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HOME   »   サッカー  »  [ワールドカップ2018-32] 西野ジャパン 決勝トーナメントを確保
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[6月28日・グループH]
ポーランド1-0日本

[6月28日・グループH]
コロンビア1-0セネガル

 西野ジャパンは、グループリーグGL第3戦を落としましたが、決勝トーナメント進出を果たしました。
 ギリギリの戦略と戦術の結果でした。
 このゲームの目的は達成したのです。

 第3戦には「西野監督の2つの決断」が大きな影響を与えたと思います。

① ゲーム開始前の西野監督の「決断」

 先発メンバーを、第1戦・2戦から6名替えました。
 過半を替えたのですから「別のチーム」と言って良く、好調なプレーを続けていたチームと別のチームを投入することによって、決勝トーナメントTに進出できなかった場合には、監督の判断に対して様々な批判を招く怖れがありますから、大きな「決断」でしょう。

 その「決断」の理由は、今大会の日本代表チームの大目標「ベスト8進出」にあったのであろうと思います。
 第1・2戦を戦ったメンバーの疲労回復を図り、決勝T1回戦に万全の体調で臨んでもらうことを「第一」と考えたのでしょう。

 それにしても、GL第3戦で失敗してしまえば、元も子もない状態になるのですから、勇気ある決断であったと感じます。

② 前半はスローペース=ポーランドのペース

 前半は、過去2戦、コロンビア戦・セネガル戦と比較して、とてもスローペースでした。
 暑いボルゴグラードにおいて90分間フルペースで戦い抜くのは困難と判断したポーランドチームが「後半勝負」として、スローペースのゲームに持ち込み、日本チームもそのペースに合わせたかのような展開でした。

 残り45分の戦い用に体力を温存したポーランドチームは後半、案の定攻勢に出て14分、フリーキックFKのボールをヤン・ベドナレク選手がシュートを叩き込みました。ベドナレク選手が日本ゴール前で完全にフリーだったのは、粗末な守備と言われても止むを得ないものでした。

 これだけスローペースのチームが、世界ランキング8位に位置し、ワールドカップ欧州予選でも無類の強さを見せたということは「セットプレーが物凄く強い」ことに他なりませんから、ポーランドチーム相手のセットプレーでは細心の注意が必要なことは明らかです。

③ 試合後半の西野監督の「重大な決断」と「明確な指示」

 リードを許したことは、「引分けでも良い」と考えていたであろう日本チームにとっては、当然に「想定外」のことで、一気に苦境に追い込まれました。このままではGL敗退なのです。

 点を取るために、後半20分乾選手を投入しました。

 第3戦の先発メンバーには「20m以上ドリブルでボールを運べるプレーヤー」が少なく、結果として、日本チームの「スピード十分な連動」という持ち味を出し難い構成でした。
 追い込まれた状況となって、点を取るために、乾選手の投入ということになったのでしょう。
 「全力で同点にする」方針に変更されたのです。

 ところが、同時に行われているコロンビアVSセネガル戦の後半29分、コーナーキックCKからコロンビアチームが先制し、1-0とリードしました。

 これで再び、「いまのまま(日本とセネガルが共に0-1で敗れる形)」であれば、フェアプレーポイントで日本チームが上回り(日本△4、セルガル△6)、決勝トーナメントに進めることとなりました。

 一方で、まだ15分間以上の試合時間を残している中で、セネガルチームが得点すれば、日本チームは3位になってしまい敗退です。
 「いまのまま」戦術は、他力本願なのです。
 このやり方で失敗すれば、西野監督は凄まじい非難を浴びることになりますし、いつまでも「負の遺産」として語り継がれる判断ミスにもなりかねません。

 それよりも、攻撃を続けて「同点引分・逆転勝利」を目指す方が「自力」であり、これまでの日本代表の戦い方であろう、という考え方もあったことでしょう。
 これは日本人に向いた考え方であり、こうしたやり方で失敗したとしても、「仕方がない」と納得する人も多いと思われる選択だと思います。
 しかし、攻撃の継続は隙を突かれての「2失点目」のリスクと裏腹なのです。
 「2失点」はGL突破の望みを完全に絶つものとなります。

 非常に難しい判断だったと思いますが、ここで西野監督は「いまのまま」戦術を選択しました。
 「いまのまま」でポーランド戦を終わらせて、「いまのまま」でコロンビアチームがセネガルチームに勝利するであろうという判断です。
 決勝TY進出に向けて「とても強い意志を感じさせる決断」でした。

