FC2ブログ
HOME   »   競馬  »  [競馬コラム213] 「花の47年組」
RSSフィード iGoogleに追加 MyYahooに追加
 前回、イナボレス号のコラムを書いた時、久し振りに「花の47年組」という言葉を思い出しました。
 この「47年」は「昭和47年」(1972年)にクラシックレースを走ったことから付けられた名称と書きましたが、昭和が平成となり、来年には次の元号になるのですから、前の元号と呼べる内に、この素晴らしい世代を「おさらい」しておこうと思います。

① ヒデハヤテ号(通算9戦6勝、父タマナー、母ワカシラオキ)

 最強世代の名を欲しいままにした「47年組」の先陣を切ったのは、ヒデハヤテでした。1971年の阪神3歳ステークスを圧勝し、最優秀3歳牡馬(現在なら2歳)を受賞しています。無事に走り続けていれば「三冠馬」になったのではないかと言われます。(この世代には、このフレーズが何度も登場します)
 残念ながら、3歳春のスプリングステークスで故障し、クラシックの舞台を踏むことはありませんでした。

② ランドプリンス号(21戦6勝、父テスコボーイ、母ニューパワー)

 ヒデハヤテが姿を消した後、1972年クラシックレースの主役に躍り出た「関西3強」の一角。
 皐月賞を制しました。

③ ロングエース号(10戦6勝、父ハードリドン、母ウインジェスト)

 「関西3強」の一角。日本ダービーを制しました。ロングエース、ランドプリンス、タイテエムの3強によるゴール前の叩き合いは、「ザ・3強のダービー」と呼ばれる名レースでした。(本ブログ・2013年5月25日の競馬コラム59「第39回日本ダービー「ザ・3強」のレース」をご参照ください)

④ イシノヒカル号(15戦7勝、父マロット、母キヨツバメ)

 関西3強に対抗する東の一番手と称され、皐月賞はランドプリンスの2着、菊花賞とこの年の有馬記念を勝ちました。
  「花の47年組」で唯一の年度代表馬に輝いていますから、多士彩々のこの世代の代表馬ということになれば、イシノヒカルなのでしょう。

⑤ タイテエム号(16戦8勝、父セントクレスピン、母テーシルダ)

 「関西3強」の一角。1973年の天皇賞(春)を制しました。
 父セントクレスピンが1959年の凱旋門賞馬であり(持込馬。当時、凱旋門賞馬の仔は日本競馬では少なかったのです)、鹿毛・四白流星の華やかな馬体もあって「貴公子」と称されました。

 「関西3強」+イシノヒカルの4頭は、いずれも「生まれる年が違っていれば三冠馬になれた」と言われました。この世代には、ヒデハヤテを加えて「5頭の幻の三冠馬」が居たことになります。

 以上の5頭が「クラシック戦線」という視点で観た時の「花の47年組」の中核馬ということになりますが、この世代の奥行きはとても深いのです。
 続いては、「有馬記念」という視点です。

⑥ ストロングエイト号(37戦9勝、父アイアンリージ、母ストロングウインド)

 1973年の有馬記念を制しました。ハイセイコーやタニノチカラを相手にしての「あっと驚く勝利」でしたが、1974年にも大活躍をしましたので、実力十分なサラブレッドだったのです。

⑦ タニノチカラ号(24戦13勝、父ブランブルー、母タニノチェリ)

 1973年の天皇賞(秋)と1974年の有馬記念に勝ちました。そして、73年・74年と2年連続で最優秀5歳以上牡馬(現在なら4歳以上)の表彰を受けています。
 これで、「花の47年組」は、1972年~74年の3年連続で有馬記念を制したことになります。最強世代の面目躍如です。

 G1というか、当時の事ですから「八大競走」に優勝した馬達は、②から⑦の6頭です。
 「花の47年組」の凄いところは、八大競走以外の重賞でも大活躍した馬達が、ズラリと控えていて、それらの馬達は「とても個性的」で人気が高かったことでしょう。
 そのラインナップは、他世代を圧していると感じます。

 まずは、牡馬の個性派達から、観て行きましょう。

⑧ ハクホオショウ号(23戦8勝、父ヒンドスタン、母ステラパーダリス)

 日本競馬史に燦然と輝く大種牡馬ヒンドスタンの「最後の傑作」と称されました。
 安田記念を始めとする重賞4勝です。

⑨ スガノホマレ号(45戦8勝、父シンザン、母モトコ)

 重賞4勝馬ですが、何より「快足」で鳴らしました。芝の1100m、1200m、1400m、1600m、1800mでレコード勝ちしています。特に1800m、京王杯オータムハンデで叩き出した1分46秒5は「異次元のタイム」と呼ばれました。
 5つの距離でのレコード樹立は、タケシバオーと並ぶJRA最多記録です。(本ブログ・2012年9月4日競馬コラム2「京成杯AHとスガノホマレ」をご参照ください)

⑩ トーヨーアサヒ号(38戦8勝、父セダン、母カネカエデ)

