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HOME   »   サッカー  »  [ワールドカップ2018-17] 大迫勇也選手の大活躍
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[6月19日・グループH]
日本2-1コロンビア

 西野ジャパンが緒戦を勝利しました。
 
 チーム全体として、良い戦いが出来たことはもちろんですが、ワントップのフォワードFW大迫勇也選手の大活躍が際立ちました。

 試合開始早々の前半3分、大迫選手が抜け出して、コロンビアチームのゴールキーパーGKダビド・オスピナ選手と1対1のシーンを現出しました。そしてシュート。低弾道の威力あるシュートでしたが、さすがにオスピナ選手はこれを弾きます。
 
 この弾いたボールが、真正面に飛んだことは、結果的に日本チームにとってはラッキーでした。
 大迫選手の後方をフォローしていた香川選手が、このボールをシュート。
 このシュートも「芯を食った」威力十分なシュートであり、キッチリと枠に飛んでいました。
 そしてこのシュートをコロンビアのミッドフィールダーMFカルロス・サンチェス選手が右手で弾きました。

 サンチェス選手はレッドカード一発退場。
 このプレーで日本チームが獲得したペナルティーキックPKを、香川選手がしっかりと決めて、1-0とリードしたのです。

 ここまで、試合開始から僅か6分間の出来事でした。

 この6分間に、この試合に臨んだ西野ジャパンの成功点がいくつも存在したと思います。

① とても良かった試合への入り

 どんなゲームでも、開始早々はなかなかペースに乗れないものですが、この日の日本チームは、最初からフルスロットル。それも「冷静なフルスロットル」でした。
 逆にコロンビアチームは、試合に馴染むのに時間がかかり、前半3分の頃は、これからエンジンをかけようという段階だったと感じます。「日本チーム相手なら慌てることは無い」といったところだったのかもしれません。

 結果として、大迫選手がGKと1対1の局面を創り出すことに成功しました。

 公平に観て、日本代表チームのプレーヤーが海外強豪チーム相手に「GKと1対1のシーン」を創り出したのは、2017年のワールドカップ・アジア最終予選のオーストラリアチームとの2回戦の浅野選手以来ではないかと思います。所謂「決定的なチャンス」をなかなか創れずに来たのです。

 GKとの1対1を創れるほどに、球回しが速く、体も動いていたことになりますから、日本チームのイレブンは良い状態でゲームに入れたことになります。
 その中でも、大迫選手のパフォーマンスは抜群だったということでしょう。

② 香川選手のPK成功

 試合開始早々の、それも「もの凄く重要な」PKを蹴るのは、どんなプレーヤーにとっても「しんどい」ことでしょう。今大会のメッシ選手のPK失敗を挙げるまでも無く、ミッシェル・プラティニ選手やロベルト・バッジオ選手の「失敗」など、超一流のプレーヤー程、PKを嫌がるのです。あの、近代サッカーの申し子、「空飛ぶオランダ人」、ヨハン・クライフ選手でさえ、PKは蹴らなかったと伝えられています。
 PKにはロシアン・ルーレットの要素が有り、GKが飛ぶ方向とキッカーが蹴る方向、そしてキックのスピード、角度等々、「当たり外れ」の要素が存在するのです。
 高度の緊張の下では、どんなプレーヤーでも外す可能性がある訳で、そうでなければ、退場覚悟でサンチェス選手がハンドの反則を犯すはずも有りません。

 本試合のこのPKのキッカーを香川選手が務めることになった経緯については、あまり報じられていません。試合前に「PKになったら香川選手が蹴る」とチームで決めてあったのか、「俺が蹴る」と言って香川選手が自ら志願したのか、「俺が取ったPKだから・・・」であったのか、理由は分かりませんけれども、いずれにしても「極めてしんどいプレー」に、香川選手が望むことになったことは確かです。

 相当の助走距離を取った香川選手は、小走りに走り始めて、真ん中右サイドに蹴り込みました。
 GKオスピナ選手は、自分の右側(香川選手から見て左側)に飛びましたから、ゴールの中央部分は空いていましたので、見事に決まりました。

 香川選手のPKは「ほぼ中央」へのキックでした。
 当然のことながら、GKが動かず、真ん中に「どん」と構えていた時には、取られてしまうタイプのキックだったのです。勇気あるPKに観えました。
 
 試合終了後、「GKの動きを観て、蹴ることが出来た」と香川選手はコメントしました。
 もし、オスピナ選手が「不動」だった時は、別のところに蹴るつもりであったということになります。

