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 とても有名な言葉です。

 1960年代から70年代前半までの時期、昭和35年頃から昭和40年代後半までの時期、日本という国が太平洋戦争からの復興を目指して、経済成長を続けていた時期を象徴する言葉です。

 この時期には、プロ野球において巨人軍=読売ジャイアンツが毎年のように優勝し、大相撲において大鵬関が大関から横綱に昇進し優勝を重ねていました。食卓に並ぶ甘い卵焼きと共に、「子供が好きな3つのもの」として、「巨人・大鵬・卵焼き」と呼ばれたのです。

① 子供向けだけでは無い。

 21世紀の今、当時を思い出すと、「巨人・大鵬・卵焼き」は決して「子供」向けのものでは無かったと思います。

 大人も含めて、「大好きなもの」だったのです。
 1945年の終戦後、食糧難の時期が続きましたが、ようやく「鶏卵」が安定して供給されるようになり、決して安価な食べ物ではありませんでしたが、働いて得た収入により、毎日のように食べることが出来るようになった時期なのでしょう。
 そして、最大の娯楽として、巨人と大鵬への応援が存在したのです。

 戦後日本の「安定化」を象徴する3つ、であったのでしょう。

② テレビジョンの発展と共に。

 大相撲の本場所が行われている時には、夕方になるとテレビ放送が有りました。現在と同じ、NHK総合放送であったと思います。
 昭和30年代、我が家は「白黒テレビ」でしたので、大鵬と柏戸の取組などをテレビにかじりついて白黒映像で視聴しました。

 学校から帰ってきた子供たちと、家に居る親が、テレビの前に並んで大相撲を視聴するのです。
 そして午後7時30分ごろからは、プロ野球中継が始まります。
 この時には父親も帰宅していますから、家族勢揃いでプロ野球放送に見入りました。

 この時代の最大の娯楽は、巨人と大鵬、つまりプロ野球と大相撲でしたが、それは「テレビで放送されるプロ野球と大相撲」でした。
 国技館や後楽園球場での生観戦などというものは「想像もできない」ものであったと思います。

 別の言い方をすれば、この時代の最大の娯楽は「テレビを観ること」だったことになります。

 この時代のテレビ放送は、その受像機の進歩も含めて、「伸び盛り」だったことは間違いありません。
 「テレビというメディアの価値」は年を追うごとにというか、日に日に高まっていったのです。

 そして、「テレビ時代のピーク」は、巨人・大鵬時代の終焉の頃、1970年代の中盤であったように感じます。

③ 「巨人・大鵬」なのか、「プロ野球・大相撲」なのか?

 「巨人・大鵬のテレビ放送」が、この時代の日本人にとっての最大の娯楽であったことは前述のとおりですが、1970年代に入り、2つの娯楽は少し異なる様子を呈したように感じます。

 大相撲は長く続いた「大鵬一強時代」のために、次第に人気が下がりはじめました。
 「また、大鵬の優勝か」といった空気が流れ始めたのです。
 そういう意味からは、「巨人・大鵬・卵焼き」の「大鵬」は「大相撲のこと」だったのかもしれません。

 「大鵬一強時代」により人気が低下した大相撲は、その後、先代の貴ノ花(大関)の登場により一気に人気を回復し、輪湖時代や若貴時代に繋がっていきます。

 一方のプロ野球は、「テレビ放送のプロ野球」という意味では、「巨人・大鵬・卵焼き」時代の「巨人の人気」をピークに長期低落時代に入りました。
 「テレビ放送のプロ野球」という意味では、「巨人」が中心に存在し、極端に言えば「巨人VS他の球団」という図式で、お茶の間の娯楽の王者に君臨したのでしょう。
 そういう意味では、ここは「巨人」であって「プロ野球」ではなかったように感じます。

④ 21世紀を迎えて

 「テレビ番組としてのプロ野球中継」は、相変わらず視聴率を上げることが出来ず、地上波の放送は減少を続けています。
 2017年のクライマックスシリーズの広島カープ戦が、関東では放送されなかったことには、改めて驚かされました。

 では、プロ野球人気そのものが、21世紀に入って下がり続けているのかといえば、観客動員数は増加傾向ですから、一概には言えないのでしょう。
 2017年シーズンのセントラルリーグの観客動員数は1400万人を大きく超えて、史上最多となりましたし、パシフィックリーグも1100万人を超えています。
 例えば、広島カープ戦のチケットは、容易なことでは入手できなくなっているのです。

 「巨人・大鵬・卵焼き」時代の観客動員数を遥かに超える観客が、球場に詰めかけていることになります。
 「プロ野球はボールパークで観戦するもの」に変化したのです。

 そして、かつては「巨人戦だけが観客動員できた」プロスポーツが、12球団のいずれもが観客動員できる時代となっているのですから、この変化はとても大きなもので、大袈裟に言えば「異なるプロスポーツになっている」のかもしれません。
 「野球」というスポーツの懐の深さを感じさせる事実でもあるのでしょう。

 一方大相撲はといえば、様々な事象が発生して生生流転、人気は上がったり下がったりをくり返していますが、日本社会における大相撲の位置付けはあまり変わっていないというか、平均すれば「安定した人気」を維持しているように観えます。
 ファン層の高齢化が指摘されることもありますが、これは日本社会全体の高齢化と歩を共にしている感じで、大相撲ファンのみが突出して高齢化しているのではないと思います。国技館に行ってみると、若いファンや外国人の観客など、観客席の景色は着実に変わっています。
 インターネットが社会の隅々にまで浸透している時代にあっても、日本古来の大相撲が一定の地歩を維持しているというのは、「相撲」というスポーツの奥深さを示していると感じます。

 太平洋戦争後の日本社会の復興は、「巨人・大鵬・卵焼き」と共にありました。
 「巨人・大鵬・卵焼き」が無かったならば、日本の復興があのペースで、世界史に刻まれるような驚異的なスピードで進んだかどうかは、分からないところでしょう。

 もちろん、「巨人・大鵬・卵焼き」が存在しなくとも、日本人は別の娯楽を見出していたという見方もあるのでしょうが、だからといって「巨人・大鵬・卵焼き」の価値が下がることにはなりません。
 どちらかというと、存在感は増すばかりだと感じます。

 「巨人・大鵬・卵焼き」+「テレビジョン」というセットが、日本復興・発展の日々のベース・礎だったのでしょう。

 21世紀の「巨人・大鵬・卵焼き」は登場するのでしょうか。
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