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HOME   »   スケート  »  [GPファイナル2018女子] 紀平選手の演技に対するロシア関係者の「冷静・公平」なコメント
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 フィギュアスケートのグランプリGPファイナル2018における、紀平梨花選手の活躍は、世界中に大きなインパクトを与えていて、様々なコメント・評価が報じられていますが、中でもロシアの関係者の評価が、とても印象的です。

 極めて「冷静・公平」な評価・コメントが多いのです。

 「女子フィギュアスケート大国」であり、現在最も強いと目されているロシアチームから、これだけ「冷静・公平」な評価が出てくるところに、「ロシアチームの強さ」を感じます。
 加えて、今後も女子フィギュア・ロシアチームは継続して強いであろうと感じます。

 いわば「敵」チームのプレーヤーに対しても、これだけ客観的な評価が出来るところに、ロシアチームの強さの源が有るのでしょう。
 素晴らしいことだと思います。

 まずは、「重鎮」イリーナ・スルツカヤ氏のコメント。
 スルツカヤ氏は、言わずと知れた2002年ソルトレークシティ・オリンピックの銀メダリストにして、2006年トリノ・オリンピックの銅メダリストです。長い間ロシアチームを牽引した、いわば「伝説的プレーヤー」ということになります。

 そのスルツカヤ氏がGPファイナル2018女子を総括して、

① 3回転ルッツ+3回転ループの連続ジャンプは2005年に跳ばれて、今も跳ばれている。しかしキヒラは新しいスタンダードを課した。自分のプログラムをきれいに滑っても、いずれにしろキヒラに届かない。つまり他に道は無いのです。新しい何かを考えだすのが不可欠。それか後ろで止まっているか。
② もし、キヒラがすべてのエレメンツを上手くやると、多くの人より高いレベルにある。キヒラは素晴らしい、シンプルに素晴らしい。
③ 彼女のシニア参戦によって1つは、フィギュアスケートを観るのがとても面白くなった。2つ目に我々ロシアの女子スケーターたちにとても相応しいライバルが現れたと言えます。キヒラは彼女らを神経質にさせるし、彼女たちは付加的な重圧と責任を負うことになります。そう、これはもう本物の戦いよ。

 と語ったと、報じられました。(12月12日配信のTHE ANSWER)

 ロシア選手が自らの演技を上手くやったとしても、紀平選手(複数のトリプルアクセルを配した基礎点の高い演技を行う)には及ばないことを十分に把握していて、それを公然と言葉にしているところが、凄いところでしょう。現状のロシア選手では、どうやっても、ミスが少なかった時の紀平選手には敵わないことをメディアに大声で言い、「新しい何かを考えだすのが不可欠」と警鐘を鳴らし、「本物の戦いが始まった」と締めています。

 妙な依怙贔屓や、過去の選手を引き合いに出して、あの時代のあの選手の方が強かったなどという、現状に対して何の役にも立たないことを必死に述べるより、はるかに上質で、明日に繋がるコメントでしょう。
 こういう「凄い人」が居るロシア・フィギュアスケート界が強いのは、とても自然なことだと感じます。

 続いては、ショートプログラムSPのロシア放送局「Match TV」の放送内容です。(12月8日配信・THE ANSWER)

 この大会のSPにおける紀平梨花選手の演技は「完璧」でした。世界最高得点でもありました。その「完璧な演技」に対して、ロシアの放送局は下記のように報じたのです。

① (最初のトリプルアクセルの成功を観て)理想的です。ジャッジがたくさん加点するでしょう。
② (中盤以降の美しいステップ、スピンを観て)ブラボー、ブラボー。(解説者)なんてファンタスティックな技術点でしょう。このスケーターを見て、弱いところを見つけようとしましたが、ありません。ジャンプ、スケーティング、スピンが素晴らしい。
③ (演技が終了し、実況のアナウンサー)ショックです。(解説者)私もショックです。なんて言っていいか分かりません。世界記録がでると思います。彼女のプログラムを私たちは長く覚えているでしょう。
④ (82.51点が出たことを見て、実況のアナウンサー)82点(と絶句し)技術点もクレイジーだし、構成点もクレイジーだ。フーッ。

 ライバル国のルーキープレーヤーの演技を目の当たりにして、これだけ「冷静・公平」な放送ができるところに、まず感心します。
 偏った、歪んだ放送では無いのです。

 特に解説者の「(紀平の演技に)弱いところを見つけようとしたが無かった」「彼女のプログラムを私たちは長く覚えているでしょう」というコメントは、世界の女子フィギュアスケートシングルを本当に「公平」に見ている人にしか、発することが出来ないものでしょう。

 前述の「重鎮」スルツカヤ氏のコメントのみならず、テレビ中継においても、これだけ「冷静・公平」な放送が出来るというのは、凄いことだと思います。
 当然ながら、この放送がロシアの各家庭に流れているのです。

 自国プレーヤーへの応援は、もちろん行うのでしょうが、他国選手の演技もしっかりと評価し、正確に伝えるというのは、「放送文化のレベルの高さ」を感じると言ったら、大袈裟に過ぎるでしょうか。

 GPファイナル2018の優勝で、紀平梨花選手は一気に世界トップに躍り出ました。これは、世界中が等しく評価しているところです。

 しかし、これだけの「冷静・公平」な評価・コメントを観ると、ロシアチームが今後も強力なライバルとして存在し続けることも間違いないのでしょう。
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