 「花の47年組」で逃げ馬と言えばトーヨーアサヒでしょう。重賞5勝馬。
 キッチリとしたラップを刻み、そのまま押し切るというレース振りから、「走る精密機械」と呼ばれました。

⑪ ナオキ号(30戦13勝、父サウンドトラック、母エイトクラウン)

 重賞5勝馬です。宝塚記念や鳴尾記念を制しました。

⑫ イナボレス号(76戦8勝、父ヘリオス、母ボーレスクイン)

 「花の47年組」で最も多くのレースに出走しました。重賞4勝馬です。
 中央競馬最多重賞出走記録は金字塔です。(本ブログ・2018年9月20日の競馬コラム212をご参照ください)

⑬ ノボルトウコウ号(68戦13勝、父パーソロン、母サンビユロー)

 イナボレスの76戦が圧倒的だろうと思うと、「花の47年組」はレベルが高く油断禁物、ノボルトウコウは68戦を走っているのです。 イナボレスの独走は許さないと言ったところでしょうか。重賞5勝馬です。

⑭ ハマノパレード号(20戦8勝、父チューダーペリオット、母オイカゼ)

 1973年の宝塚記念に勝ち、勢いに乗って臨んだ高松宮杯で故障を発症、予後不良と判断され、翌日に「屠殺」されたことが物議を呼びました。(可哀そうなことをしました)予後不良後の「安楽死」というシステムを作るきっかけとなったとも言われます。
 重賞3勝馬です。

⑮ タケクマヒカル号(22戦9勝、父チューダーペリオット、母ソロナカホー)

 チューダーペリオット産駒がもう一頭。4歳になって本格化したタケクマヒカルは重賞を3つ勝ちました。

⑯ ツキサムホマレ号(52戦13勝、父チャイナロック、母ハロースカイ)

 イナボレスの76走、ノボルトウコウの68走に続くのが、ツキサムホマレの52走です。
 札幌記念と函館記念で重賞3勝。北海道で強い馬ということですが、1974年にはワシントンDCインターナショナル競走に招待され、海外遠征しました。「花の47年組」唯一の海外遠征馬なのです。

⑰ クリイワイ号(18戦6勝、父オンリーフォアライフ、母クリヒデ)

 東京・中山以外では走ったことが無い馬でしたが、18戦して掲示板を外した=6着以下、は1度だけという安定感を誇りました。重賞2勝馬です。

 ここまで書いてくると、「花の47年組」の層の厚さに驚かされますが、ようやく牝馬の登場です。
 
⑱ トクザクラ号(17戦7勝、父パーソロン、母トクノコギク)

 1971年の朝日杯3歳ステークスに勝ちました。メンバー唯一の牝馬が「東日本NO.1」の座に就いたのです。
 桜花賞は4着に敗れましたが、重賞4勝と気を吐きました。
 1971年の最優秀3歳牝馬賞(現在なら2歳)、72年の最優秀4歳牝馬(同3歳)の表彰を受けました。世代を代表する牝馬だったのです。

⑲ キョウエイグリーン号(35戦11勝、父マタドア、母リユウカオル)

 スプリンターズステークス(1973年)と安田記念(1974年)という、後にG1となる2レースを制しました。

 さすがの「花の47年組」も、そろそろ終わりだろうと思う方も多いとは思いますが、平場のみならず障害にも勇者が居るのです。

⑳ グランドマーチス号(63戦23勝(障害レース39戦19勝)、父ネヴァービート、母ミスギンオー)

 平場では思うような成績を残せなかったグランドマーチスは、古馬になってから障害競走に転向しました。体が大きくなり本格化したことも有るのでしょうが、祖母に1956年秋の中山大障害に優勝したハクレイが居たことも要因のひとつなのでしょう。

 この障害競走への挑戦が、グランドマーチスの運命を大きく変えたのです。
 1974年の春秋、75年の春秋の中山大障害を4連覇。加えて74年秋と75年春秋の京都大障害にも3連覇しています。
 障害の大レースにおいて「無敵の強さ」を示したのです。

 1974年と75年の2年連続で最優秀障害馬賞を受賞しています。
 そして、1985年にJRA顕彰馬に選出されています。
 この「顕彰馬」選出は、障害馬において唯一であり、優駿が居並ぶ「花の47年組」においても唯一です。

 「花の47年組」の20頭の馬達を挙げてきました。
 八大競走優勝馬や、重賞を2勝以上制した馬達を挙げてみましたが、多士彩々の世代ですので掲出漏れが有るかもしれません。その際はご容赦ください。

 イシノヒカル、ヒデハヤテ、関西3強(ランドプリンス、ロングエース、タイテエム)の5頭が、いずれも「幻の三冠馬」ではないかと言われていますし、3年連続の有馬記念制覇は世代の強さを明確に示していますが、何と言っても、この世代のバリエーションの広さが、凄いところでしょう。

