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HOME   »   柔道・剣道  »  [柔道2018] 「重大な誤審」をした審判を降格処分
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 10月に開催された学生の全国大会で、「重大な誤審」があったとして、全日本柔道連盟が試合を裁いた主審を「降格」と「2ヵ月半の資格停止」としたことが、12月5日に報じられました。

 至極妥当な対応だと思います。

 携帯電話で直ぐに「映像が撮れる時代」であり、誰でも歴史的な瞬間を撮影することが出来ますから、スポーツにおいても「誤審」が直ぐに判明する上に、SNS上に公開されるなどして、多くの人に見てもらうのも容易ということもあって、「誤審をしてもいずれは忘れてもらえる」といった「20世紀的な考え方」は、全く通用しないのです。

 もちろん、プレーヤーが日々の努力によってスキルアップを重ねて試合に臨んでいる状況下、審判も日々スキルアップしていくことが必要なのは、時代を問わない、当たり前のことでしょうし、プレーヤーが肉体的・精神的な衰え、例えば眼が悪くなり、試合で自らが期待するパフォーマンスが発揮できなくなったために引退するのと同様に、審判も肉体的・精神的な衰えのために、期待されるパフォーマンスが発揮できなくなれば、引退するのが自然なことでしょう。

 「審判の言うことは絶対」、といった言葉の重みを継続して行くためには、「審判の判定が正しい」ということが前提となります。
 「誤審」をくり返す、低能力な審判の元では、満足な試合が行われないのも、当然のことでしょう。

 毎年のように実施されるルールやレギュレーションの変更について、審判員は熟知している必要がありますし、「熟知した知識を判定に活かす」訓練も継続して必要なことは言うまでもありません。
 日々の弛まざる努力無くしては、審判員の資格は維持できないのでしょう。

 今回の報道では、これまで最上位の「Sライセンス」だった審判員を「Aライセンス」に降格したとのことですが、気になったのは以下の2点です。

① 全柔連の公認審判員規程には「誤審を想定した規定が無い」こと

 従って、今回は「特例扱いの降格処分」であったとのこと。
 柔道がこれだけメジャーなスポーツになった時代に、直ぐには信じられないような話です。

 2000年のシドニー・オリンピックにおける篠原信一選手の内股すかしの例を見るまでも無く、国際化したJUDOにおいては、常に「審判のレベル」が課題となって来たのです。

 世界で最もメジャーなスポーツのひとつとなった柔道ですから、「審判員のレベル維持・レベルアップ」と「一定以上のレベルの多数の審判員育成」は、柔道の発展という面から、不可欠なことでしょう。
 逆に言えば、「審判のレベルの向上」が図られなければ、JUDOの衰退に繋がると見るのが自然です。
 
 「俺しか、日本一を決める試合を裁くことはできない」と考えているが、日々のスキルアップを怠り、身体的コンディションの維持(とても重要です)に向けても取組みが不十分で、最新の判定を行う知識も無い、「遺物のような審判員」が存在するとすれば、引退してもらうしかないでしょう。
 そもそも、当該審判員の考え方が「スポーツに馴染まない」のです。

 全柔連では近々、規程の手直しや誤審再発防止策の明文化に取組むとのことです。
 遅きに失したという意見もあるのでしょうが、ここは、全柔連の取組に期待しましょう。

 全国大会や国際大会といったハイレベルな試合における「Sライセンス」「Aライセンス」の審判だけが、こうした「審判員制度見直し」の対象ではないことは言うまでもありません。
 小・中学校の試合でも「いい加減な判定は許されない」のですから(こうした時期に粗末な「誤審」に遭遇することの悪影響は計り知れません)、全ての公式審判員のレベルアップに結び付く対策の構築が必要なのでしょう。

 また、「大きな誤審」だけを対象とするのも片手落ちでしょうから、「小さな誤審」も減らしていく施策が要るのでしょう。
 「誤審ポイント制」の導入、「小さな誤審」は▲1点、「大きな誤審」は▲10点といった形で、1年間の個々の審判の失点を合計し、▲10点を超える失点の場合には「降格」、▲30点を超える場合には「審判資格剥奪」といった、計量的で分かり易い制度の導入も、効果的かもしれません。

② 主審の誤審に対して、副審やジュリーも訂正を促さなかったこと

 今回の事象において、これも驚くべきことです。いったいいくつの眼が「ただ開いているだけ」だったのでしょうか。

 主審1名に副審2名、それでもスピードアップしている現代柔道においては「見落とし」があることを想定してジュリー制度が設けられているのですが、全員で誤審をした、ということになります。
 これは酷いことでしょう。

 従来から存在する「複数審判制の欠点」なのでしょうか。

 「誰かが観ているだろう」という気の緩み、それ以前に「誰かが最新のルール・レギュレーションを知っているだろう、習得しているだろう」と潜在的に考えていたようなら、この大会の審判陣は「全員が腐っていた・弛んでいた」と指摘されても、止むを得ないことのように感じられます。
 
 柔道に限らず多くのスポーツにおいて、4K・8Kを始めとする「細密映像の時代」である21世紀においては、「審判のスキル」への期待は高まるばかりです。

 サッカーワールドカップ2018ロシア大会においては「VAR」(ビデオ・アシスタント・レフェリー)が初めて導入されて、正しい判定に向けての様々な取り組みが実施され、ゲームの勝敗にも重大かつ決定的な影響を及ぼしました。

 テニスの国際大会では、ボールのアウト・イン判定に専用の機器が使用されるようになって、相当の時が経っています。

 柔道においても、ジュリー制度の導入など、こうした取組が続いているのですが、どんなに良い制度であっても、審判を担当する人間が「真剣に取り組まなければ」意味が無いことを、今回の事象は示してくれているのかもしれません。

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