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HOME   »   スキー  »  [アルペン世界選手権2019男子滑降] ノルウェー勢の1・2フィニッシュ!
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 2月5日、スウェーデンのオーレで開幕した2019年のアルペン世界選手権大会も中盤に差し掛かり、9日には男子の滑降が行われました。
 数あるアルペンスキー種目の中でも、滑降・男子は最も好きな種目のひとつです。
 いわゆるアルペンスキーの競技会が始まった頃から存在していた種目でしょうし、何より「真っ直ぐに速く滑り降りる」というのは、スキー競技の本質的な要素だと思うからです。

 なるべくエッジングをせず、なるべくジャンプをせず、雪面に可能な限りスキー板を付けて滑り降りなければならない「滑降」は、体力と知力の限りを尽くさなければ勝利に辿り着くことが出来ない種目ですし、120km/hを超える滑走速度から生まれる圧倒的な迫力から「アルペンの華」とも称されます。

 ところで、近時のアルペンスキー界は、少し世代交代が遅れているかなという感じがしていました。
 かつての強豪選手達が、男女を問わず、相当長く世界の一線級で活躍を続けて居ます。
 そのこと自体には、もちろん何の問題も無いのですが、若手というか次代を担う新星の登場も、5年後のアルペンスキー界を考えると、もう少し有っても良いのではと感じます。

 さて、2年に一度のFIS世界選手権大会の「華」、男子滑降もベテランスキーヤーの活躍の場となりました。

 当日のコースは雪が降り続け、霧も出て、風も有る、という難しいコンディションとなりました。
 結果として、予定していたコースより1kmほど短い2,172mで争われることになったのです。男子スーパー大回転のコースと同じ位置にスタートゲートが設置されました。
 これは少し残念でした。世界大会の男子滑降となれば「3,000m前後」の距離で争われるものですし、その距離と滑る時間に合わせた体力、太腿や体幹の筋力を始めとするフィジカルの勝負が、男子滑降種目の魅力のひとつだからです。
 まあ、天候の為ですから、止むを得ないところなのですけれども・・・。

 当然ながら、雪が降り続くコースとなれば、いつもやり慣れている雪面とは異なりますし、降雪および霧の為にコース・雪面が見難いといった面もあるわけですが、そこは世界トップクラスの強者ぞろいですから、「それなりに」順応して行く能力が高いので、問題は無いでしょう。
 不幸中の幸い?というか、1番スタートから30番スタートまでの優勝を争うであろうスキーヤーが滑った時には、この天候関連のコンディションは殆ど同じでした。
 突然霧が晴れたり、突然雪が止んだりすることが無かったのです。
 比較的「平等に難しいコンディション」であったことになります。

 もちろん、世界一を狙おうというレベルの選手達が、屋外競技終了後に「天候コンディションに恵まれなかったから負けた」などというコメントを残すはずも有りません。
 悪コンディションへの対応力が実力の一部であることは当然のことですし、そもそもそんな考え方のプレーヤーでは、もともと世界大会での好成績は覚束ないのです。

 さて、今大会の男子・滑降は、まずノルウェーのヤンスルード選手(33歳)が1分19秒98という、1分20秒を切る好タイムを叩き出してトップに立ち、後から滑った同じノルウェーのスピンダル選手(36歳)が1分20秒00と0.02秒差で2番手に付け、さらに後から滑ったオーストリアのクリヒマイヤー選手(27歳)が1分20秒31、ヤンスルード選手から0.33秒差で3番手につけました。
 そして、この後の選手達は、この3名を上回ることが出来ず、メダルが確定したのです。

 2位となったスピンダル選手は、今大会を最後に引退すると報じられていました。
 自身にとっての最後の世界選手権で銀メダルを獲得するというのですから、その意気込み・意欲の高さと、冷静なプレー振りは見事の一語でしょう。(コース前半の大きな片斜面前後をもう少し上手く滑っていれば、十分に逆転できた滑走でした)
 今シーズン、本来の滑りが出来ていなかった中で、「本番での強さ」を明示したのです。

 優勝したヤンスルード選手も同様で、今シーズンはここまでパッとしませんでした。
 こちらも「本番での強さ」を示しました。

 このノルウェーの2名のベテランは、昨年の平昌オリンピックにおける男子滑降の1・2位です。(2018年2月18日付の本ブログの記事「[平昌五輪2018アルペンスキー男子滑降] ノルウェー勢が1・2位!」をご参照ください)
 オリンピックの時には、金メダルがスピンダル選手、銀メダルがヤンスルード選手でした。今回は1・2位が逆になった形。
 ノルウェーの2高速系スキーヤーは「大きな大会での勝負強さ」を如何なく発揮しているのです。

 有力視されていたスイスのフォイツ選手(31歳、前回の世界選手権の優勝者)は惜しくも及ばず4位でした。
 どうも、この大会のスイス勢は調子が出ないようです。
 もちろんワックス等の要因もあるのでしょうが。

 また、「高速系種目の王国」オーストリア勢は、3位にクリヒマイヤー選手が食い込み、一矢を報いましたが、やはり全体としてはやや元気が無い印象です。
 前々回の世界選手権優勝者マティアス・マイヤー選手(28歳)は、若くして世界王者に輝いたものの、やや伸び悩んでいるのでしょうか。クリヒマイヤー選手と共に「王国復活」に向けての牽引役が期待されるのでしょう。

 ところで今大会のテレビ中継では、ゴール地点の映像の中に「トップの選手との差」が距離で示されていました。(全ての選手に表示されていた訳ではありません。以前から表示されていたのかもしれませんが、初めて気が付きました)
 スピンダル選手がゴールした時、「+0.54m」と右下に表示されました。
 これはトップのヤンスルード選手と「54cm差」ということを示していたのでしょう。
 0.02秒差=54cm。2,172mを滑っての54cmです。

 2名のベテランの滑りを映像で重ねてみれば、ゴール地点では殆ど重なっているということになります。

 当たり前のことに感心していてはいけないのでしょうが、計測技術の進歩を改めて感じました。
 
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