FC2ブログ
HOME   »   高校野球  »  [夏の甲子園2018] 絶滅危惧種「スクイズバント」を受け継ぐ者
RSSフィード iGoogleに追加 MyYahooに追加
 かつては、代表的な「甲子園戦法」のひとつであった「スクイズバント」を観る機会は、めっきり減りました。

 20世紀においては、好投手の投げ合いで「0の行進」が続くゲームも多く、ゲームの後半になると「1死3塁」からのスクイズバントの攻防が、1試合に1度や2度は観られたものでした。

 当時は、初球から仕掛けることは少なく、並行カウントやボールが先行したシーンで、「この1球」という渾身のプレーとしてトライされ、バッテリーも相手チームのサイン、タイミングを見抜いて「(バットが届かない位置に)投球を大きく外したり」しましたから、1球毎に「ハラハラ、ドキドキ」のプレーが続いたのです。
 「スクイズバント」を巡って、どれほどのドラマが生まれていたのか、想像を遥かに超える数でしょう。

 21世紀になってからは、当然ながら、戦法のバリエーションが拡大しました。
 
 バントの失敗(例えば、フライ)に備えて、3塁ランナーが「バントが地面に転がったことを確認してからスタートするプレーが多用されるようになると、守備側も、1塁手や3塁手がダッシュ・前進して「本塁封殺」を狙うようになりました。
 「(ランナーが)確認してからのスタート」では本塁到達までに時間が余計にかかりますから、バントが成功しても、ランナーが本塁でアウトになるシーンも数多く観られました。

 そして、「スクイズバント自体が行われなくなる時代」がやってきたのです。

 そもそもスクイズバント戦法というのは、「得点を取ることが非常に難しい時代」「1点がとても重い時代」の戦法です。
 「3塁ランナーをホームに返すために最も確率の高い戦法」として、かつての甲子園大会で多用されてきたのです。

 ところが、21世紀になってからは出場チームの得点力が格段に向上しました。

 今大会でも、決勝における大阪桐蔭チームの13得点や、大会二日目の山梨学院チームと高知商チームの対戦の様に12-14という、10点以上を取っても勝つことが出来ないゲームが現出するなど、「スクイズバントで1点ずつ積み上げている場合では無い」と言わんばかりのゲームが数多く観られました。
 今大会、勝利したチームが「4得点以下」の試合は20試合、「5得点以上」の試合は35試合となっています。
 「甲子園の野球が変わってきた」ことは、間違いないのでしょう。

 こうした流れの中で、「スクイズバント」は次第に絶滅危惧種となってしまいました。
 「滅多に観られない戦法」になりつつあると思います。

 そして、この絶滅危惧種を大切に護り、戦法として脈々と使い続けているのが金足農業チームということになります。

 金足農チームは、吉田投手を中心とした堅い守りで失点を抑え、スクイズバント戦法で得点を挙げて、少ない得点で勝利するという野球を、厳然と継続したのです。

 準々決勝の近江戦などは、全3得点をスクイズで挙げています。
 「全得点をスクイズで挙げて、甲子園で勝利した試合」というのは、何時以来のことであろうかと感じます。21世紀においては、まず観られない試合でしょう。

 甲子園戦法としてのスクイズバントの伝統を受け継ぐ者として、金足農業高校チームには、これからも甲子園大会に数多く出場していただきたいと、(勝手に)考えているところです。