 とはいえ、「フェイント」を入れてしまえばPKは失敗というか、キッカーが失格となってしまう怖れもありますから、相手GKの動きを観ながら蹴るというのも、容易なことではありません。
 シュートプレーに入った直後の「小走り」が、大きな意味を持っていたということが分かります。

 香川選手は、自身にとっての「ワールドカップ初ゴール」、日本チームにとって極めて重要なPKを決めて魅せました。
 素晴らしいキックでした。

 西野ジャパンは「試合開始直後の6分間」で、この試合を優位に進めるために大きな収穫を得ました。「先制点のゲット」と「残る84分間を11名対10名で戦うことが出来る権利」という、殆ど信じられないような成果といっても良いのでしょう。

 何しろ、「しばらく勝てていないワールドカップのゲーム」であり、大会前には「グループHの中で最弱」と酷評されていた中での、大成果でしたから、イレブンの心理に相当の影響を与えたであろうことは、想像に難くありません。
 「このまま行けば1-0で勝てる」とか「たとえ失点したとしても1-1で引分ければ勝点1を確保できる」といった考えが、脳裏をかすめたとしても、無理もないのでしょう。

 先制点以降、最初の6分に比べて、チーム全体が明らかに「守備的」になってしまったのです。

 当然のことながら、サッカー競技においては11名対10名なら、11名のチームの方が有利なのですが、その「有利」は絶対的なものではありません。
 10名のチームが11名のチームを破るというのは、そう珍しいことでは無いのです。

 特に、セットプレーとなれば11対10など、殆ど無関係ですから、11名のチームの方は、自らの優位性を活かすために、ピッチを大きく使ったプレーを継続する必要があります。

 にもかかわらず、「守備的」になってしまった日本チームが、自陣に押し込まれるシーンを増やしてしまったのは、残念なことでした。

 一方で、0-1とリードを許し、10名で試合終了まで戦わなければならなくなったコロンビアチームが、どんどん攻撃的になったことも、自然なことでしょう。
 前半35分を越えて、コロンビア攻勢の時間帯となりました。

 そして、エース・ファルカオ選手が倒れ、日本陣ペナルティーエリアの直ぐ外でフリーキックがコロンビアチームに与えられました。
 この反則シーンでは、どちらかといえばファルカオ選手の方が日本ディフェンダーDFにぶつかって行ったように見えましたが、やはり審判も劣勢な方に有利な笛を吹くことがあるのでしょう。

 コロンビアのキッカーはファン・キンテロ選手。
 コンディションが整わずベンチスタートとなった大エース、ハメス・ロドリゲス選手が居ないチームに有っては、最も得点力のあるプレーヤーのひとりです。

 キンテロ選手は、蹴る位置を反則地点から数メートル下げました。ペナルティーエリアの直ぐ外では「近過ぎる」のです。
 そしてインプレー。

 日本チームの壁は一斉にジャンプ。その足の下をキックが通過し、ゴール右隅に一直線。「芯を食った」というには、やや威力に乏しいシュートでしたが、コースは絶妙でした。

 ゴールの反対側にポジションを取っていたGK川島選手が懸命にカバーに動きますが、ボールはゴールラインを10cm程割っていました。

 ゲームは1-1の同点となりました。振り出しに戻ったのです。

 このゲームの日本チームは、全体として良く動き、献身的なプレーを継続しましたが、そのイレブンの中で唯一、川島選手だけは不調であったと思います。プレーにスピードが不足していました。
 本人もそれを感じていたのでしょう。
 ゲームを通じて「ポジションが低過ぎ」ました。

 GKがゴールラインに張り付いていては、シュートをセーブできる確率は下がります。
 PKが多くの場合に決まるのを観ても明らかでしょう。
 GKは「前に出ることによって」、相手プレーヤーのシュートコースを狭め、シュートを決めさせない、あるいは、シュートを決め難い形を創り出して行くのです。

 このゲームの他のシーンでも何度も、ここはGKが出て処理すべきだというシーンで、川島選手は出ることが出来ませんでした。コンディションが良くなかったのでしょう。

 試合開始直後の「生き生きとした動き」、「1対1で互角以上に戦っていたプレー」を封印し、「守備的」なプレーに変更した日本代表チームは、前半の内に追いつかれてしまいました。
 「11対10」にもかかわらず追い付かれたという見方は正しくは無いでしょう。
 前述のように、特にセットプレーでは、「11対10」は大きな意味が無いのですから。

 試合は1-1でハーフタイムに入りました。

 このハーフタイムで、西野ジャパンがどのようにこのゲームを考えるのかは、とても興味深いものでした。

 格上で強い相手と1-1の引分を目指す、目指すには格好の11対10だという考え方、これも決して無い訳ではない。
 絶対に「勝点1を死守」しようというのも、グループリーグGLを勝ち抜くための戦略として、有り得ることでしょう。

