が圧倒的です。

全盛期には、距離にかかわらずどのレースにおいても、
ゴール前、競技場内での競合いに持ち込み、他の追随を
許さないスプリント力で勝利を捥ぎ取っていました。

ノートグ選手の凄いところは、どんなレース展開でも
「ラスト勝負」に持ち込む能力でしょう。他の選手の動きに
自在に対応できる柔軟性・対応力があってこその、スプリント
なのだと思います。

コメントありがとうございました。

今後も、どんどんお寄せください。

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