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HOME   »   陸上競技  »  [陸上競技] 100m競走は「減速」との戦い
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 2012年ロンドンオリンピック陸上競技男子100m競走は、ジャマイカのウサイン・ボルトが9秒63のオリンピック新記録で制しました。ボルトは200m、400mリレーも勝って3冠。北京オリンピックから連続3冠の偉業を達成しました。見事な走りでした。

 100m競走の走行スピードの変化を示すと、以下のようになります。

 ①スタートから40m付近まで   加速
 ②40mから50mまで       最高スピード
 ③50mから100m(ゴール)まで  減速

 これは、どの選手でも共通しています。もちろん、加速が早く最高スピードに40mで到達する選手と逆に50mまで到達しない選手がいますが、いずれにしても最高スピードに到達した後は、徐々にスピードが落ちて行きます。
 したがって、後半が強いといわれているランナーが70mを過ぎてラストスパートにより加速し他の選手を追い抜く、ということは無いのです。50mを過ぎたら、すべての選手が減速していく中で、減速がより少ない選手が、他の選手より前に出るということになります。100m競走は、「減速をどれだけ抑えられるか」の勝負です。

 ロンドンオリンピックの決勝メンバーによる仮想レースを、この観点からアナウンスしてみましょう。

 『さて、各選手スタートラインに揃いました。きれいなスタート、フライングはありません。
まず加速が早いのはアサファ・パウエル。体の起こしも他の選手より早いこともあって、ぐんぐん加速します。 続いて加速が早いのはヨハン・ブレーク、パウエルに遅れること50㎝。リチャード・トンプソン、ジャスティン・ガトリン、タイソン・ゲイがブレークに続きます。ウサイン・ボルトは、少し遅れています。静かにスタートした形。
パウエルが40m付近でトップスピードに達しました。依然として50㎝のリード。ブレーク、ガトリン、ゲイ、トンプソンは45m付近でトップスピードへ。ボルトは50m近になってトップスピードに達しました。
40mから減速を始めたパウエルをブレークが60m付近で捕らえました。パウエルは急速に減速しているようで、ガトリン、ゲイにも抜かれました。先頭はブレークで70㎝のリード。しかしブレークも減速が大きくなってきました。減速が少ないボルトが80mでブレークを捕まえました。
80mを過ぎて、減速が一番少ないボルトが前に出ました。そのままゴール。ゴールでは、2着ブレークに1.5mの差がついていました。続いて50㎝差で3着はガトリン、続いて30㎝差で4着はゲイとなりました。
ボルトは、他の選手よりやや遅れて50m付近でトップスピードに到達した後、よくそのスピードを維持しました。減速を最小限に抑えた見事な勝利です。』

 こんな感じでしょうか。なんか迫力に欠けて、つまらないアナウンスでしょうか。

 現在の陸上競技100m競走は、こうした走りが良いとされています。スタートの反応時間は、厳密なフライングの管理により大きな差はつきにくい。トップスピードへの到達距離・時間は、後半の減速とのバランスを見て、選手ごとに決めていく形となります。
競技理論も年々変わり、現在の常識が将来の常識とは限りません。ひょっとすると80m地点でトップスピードに到達する方がタイムが良いという時代が来るかもしれません。選手の筋力、トラックの状態等、要因の変化が今後も続くと思われますので。
 
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