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HOME   »   競馬  »  [競馬コラム208] ジャスティファイ号 アメリカ三冠2018を制す。
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 5月5日から6月9日にかけて行われた、2018年のアメリカ競馬三冠レースにおいて、ジャスティファイ(Justify)が全てを制して、2015年のアメリカンファラオ以来の三冠馬となりました。

 6戦6勝、つまり無敗の三冠馬となると、1977年のシアトルスルー以来41年振り、史上2頭目の快挙です。

 一冠目、5月5日のケンタッキーダービーを快勝した時、初めてジャスティファイの強さを確認したというのが、私の本音です。
 何しろデビューが2018年2月18日と「とても遅かった」ので、2歳レースの実績が無かったのです。
 調べてみると、「3歳デビュー馬」のケンタッキーダービー制覇は、1882年のアポロ以来、実に136年振りとのことですから、このことだけでも歴史的な勝利でした。

 そのジャスティファイが、5月19日のプリークネスステークスを制し、6月9日のベルモントステークスにも快勝し三冠馬となったのですから、「驚異的な快挙」ということになります。

 基本的には「逃げ馬」ですが、ケンタッキーダービーでも2番手から抜け出したように、器用な脚も使います。展開に左右されにくい自力勝負ができるところが、ジャスティファイ最大の強みということになります。
 また、全6走の内3走が不良馬場、残る3走が日本で言えば良馬場ですから、馬場状態への適応力も極めて高いのです。プリークネスステークス2018などは「どろどろの馬場」でしたが、見事に勝ち切りました。

 父スキャットダディは、産駒が初年度(2011年)から良く走りましたのでリーディングフレッシュマンサイアーに輝くなど、今後の活躍が期待されていましたが、2015年12月に急死してしまいました。
 ジャスティファイは、スキャットダディの代表産駒となりましたから、この血統を後世に伝えて行く役目を負ったことになります。

 スキャットダディの父はヨハネスブルグです。
 どこかで聞いたことが・・・と思われた方も居ると思いますが、現在日本で供用されています。
 2009年10月に軽種牡馬協会が購入を発表し、2010年から我が国で種牡馬生活を送っているのです。

 スキャットダディの父系は「ストームキャット系」です。
 ストームキャット系は、ノーザンダンサー系のひとつですが、ストームキャットはあのジャイアンツコーズウェイの父であり、1999年と2000年にアメリカリーディングサイアーに輝くなど、超一流と言って良い成績を残しました。
 
 ストームキャット系は「アメリカのダート馬場」に適応した脚質の馬が多いので、ややもすると「一本調子のパワー型」が多く、高速でペース変化が大きい日本競馬には向かないのでは、との見方もありますが、他の血統との配合によって「バラエティに富んだ強いサラブレッド」を輩出することが実証されています。

 ストームキャットを祖父あるいは母の父として持つ、いわゆる「孫世代」には、ロードカナロア、ファレノプシス、メイショウボーラー、エイシンアポロン、キズナ、アユサンといった馬達が並びますから、日本競馬への適応力も十分ということになるでしょう。

 ジャスティファイの大活躍によって、種牡馬ヨハネスブルグへの需要が高まるかもしれません。

 一方、ジャスティファイの母はステージマジック。その父はゴーストザッパーです。ゴーストザッパーは2004年のブリーダーズカップ・クラシックをレコード勝ち、同年の年度代表馬に輝く優駿でした。通算11戦9勝・G1レース4勝と勝率の高いサラブレッドだったのです。

 そのゴーストザッパーの父はオーサムアゲイン。カナダで生まれアメリカで走り、1998年のブリーダーズカップ・クラシックを制しています、ゴーストザッパーとの親子制覇でした。こちらも通算12戦9勝と高い勝率を誇りました。2001年にカナダ競馬殿堂入りを果たしていますから、生誕地カナダでとても高い評価を受けていることが分かります。

 そのオーサムアゲインの父はデュプティミニスター。カナダで生まれ、カナダとアメリカで走りました。そしてアメリカで種牡馬となったのです。この馬も通算22戦12勝と、良く勝っています。
 そして、デュプティミニスターの祖父がノーザンダンサーなのです。

 こうして観ると、ジャスティファイの母系は「カナダの血」が色濃く出ています。
 ジャスティファイは、北アメリカ競馬が生んだ傑作とも言えるのでしょう。

 1943年にサイテーションが「1940年代の4頭目の三冠馬」となって以来、アメリカではなかなか三冠馬が出なかったのですが、1973年にセクレタリアト(1973年)が久々の三冠馬となってから、シアトルスルー(1977年)、アファームド(1978年)と立て続けに3頭、「アメリカ三冠馬」が登場しました。 
 ところがその後は、21世紀に入り、2010年を過ぎても三冠馬は出ませんでした。特に、三冠目のレース、2400mのベルモントステークスが大きな壁になっていたのです。

 そして2015年、アメリカンファラオが久しぶりに三冠を達成したと思ったら、3年後にジャスティファイが続きました。

 20世紀から21世紀にかけて、アメリカ競馬に「三冠馬が複数登場する時期」が40年ごとに訪れているように観えるのは、とても不思議なことです。

 この「三冠馬が出なかった約40年間の競馬」と「三冠馬が複数登場する時期の競馬」に、どのような違いが有るのか、あるいは「単なる偶然」なのか、謎解きにトライしたいものです。
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