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HOME   »   サッカー  »  [ワールドカップ2018-50] 西野ジャパン1 「ベルギー戦のラストプレー」
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 ラウンド16、日本VSベルギー戦のラストプレーについては、様々な意見が出されています。
 教科書に乗せたいような「完璧なカウンター攻撃」でしたから、局面を勘案すれば、いくつか対応策があったであろう、という意見が大半です。

① 本田選手のコーナーキックCK

 これについては、ショートコーナーにして時間を稼ぎ、延長戦に持ち込むべきであったという指摘が多いようです。

 著名なカペッロ監督などは、「私なら本田に罰を与える」といった趣旨のコメントをしています。

 私は、「ショートコーナー選択」と実戦のCK選択は、目的が異なるので、比較にはならないと考えます。
 実戦では、日本チームは得点して90分で勝つことを目的としていたわけで、本田選手はそのつもりで蹴り、ベンチも承認したというか、少なくとも反対はしていない様子でした。

 ショートコーナー選択の場合には、第一に延長戦入りを目指し、あわよくば得点しようというものでしょう。
 いずれにしても「1分間くらい」を使い切ることが主要目的です。

 これは、延長戦で勝つこと、あるいは、PK戦で勝つことを狙う戦法ですが、実戦の日本代表は90分で勝つことを目指したのです。

 延長やPK戦で、日本チームが勝つことが出来たかどうかは、もちろん分かりません。

② カウンターへの対応

 ベルギーのカウンター攻撃は、ゴールキーパーGKのクルトワ選手が本田選手のCKをキャッチし、素早く前方のデ・ブライネ選手にトスしました。
 デ・ブライネ選手は、ボールを保持しながら突進し、ハーフラインを越えます。
 そして、右サイドを駆け上がってきたトーマス・ムニエ選手にパス、ムニエ選手はグラウンダーのクロスを中央に送り、走り込んできたナセル・シャドリ選手が日本ゴールにシュートを叩き込みました。
 5名のプレーヤーによる、鮮やかなカウンター攻撃でした。

 ベルギーゴール前やハーフライン付近に居た日本選手は、この流れに追いつくことが出来ず、シュートを決められたのです。

 この一連の流れの中で、「戦術的な反則」をするべきであった、という点を指摘する意見も多いのです。
 元日本代表監督であるアルベルト・ザッケローニ氏も、そういう「ずる賢い」プレーで対応できたとコメントしています。

 実際のところ、デ・ブルイネ選手がハーフラインを越えた辺りで、山口蛍選手他数人の選手が待ち受けていましたから、「戦術的な反則」は可能であったように観えます。
 一方で、カウンターで駆け上がってくるベルギー選手は5~6名、受けて立つ日本選手は3名位であったと思いますので、「どの選手に行くべきか」という選択は難しいものだったことでしょう。

 ましてや「戦術的な反則」で止めようという気持ちが皆無であれば、相手チームの多くのプレーヤーを俯瞰的に観ながら、ずるずると後退してしまったことも理解できなくもありません。
 そこで、素早いパス回しに合って、完全に後手を引くこととなってしまったのです。

 ザッケローニ氏は「こうした反則を、日本チームが全く考えなかったことは、日本に何年か生活すれば、良く分かること」ともコメントしています。
 日本チームというか、日本人プレーヤーに「ワザと反則しろ」というのは難しいことなのでしょう。

③ あそこで失点するとは考えても居なかった。

 本田選手がCKに入った時、日本チームはこのプレーで得点し3-2で勝つことしか考えてはいなかったのでしょう。
 コロンビア戦、大迫選手の決勝ゴールのイメージです。

 もし、CKからのプレーが上手く行かなかったとしても、それでゲームは延長に入ると考えていたプレーヤーが何人かは居たかもしれませんが、私はチーム全体としてはそんなことさえ考えていなかったように感じます。「得点して勝つ」ことしか頭には無かったのではないかと感じます。
 その「強い思い込み」については、十分反省する必要があるのでしょう。試合を通じて、リスク管理は決して忘れてはならないのですが・・・。

 そしてCKが上手く行かず、ベルギーチームの高速カウンターに遭遇して、日本チーム全体が「慌てた」のです。
 「慌てる」と「地」が出ますが、その「地」には「戦術的な反則」は存在しなかったのでしょう。

 一方で、「得点して勝つ」という目的が、試合開始からチーム全体に徹底されていたからこそ、原口選手と乾選手の2ゴールが生まれたことも事実だと思います。

 言い換えれば、ラストプレーで本田選手が普通にCKを蹴って、得点を狙っていく姿勢があったからこそ、日本チームの2ゴールも生まれたということになります。
 そうした強い意志と徹底された戦法があったからこそ、「日本チームにとってのワールドカップ決勝トーナメント初のゴール」、そして「素晴らしい2点目」が生まれたのでしょう。
 間違いなく、ステージを一段上がったのです。

 ある時は失点を防ぎ、あるときは得点を狙うといったやり方では、この「歴史的2ゴール」は生まれなかったかもしれません。
 あるいは、こうした大試合における「柔軟性」「臨機応変さ」というスキルは、まだ現在の日本代表チームには備わっていないと観ることもできます。

 ラストプレー云々を個別に採り上げるよりは、ベルギーの高速カウンターによる失点も含めた「2-3」の応酬が、全体として評価・検討されるべきものであろうと思うのです。
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