 いやいや「追加点を取りに行こう」という考え方も有るのでしょう。GL緒戦で勝点3をゲットする絶好のチャンスだという見方です。
 しかし、攻めに出れば、多くの場合失点のリスクも高まります。

 さらに「自分達のプレーをしよう」という考え方もあるのでしょう。
 ワールドカップに向けて磨いてきた「日本代表チームのプレー」を世界に披露したいという欲求、PKで1点を先取してから「守備的」なプレーをしてしまい、何のために「守備的」になったのか、同点ゴールを許してしまったという反省から、イレブンがやりたいサッカーをピッチ上で表現したいという考え方、この考え方になってくれると、日本チームにとって最も良いのではないか、と考えていました。

 さて、後半の戦いが始まりました。

 そして数分の後、西野ジャパンは3番目の考え方を採用したのかもしれないと感じました。
 後半も「とても良い入り」だったのです。

 動きも速く、戦術が明確なプレーが続きました。

 当然ながら、コロンビアチームも勝ちに来ました。
 前半から日本ゴールを脅かしてきたファルカオ選手が、再び日本ゴール前で「空中に居ながらボールに足を出しシュートする」のです。このパフォーマンスは、「さすがにファルカオ」と思わせるものでした。

 さらに後半14分、名将ペケルマン監督はハメス・ロドリゲス選手を投入してきました。2014年ブラジル大会の得点王にして、コロンビアで最も有名なプレーヤーです。

 しかし、日本チームは全く怯みませんでした。
 ハメス・ロドリゲス選手にも再三絡み、ボールを奪取するなど、自由なプレーを許しませんでした。
 ちなみに、このゲームにおけるハメス・ロドリゲス選手は、相当コンディションが悪そうでした。何よりプレーにスピードとキレが在りませんでした。今大会中にコンディションが戻らないようであれば、コロンビアチームにとっては大きな痛手でしょう。

 さて、日本チームも後半25分、香川選手に替えて本田選手を投入しました。

 試合開始直後に躍動した香川選手ですが、その後はボールタッチも少なく、特に後半は、日本の10番がチャンスに絡むシーンは殆ど見られませんでした。
 こうした展開の試合において、香川選手の様なタイプのプレーヤーが、「殆ど見えない」というのは、ある意味では不思議なことでした。

 交替した本田選手は、早速大仕事をやってのけました。

 この試合大活躍の大迫選手は、後半開始以降も再三コロンビアゴールに迫り、チャンスも迎えていたのですが、追加点は実現できていませんでした。

 その後半28分、日本チームの左からのコーナーキックCK、蹴るのは本田選手。
 本田選手は「大きく高く」蹴りました。最近の「低く速い軌道のCKから一度すらして、別の選手がゴールに叩き込む」といったタイプのプレーではなく、「伝統的なCK」でしたが、正確かつ何とも言えない力強さを具備したキックでした。

 コロンビアゴール正面に落ちてきた「大きく高い」ボールに対して、大迫選手が競り勝ち、ヘディングシュート。
これがコロンビアゴール右のポストに当たって入ったのです。

 素晴らしいというか、凄いゴールでした。

 「大迫勇也というプレーヤー」を世界中に知らしめるゴールでもありました。

 2~3名のコロンビアDFと競り合ってのヘディングシュートが、右ポストに当たってゴールインしたシーンは、この試合を象徴するものであったと思います。
 ポストに当たって右に弾かれノーゴールという可能性も有ったシュートが、キッチリと入ったのです。
 「入るように打ったのだから・・・」というご意見はもちろんあるのでしょうが、複数のDFと接触しながらの攻撃・守備共に「必死」のプレーにおいて、このシュートがはいったところに「サッカーの神様の微笑」があったように感じられるのです。
 
 「この試合は勝てる」と思いました。

 そして、インジュリータイム5分間という、長い長いプレーを経て、ついに日本チームは勝利を得たのです。

 これが、日本代表チームがワールドカップにおいて南米地区のチームを相手にしたゲームにおける初勝利であり、アジア地区のチームのワールドカップにおける南米チームに対する初勝利でもあったのです。
 長いワールドカップの歴史に刻まれる「歴史的勝利」は、「神様の微笑」無くしては、到底達成できないものの様な気がします。

 西野ジャパンは「大きなサプライズ」を魅せてくれました。
 多くの海外メディアにも「大番狂わせ」として取り上げられているようです。

 このゲームは、我が国のサッカー史に燦然と輝くものでしょう。

 次戦、5月24日のセネガル戦への期待は高まるばかりです。
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