 障害競走の顕彰馬、5つの距離でのレコードホルダー、中央競馬最多重賞出走記録保持馬、2年連続の最優秀5歳以上牡馬賞受賞馬、ワシントンDCインターナショナル競走出走馬、50戦以上走り重賞を複数制した4頭、等々、牡馬・牝馬、平場・障害、4歳(現在の3歳)・古馬、国内・海外、とあらゆるシーンで、長い間、多くの馬達が活躍したのです。

 「花の47年組」は、これからも長く語り継がれて行く存在なのではないでしょうか。
関連記事
スポンサーサイト
NEXT Entry
[MLB2018] 2017年のマーリンズの主力選手達
NEW Topics
[競馬コラム224] 有馬記念 最多勝騎手は5名
[第98回天皇杯2018] 浦和レッズ 接戦の末ベガルタ仙台を下して優勝
[UEFAチャンピオンズリーグ2018~19] グループリーグを終えて
[NPB2018シーズンオフ] 剛腕?原辰徳監督 読売ジャイアンツ大補強!
[競馬] 朝日杯フューチュリティステークス2018の注目馬
[NFL2018~19・第14節] ドルフィンズ「100年に一度」の大逆転でペイトリオッツを破る!
[GPファイナル2018女子] 紀平選手の演技に対するロシア関係者の「冷静・公平」なコメント
[競馬コラム223] クラシックレースに勝つためには朝日杯フューチュリティステークスに勝ってはいけないのか?
[フィギュアスケート男子GPファイナル2018] 宇野昌磨選手は2位
[フィギュアスケート女子GPファイナル2018] 紀平梨花選手 堂々たる優勝
[MLB2018レギュラーシーズン] チームのOPSとERA
[柔道2018] 「重大な誤審」をした審判を降格処分
長谷部誠選手 AFC最優秀国際選手賞2018を受賞
[競馬] 阪神ジュベナイルフィリーズ2018の注目馬
[Jリーグ2018] 横浜FC 1部リーグ昇格ならず・・・。
[福岡国際マラソン2018] 服部勇馬選手 「優勝」
[UEFAネーションズリーグ2018~19] グループリーグを終えて
[競馬コラム222] 阪神ジュベナイルフィリーズとクラシックレース
[フィギュアスケート・GPファイナル2018] 男子の戦い
[フィギュアスケート・GPファイナル2018] 女子の戦い
[UEFA-CL2018~19] グループリーグ第5節を終えて
[大相撲2018・11月場所] 千秋楽の協会挨拶 三役力士が5名
[競馬] チャンピオンズカップ2018の注目馬
[大相撲2018・14日目] 高安VS貴景勝 「勝ちに不思議な勝ち有り。負けに不思議な負け無し。」
[競馬コラム221] 生粋のステイヤー デルタブルース号
[大相撲2018・11月場所] 小結・貴景勝の優勝と初日の取組
[スピードスケートW杯苫小牧大会・男子500m] 新濱立也選手 連勝!
[Jリーグ2018オフシーズン] 外国籍選手枠拡大とホームグロウン制度導入
[MLB2018レギュラーシーズン] マイク・トラウト選手のOPS
[競馬] ジャパンカップ2018の注目馬
[MLB2018レギュラーシーズン] 両リーグのセーブ王
[UEFA-CL2018~19・GL] 大混戦となっているC組
[競馬コラム220] ジャパンカップにおける牝馬の活躍
[MLB2018オフシーズンFA] ブライス・ハーパー選手とマニー・マチャド選手
[東京オリンピック2020] 平野歩夢選手 スケートボード競技に挑戦
[日米野球2018] 侍ジャパン 5勝1敗と勝ち越し
[明治神宮野球大会2018・高校の部] 札幌大谷高校 初出場・初優勝!
[競馬] マイルチャンピオンシップ2018の注目馬
[NPB2018シーズンオフ] FA選手が「年俸の壁」を突き破るのか?
[競馬コラム219] 「恐怖の一発屋?」 トーセンラー号
[MLB2018] 大谷翔平選手 新人王!
[ACL2018] 鹿島アントラーズ 悲願の初優勝!
[Jリーグ2018] 川崎フロンターレ 連覇!
[MLB2018レギュラーシーズン] ブレイク・スネル投手の覚醒
[フィギュアスケートNHK杯2018] 紀平梨花選手のGPシリーズデビューは何故こんなに遅くなったのか?
[PGAツアー2018~19] キャメロン・チャンプ選手 登場
[NFL2018~19] ヒューストン・テキサンズ 6連勝!
[競馬] エリザベス女王杯2018の注目馬
[大相撲2018・11月場所] 活躍が期待される10名の力士
[競馬コラム218] 1984年の福島記念に優勝した スズパレード号
Entry TAG
競馬コラム213・花の47年組  
Comment
Trackback
Comment form
 管理者にだけ表示を許可する
プロフィール

カエサルjr

Author:カエサルjr
「スポーツを考える-KaZ」ブログへ
ようこそ!
我が家の月下美人も16年目。同時に30個の花が咲くこともあります。スポーツも花盛りですね。一緒に楽しみましょう。

最新記事
最新コメント
検索フォーム
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Page Top
CALENDaR 12345678910111213141516171819202122232425262728293031