関連記事
スポンサーサイト



NEXT Entry
[アジア大会2018・競泳] 池江璃花子選手「6冠」
NEW Topics
[温故知新2020-男子テニス4] 黒人プレーヤーの先駆者 アーサー・アッシュ選手
[ブンデスリーガ2019~20(無観客)] 鎌田大地選手 2試合連続ゴール
[競馬コラム269] オークス2020のデアリングタクトと日本ダービー2020のコントレイル
[温故知新2020-陸上競技4] 男子走り幅跳び オリンピック金メダリストの記録
[ブンデスリーガ2019~20・第27節(無観客)] バイエルン・ミュンヘン 圧勝
[温故知新2020-女子テニス2] アメリカの英雄 ビリー・ジーン・キング選手
[競馬(無観客)] 東京優駿(日本ダービー)2020の注目馬
[温故知新2020-女子テニス1] 「史上最強」 マーガレット・コート選手
[温故知新2020-男子テニス3] ダブルスの名手 ジョン・ニューカム選手
[温故知新2020-陸上競技3] 男子10,000m オリンピック金メダリストの記録
[温故知新2020-競泳2] 男子1,500m自由形 日本チームの全盛期
[温故知新2020-競泳1] 男子100m自由形 日本チームの黄金時代
[FIFAワールドカップ2010準々決勝] ドイツチームの完勝
[温故知新2020-男子テニス2] 「史上最強」 ロッド・レーバー選手
[競馬(無観客)] 優駿牝馬(オークス)2020の注目馬
[温故知新2020-陸上競技2] 男子1,500m オリンピック金メダリストの記録
[温故知新2020-陸上競技1] 男子100m オリンピック金メダリストの記録
[ラグビーワールドカップ2011プールA] 日本チーム フランスチームを相手に65分まで4点差の健闘
[温故知新2020男子テニス-1] ウィンブルドンを勝てなかった イワン・レンドル選手
[競馬コラム268・ヴィクトリアマイル2020] 感動的なレース
[FIFAワールドカップ1986決勝] アルゼンチンチーム 2度目の優勝
[競馬(無観客)] ヴィクトリアマイル2020の注目馬
[NPB・MLB2020] 「開幕」に向けての動き
[ブンデスリーガ2019~20] 無観客での再開へ
[競馬コラム267-日本馬の海外挑戦12] 2009年 牝馬の挑戦
[FIFAワールドカップ2010ラウンド16] ブラジルチーム 貫録の勝利
[FIFAワールドカップ2010ラウンド16] 日本チーム 史上初のPK戦
[FIFAワールドカップ2010ラウンド16] ランパード選手 「幻」のゴール
[Jリーグ2020] イニエスタ選手のオンライントークショー
[競馬(無観客)] NHKマイルカップ2020の注目馬
[NBA2020] 個人トレーニング再開に向けての動き
[UEFA-EURO2012-グループD] イングランドとフランスの激突
[競馬コラム266-天皇賞(春)2020] フィエールマンの連覇とC.ルメール騎手の天皇賞4連勝
[UEFA-EURO2012-グループB] ポルトガル デンマークとの接戦を制す
[競馬コラム265・下鴨ステークス2020] スズカルパン 100戦出走達成!
[UEFA-EURO2012-グループA] 開幕戦 ギリシャチーム 驚異の粘り
[UEFA-EURO2012-グループD] フランスチームの堅守
[競馬(無観客)] 天皇賞(春)2020の注目馬
[UEFA-EURO2012-グループC] イタリアとクロアチア 一歩も引かず
[競馬コラム264-日本馬の海外挑戦11] 2007年 シンガポール競馬への進出
[UEFA-EURO2012準々決勝] クリスティアーノ・ロナウドVSチェフ
[競馬コラム263-日本馬の海外挑戦10] 2006年 ハーツクライとデルタブルース
[スーペルコパ2020準決勝] FCバルセロナ よもやの敗退
[UEFA-EURO2012準決勝] 「怪物」バロテッリ選手の2ゴール
[マラソン2020] 「心臓破りの丘」 山田敬蔵氏 逝去
[競馬コラム262-日本馬の海外挑戦-9] 2005年 ゼンノロブロイとハットトリック
[MLB2020・MVPランキング] バリー・ボンズ選手の凄さ
[フィギュアスケート2020春・世界ランキング] 羽生選手、紀平選手が共に1位
[NPB2020] 菅野智之投手 超絶の仕上がり
[高校野球2020] 花巻東高校 女子野球部が練習開始
Entry TAG
夏の甲子園2018・スクイズバントを受け継ぐ金足農  
Comment
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
「スポーツを考える-KaZ」ブログへ
ようこそ!
我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

最新記事
最新コメント
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Page Top
CALENDaR 123456789101112131415161718192021222324252627282930