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HOME   »   スケート  »  [平昌五輪2018スピードスケート・マススタート女子] 「クレバー」な高木菜那選手 金メダル!
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 2月24日に新種目として行われた、スピードスケート・マススタート女子で、高木菜那選手が金メダルを獲得しました。

 6400mという長距離レースを、レース前に立案した戦法通りに滑り、優勝を手にした、極めて「クレバー」なプレー振りが、とても印象的でした。

① 準決勝での滑り

 4周目の最初のチェックポイントで1位となり5点をゲットしました。

 予選通過のためには、早期にポイントを獲得しておくことが狙いでしたが、最初のチェックポイントで早々に得点できたことは、その後の「体力温存」の面からも、有効でした。

 当然ながら、他の選手も早々のポイントゲットを目指している中でのプレーですから、3周目からの準備と直線走路での加速は、計算し尽くされたものであったと思います。

 加えて、5ポイントゲット後は、僅か1時間30分後に控えている決勝レースに向け、体力の温存に努めましたが、その際に残りの4000mを「あまり遅すぎないペース」、レースにおける集団の後方で滑り切ったところが良かったと感じます。
 このレベルのアスリートには、遅すぎるペースは逆に疲れますし、「試合における妙なペース」を体感させることは不得策だと考えます。

 高木選手は、「心地よいスピード」で準決勝を滑り切ったのではないでしょうか。

② 決勝レースでのポジショニング

 高木選手は、このレースを通じて「イレーネ・シャウテン選手の後ろ」に付けました。強豪選手、マススタートを良く知っている上に、走力も十分な選手に付けるのは、有効な作戦でしょう。

 とはいえ、16人ものスケーターが一斉に滑るのですから、「邪魔が入る」のは当然ですが、高木選手はこのポジションを決して譲りませんでした。
 1周目、「大きな隊列変更に制限」が設けられている周回においてさえも、何人もの選手が高木選手のポジションに割って入ろうとしました。良いポジションなのですから、止むを得ないところでしょう。

 それらの動きに対して、高木選手は「上手く」あるいは「毅然として」、その位置を譲りませんでした。周回が進んでも、高木選手は決して譲りませんでした。
 高木選手のこのレースにかける「強い意志」を感じさせるプレーであったと感じます。

 「直ぐ後ろでなくとも、後ろ二人目でも良い」とか「横でも良い」とか、様々な茶々が入る状況下では、安易に考えてしまいがちですが、それは「勝負が分かっていないプレーヤー」がすることでしょう。
 ここは「絶対にシャウテン選手の直後」でなければならない、風よけの意味と、シャウテン選手のスパートに即座に対応するために、直後でなければならないのです。

 「直後に付けた」プレーは、とても「クレバー」なものですが、クレバーを実験するのは大変なことなのです。(オリンピックの決勝ですから当たり前のことですが)

③ 最期の直線のスピード

 6400mのレースもラスト周回に入りました。
 先行する、シャウテン選手→高木選手→キムボルム選手の3スケーターによるメダル争いとなりました。
 シャウテン選手は、残り400mからスパートし、高木選手、キム選手がピッタリと付いて行きます。残り2周回辺りから、まるでチームパシュートの様な「3名一列」の姿でしたが、スピードが上がっても、隊列は乱れませんでした。

 そしてコーナーを回っての、最終コーナーの出口、高木選手はまず「インを締め」ました。キム選手の進出を許さなかったのです。
 続いてシャウテン選手は外にコースを取りました。

 これは、振り返って見れば不思議なコース変更でした。高木選手の前が大きく開けたのです。
 ここで高木選手は「フルスロットル」。
 一気に加速し、外にコースを取ったシャウテン選手、内側から進出してきたキム選手に約1.5mの差を付けました。
 そして、この差のままゴールに飛び込んだのです。

 つまり、「直線の走行スピード・走破タイムは3選手が同一」だった訳で、この直線入口で、高木選手が前に出て居なければ、優勝は無かったかもしれません。

 ラスト100mまで体力を温存するプレー、直線入口で、「前にグイッと出る」プレーは、共に、金メダル獲得に向けての「クレバー」なプレーでした。これ以外では、メダルは取れたのでしょうが、順位は不透明であったことでしょう。

 レース前に組み立てた戦法を、「クレバーな戦法」を、「頑固なまでに徹底して」実行した、高木菜那選手のパフォーマンスが際立ったレースでした。
 世界で戦って行くためには「クレバーなプレー」が必須なのです。

 この大会ふたつ目の金メダルは、オリンピックの日本選手団史上初の「同一大会で日本女子選手が初めて獲得した金メダル」でもありました。

 まさに、歴史的な快挙だったのです。
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