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HOME   »   NFL  »  [全米カレッジフットボール-5] 「20世紀の4大ボウルゲーム」の変化
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 ここまで「20世紀の4大ボウルゲーム」を4回に渡って書いてきました。

 ローズボウル、シュガーボウル、オレンジボウル、コットンボウルという4つのボウルゲームを中核として、20世紀アメリカのカレッジフットボール界は動いていたと思います。

 一方でとても興味深いのは、これらの4大ボウルゲームは「全米NO.1決定戦」ではなかったという点でしょう。

 例えばローズボウルなら、ビッグナイン・カンファレンス優勝校とパシフィックエイト・カンファレンス優勝校が対戦していた時期が長かったように、各会場の近隣の対抗戦形式で戦っていたカンファレンスの優勝チームが登場するなど、出場チームは一定の「歴史に裏打ちされた」ルールの下で決められていたのです。
 我が国の関東大学ラグビーにおける「対抗戦グループ」「リーグ戦グループ」をイメージすると分かり易いのかもしれません。

 こうして各カンファレンスでの成績や、各ボウルゲームでの成績を比較して、「全米NO.1」のチームを「相対的な評価」により選定してきた歴史。

 また、4大ボウルゲームには当初は特定の大スポンサーが付いて居なかったと記憶しています。
 言わば、地元のカレッジフットボールファンが中心となって、大イベントを開催し続けていたのでしょう。

 とはいえ、4大ボウルゲームの規模がどんどん大きくなり、全米の注目度がどんどん上がるに至って、20世紀の後半になると「有名企業スポンサー」が名乗りを上げ、そして4大ボウルゲームへの資金提供を開始しました。
 「注目度が極めて高いイベント」となれば、時代の流れの中では逆らえないことだったと感じます。

 加えて、アメリカ中で「絶大な人気」を誇るカレッジフットボールですから、大スポンサー自らが「新しいボウルゲームを立ち上げる」ようになって来たのです。
 20世紀の後半には、4大ボウルゲーム以外にも、数多くのボウルゲームが発足しました。

 一方で、20世紀終盤になり、「直接対決無しで『全米NO.1』を決める」ことへの様々な意見が出されるようになったことも、ある意味では自然なことですし、従来の様な伝統的な「4大ボウルゲーム」の在り様を支持する意見もある中で、「全米ランキング1位のチームと2位のチームの対戦を観てみたい」といった素朴な感情論(人間に備わっている「強弱」をはっきりさせたいという欲求でしょうか)に、商業ベースでは「必ず成功する*」といった視点からの働き掛けもあってか、「全米NO.1」を決める仕組みが待望されるようになりました。(*カレッジフットボールの観客動員力は非常に高く、2012年シーズンには、1試合平均観客動員数10万人以上が4大学チーム、8万人以上が17大学チーム、4万人以上が60大学チームと、NFL並み、あるいはNFLを凌ぐ動員力が有ると報じられています。もちろん、チケット価格水準は考慮しなければなりませんが)

 そして1998年、「ボウル・チャンピオンシップ・シリーズBCS」が立ち上げられました。「全米NO.1」を決める為に、BCSカンファレンスと呼ばれる、全米における実力上位のカンファレンスの優勝チームが、権威のある各ボウルゲームに登場する仕組みです。
 この仕組みに4大ボウルゲームも組み込まれていったのです。
 BCSは、そのルーティンが度々見直されましたが、2013年まで続きました。

 このトライは2014年に、「カレッジフットボール・プレーオフ」に昇華しました。
 ついに「全米ランキング上位校チームによるトーナメント方式の年間王者決定戦」が始まったのです。4チームによって準決勝と決勝が行われる形式です。
 この制度は、2025年まで継続されることが決まっています。

 この制度の準決勝戦に、伝統的なボウルゲームが「持ち回り」で使用されることとなりました。ローズ、シュガー、オレンジ、コットンの「20世紀の4大ボウルゲーム」もその舞台となったのです。

 さて、アメリカンフットボールはその競技の性格上「1週間に1試合しかできない」ので、こうしたトーナメント形式による「NO.1決定戦」実施には長い時間が必要となります。
 NFLポストシーズンは、そうした競技特性を踏まえて整備されてきた仕組みなのでしょう。

 他方、カレッジフットボールについても、長い年月をかけた試行錯誤の結果として、このような「プレーオフ」が導入されるに至ったのでしょう。こうしたやり方の行く末については、ファンとして注目しつづけたいと思います。

 当然ながら「変革」の影には、「古き良きものを失う痛み」が伴います。

 新年を祝うイベントのひとつとして、大好きなカレッジフットボールの好ゲーム・馴染み深いチーム同士が覇を競うゲーム、を家族揃って観戦するという、「4大ボウルゲームの伝統的・地元ファン」にとっては、「これまであまり観たことが無かったチーム」が「我らがボウルゲーム」に登場するという事態になっているのかもしれません。
 また、もともと入手が難しかったチケットが、一層手に入らなくなっている可能性も有ります。

 ローズボウルならば「1世紀を超える歴史と伝統」を誇りますが、そのローズボウルを始めとする「4大ボウルゲーム」の行く末は、地元ファンならずとも、とても気になるところなのです。

 さて、この「全米王者を決める仕組みの構築」には、「20世紀の4大ボウルゲーム」に、別の2つのボウルゲームが加わりました。
 それについては、その6で・・・。
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