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HOME   »   高校野球  »  [春の甲子園2019] 「生徒が『コースが分からないと打てない』と言うので『サイン盗み』をした」
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 反則ギリギリ、あるいは完全な反則、あるいはスポーツマンシップに照らして「いかがなものか」といったプレーは、これまでの甲子園大会でも観られましたが、2019年春の大会では、一層目立ったようです。

 いくつかのゲームでは、こうしたプレーが数多く観られました。

① 打者がキャッチャーの位置を盗み見る。

 この行為は、かつては「ちら見」が多かったのですが、打者が「ちら見」した後、キャッチャーが位置を変えることもある(当たり前のことですが)ので、それに対抗する?ためか、打者の中には、「ずーっと見ている・眼の中の『黒目』が捕手側にしばらく張り付いて離れない、あるいは何度も見る選手」が居ました。
 眼の動きがテレビ画面にはっきりと映っています。
 打者は、「次の投球に関する情報を収集するために、集中して投手の動き・様子を観て」プレーすることが必要でしょう。
 それ程に捕手の方を観たいのであれば、堂々と顔を向けてみれば良いとも思います。

② セカンドランナーが打者に、投球のコースを教えるプレー

 これは完全な反則です。
 セカンドランナーが、審判から注意を受けるゲームさえありました。
 「みっともない」プレーです。

③ ファウルを三振とアピール

 打者がファウルを打った際に、ファウルチップを直接捕球したかのように装い、捕手が手を挙げてアピールしたプレーもありました
 ワンバウンドしたボールが、当該捕手の太腿とグローブの間に挟まって止まっていたので、こうしたアピールをしたのかもしれませんが、球審はもちろんファウルのコール。
 このプレーも、テレビ画面にはっきりと映っていました。

 「球審を欺こう」としたプレーなのかもしれませんが、甲子園大会の審判のレベルは、とても高いのです。

 「アウトが取れれば儲けもの」といったアピールに見えるところが、残念なところでしょう。
 そもそも、審判や相手チームを「欺いて」でも自分に有利な結果を求める姿勢は、「いかがなものか」という誹りを免れないでしょう。

 こうしたプレーを観ると、甲子園大会の野球が「変質」しているのでなければ良いが、と感じてしまいます。

 また、ある試合では、試合終了後、監督から「サイン盗み」があったと相手チームの控室まで行っての抗議(一般的には「怒鳴り込んだ」ということになります)が有り、その抗議に対して、相手チームの監督から「そちらもやっているでしょ」との反論が有った、と報じられています。

 事実であれば、本当に「情けない」応酬です。

 反則を指摘されて、そちらも反則しているだろう、と返すのでは、相手が悪いことをしているのなら、こちらも悪いことをしても良い、という考え方となります。
 「そちらが泥棒をしているから、こちらも泥棒する」とは酷い。

 「勝つためなら何でもやる」「とにかく勝てば良い」といった風潮は、スポーツで「上達する」「強くなる」という目的からは、かけ離れたもののように思われます。

 例えば、いつも「キャッチャーをちら見してキャッチャーの位置から投球コースを予測している打者」「セカンドランナー他から投球コースを教えてもらっている打者」は、相手投手・バッテリーが次に投げる球のコース等を「予測する力」や、「予測が外れた時の対応力・幅広い球種やコースへの対応力」は身に付き難いでしょう。
 対戦型の競技においては、相手の次の動きを予測することが、プレーにおいて最も大事なスキルのひとつであることは明白です。
 こうしたプレーをする選手は、そのスキルアップの道を自ら閉ざしていることになります。

 「(事前に)コースが分からなければ打てない」と生徒が言うので、「サイン盗み」をやったと言っている監督も居る、と報じられています。

 本当なのでしょうか?

 もし本当なのであれば、本末転倒の極みでしょう。投球が来る前からコースが分からないと打てない選手を、打てるように鍛えて行くのがスポーツでしょう。(余りに当たり前のことで、書いていて妙な気分になります)
 「自らの実力不足を不正で埋めよう」という選手は、スポーツマンとしての基本的な資質に欠けている人物ということになります。

 とにかく試合に勝って、大会で少しでも良い成績を残さないと、選手にはプロ野球や大学野球、社会人野球などから声がかからない、監督は「現在の監督契約を継続」できないし、より良い条件の監督職のオファーが来ないと考えることが、こうした「見苦しいプレー」が生まれる理由なのかもしれません。
 また、「他のチームもやっているのだから、ウチもやらないと『損だ』」と考えている可能性もあります。

 いずれも、選手や監督が「明日の自分の進路の為に」やっているのかもしれませんが、多くのプレーヤーの「明日への成長を阻害している」とも感じられます。
 これまで、日本プロ野球やMLBで活躍してきたプレーヤーの皆さんは、高校生時代に、こうしたプレーはやっていなかったと信じたいところです。

 プロ野球や大学野球、社会人野球のスカウティングを担当する人達は、高校時代にその選手が所属したチームの、甲子園大会を始めとする各大会の成績のみで「選定」を行っているのではなく、その選手の現在の能力、潜在的な能力、成長力、等々の多方面から評価しているのであろうと思いますし、自らのチームの「次の監督」を探しているチームの関係者も、各大会の成績のみで「次監督を選定」しているのではないでしょう。

 例えば、高校野球の監督であれば、「教育の一環としての指導」を行い、選手を育てるとともに、「はつらつとしたプレー」で全国にその名を示すことの方が、より学校のPRに結びつくようにも思われます。
 逆に、「あの学校のチームは『いつも汚いプレー』をする」という評判になることは、プラスにはなりそうもありません。

 もちろん、ファンの立場からすると「潔くないプレー」は見たくないものです。
 応援しているチーム・選手が「汚いプレー」を得意とするのでは・・・。

 もの凄く多くの人間が関与している高校野球界ですから、全てクリーンで、美しいプレーで彩られているとは思いませんけれども、少なくとも「反則でも何でもよいから『勝てば良い』」という考え方が横行するようになってしまっては、高校野球の「自殺行為」のように観えます。

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