 直ぐに日本チームの選手達に「余計なことは何もせず、いまのままで試合を終わらせるよう」に指示したのです。
 そして後半37分には、キャプテンの長谷部選手を3人目の交替選手としてピッチに送り込み、「いまのまま」戦術の遂行を命じました。
 とても「明確な指示・監督の意思表示」でしょう。重大な決断を行い、それを明確に組織に伝達するというのは、指導者の第一にして最大の仕事です。

 そして、長谷部選手も、その役割期待に良く応えました。さすがのキャプテンシーでした。

 当然のことながら、こうした「統制力」も重要なチーム力なのです。

 雑なプレーでイエローカードを受けてしまったり、このゲーム2枚目のイエローカードによりレッドカード(△4ポイント)を受けるようなことがあれば、一気にフェアプレーポイントでも逆転されてしまいますから、相当に慎重なドライブが求められたのです。

 日本チームは10分以上に渡って、ボールを自軍で回し、時間を消化し続けました。
 試合終了間際には、ポーランドのプレーヤーがピッチ中央に横になりました。故障を発症していて、交替選手を待っていたのですが、日本チームがいつまでもボールを回しているために、交替の機会が無く、立っていられなくなったのです。

 長くサッカーを観てきましたが、ピッチのど真ん中に選手が寝ていて、しかし試合が延々と続いているシーンは、初めて観ました。

 こうした試合の様相については、世界中のサッカーメディアやファンから色々な意見が出されることでしょう。そして当該ルールが成熟して行くのかもしれません。

 日本VSポーランドのゲームは、このまま1-0でポーランドが勝ちました。
 そして数分後、コロンビアが1-0でセネガルに勝利したという報がボルゴグラードアリーナに齎されました。

 西野ジャパンのH組2位、決勝トーナメント進出が決まったのです。

 ボルゴグラードアリーナの日本人応援団は、敗戦であり、「攻撃をしない代表チームのプレー」を見続けたということもあって、「大喜び」という訳には行きませんでしたけれども、歓声を上げました。

 ワールドカップにおける、日本サッカー史上3度目のGL突破は、こうして達成されました。

① 第3戦を勝つことがゲーム前のGL突破の条件であったコロンビアチームが、1点を先制した後、2点目を目指して攻撃を継続する中で、隙を突かれてセネガルチームの同点弾を呼び込むことを回避して、守備的なプレーを展開したこと
② GL第1・2戦を連敗して敗退が決まっていたポーランドチームが、21世紀の過去のワールドカップと同様に第3戦に勝利することで、「ポーランドの実力」を世界に示そうと先制点を挙げ、その後は日本チームに同点に追いつかれることを避けるために守備的になったこと(ひょっとすると、2点目を取ってしまい、日本の決勝T進出の希望を完全に打ち砕くことで、今後長年にわたる「日本からの恨み?」を避けたいという気持ちも有ったかもしれません)
③ ポーランド戦で同点を目指して攻め続けることで、隙を突かれて追加点を許してしまうよりは、0-1で「負け切ろう」と考えた日本チーム

 この3チームのこうした意向が重なり合って、こうした結果が生まれたとも言えそうです。
 4チームの中で唯一「最後まで得点を目指した」セネガルチームには、とても残念な展開だったことでしょう。

 さて、西野ジャパンは決勝Tに進出しました。
 ノックアウトステージの緒戦は、7月2日のベルギー戦。
 「ベルギーの宝石」エデン・アザール選手や「大会屈指のゴールゲッター」ロメル・ルカク選手を擁する、世界ランキング3位の強豪チームが相手となります。

 間違いなく強敵ですが、GL第1戦・第2戦のプレーを展開できれば、全く歯が立たない相手でも無さそうです。(そうした希望を抱かせてくれるプレー振りです)

 コンディションを整えて、「2018年の日本サッカー」を存分に披露していただき、なんとか勝利して、悲願の「ワールドカップ・ベスト8進出」を果たしてもらいたいものです。

 GL第3戦では、やや消化不良に終わった感のある日本サポーターも、ベルギー戦では「全力応援」を繰り広げることは間違いありません。
 大袈裟に言えば、「日本国を挙げての応援」です。

 ワールドカップ史上に、そして日本サッカー史上に輝く、素晴らしいゲームが期待されます。
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