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HOME   »   スポーツ共通  »  [平昌五輪2018] 「王国」はどのように樹立されるのか。
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 今大会でも、スピードスケートのオランダ、クロスカントリースキーのノルウェーと、それぞれの競技における「王国」がその力を誇示しました。
 こうした「王国」はどのようにして成立して行くのでしょうか。

 スピードスケート王国のオランダを例に取って、考えてみましょう。

1. スケートが出来る場所が周囲に沢山あること

 国土の1/3が標高0m以下の土地であり、水路が縦横に配されているオランダは、気温が低い地域(北海道より遥かに高い緯度です)ですから、冬ともなれば一面が凍りつく=スケートが出来る場所に囲まれる、環境に有ります。

 物心付いたころから、冬になれば、お子さんはスケートを始めるのでしょう。
 これは大人になっても続きます。
 基本的に「競技人口が多い」のは、自然なことです。

 これだけ長い間「氷に乗っていれば」、あらゆるタイプの氷の特性を肌で感じることが出来るのでしょう。
 初冬、その季初めて氷結した氷、氷点下10℃以下の日が続き厳冬の中の氷、暖かくなり始めた頃の初春の氷、等々。
 堅い氷、柔らかい氷、表面は堅いが下は柔らかい氷、その逆、等々。
 こうした種々の氷を肌感覚で知っているスケーターとなるのです。
 まさにネイティブスケーターということになります。

 そうした国民の中から、強い選手が選ばれるのです。

2. 周囲の人たち

 気温が低い地域ですから、冬の話題は勢い「スピードスケート」になるのでしょう。お父さん、お母さん、祖父母、兄弟、親せき、友人の方々から、スケートに関する様々な情報がもたらされます。

 「スピードスケートの英雄」の話も盛り沢山でしょう。

 また、一族の中にスピードスケートの強者が居れば、その方の話を聞き、胸をときめかせる瞬間もありそうです。

 スピードスケートの選手への憧れが、育まれるのです。

3. テレビ他のメディア

 「王国」ですから、他の国より、スピードスケート競技会の番組が放送される機会も多そうです。
 こうした番組を観ながら、お父さんやお母さんから、「どうやって滑れば速く滑れるのか」といった情報も、当たり前のように耳に入ってくるのでしょう。

4. コーチやスタッフ

 世界で戦っている一流プレーヤーが多いということは、当然にハイレベルなコーチやスタッフも多いということになります。

 日本で言えば、小学校・中学校時代から、一流のコーチ・スタッフの指導を受けることが出来るのでしょう。

5. 速く滑ることが第一

 氷に囲まれた環境の中では、「速く滑る」ことが優先というか、「普通のこと」になりそうです。

 私の周辺でも、雪国出身の方に話を聞くと「都会から来た人たちはウェーデルンとかができる。右に左にスキーを動かす。でも私たちは、そういうことは出来ない。まっすぐに速く滑るだけ。」と言います。
 ギャップが有ろうが、新雪エリアに入ろうが、ザラメ行きであろうが、「まっすぐ速く滑る」ことが出来るという訳です。このネイティブスキーヤーの方たちは、曲がるのは、木や穴を避ける場合に限られますので、「何もないところで曲がる」という必要が無いのでしょう。(もちろん、選手になり、回転や大回転といった競技をするとなれば、上手く曲がる術をみにつけていくのでしょうが)

 スケートでも同じなのでしょう。
 氷に囲まれている環境下では、スピンやステップといったニーズが低い、まっすぐ速く滑ることに興味が集中するのかもしれません。

 スピードスケート王国オランダから、有力なフィギュアスケート選手や、強いアイスホッケーチームが生まれない、或いは生まれ難いというのは、こうした事情からかもしれません。

 このようにして「スピードスケート王国オランダ」が形成され、各世代に次から次へと強いスケーターが登場するのでしょう。

 「王国」を創るための環境は一朝一夕にはできないというか、おそらく、現在存在する「王国」以外の国が創ろうとしても、相当難しいことなのだろうと感じます。
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