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HOME   »   競馬  »  [競馬コラム55] 牝馬三冠を創った馬 メジロラモーヌ
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 我が国のクラシックレースとは、桜花賞、皐月賞、優駿牝馬(オークス)、東京優駿(ダービー)、菊花賞の5レースです。
 牝馬三冠とは、桜花賞、オークスの2つのクラシックレースに、秋華賞を加えた3つのレースを勝つことです。牝馬も菊花賞に出走することができますから、桜花賞、オークス、菊花賞を勝てば、正統派?の牝馬三冠といえるのですが、長い日本競馬の歴史の中で、この形の三冠馬は存在しません。
 やはり、一般的には牝馬より牡馬の方が強いということなのでしょう。

 皐月賞、日本ダービー、菊花賞の牡馬三冠レースの盛り上がり、人気に比べて、牝馬の3歳路線はどうしても見劣りするということで、桜花賞とオークスにもう一つのレースを加えて3歳牝馬限定の「牝馬三冠」レースを創設しようという動きが起こり、1975年のイギリス・エリザベス女王来日を記念して、翌1976年・昭和51年からエリザベス女王杯(ビクトリアカップを継承する形で)が創設されたのです。京都競馬場2400mのレースでした。

 しかし、いくら中央競馬会や競馬マスコミが呼びかけたところで、クラシックレースという圧倒的な伝統と格式を誇る2レースと、後から我が国独自のレースとして開設したものでは、親和性に乏しく、この3レースを一体のものとして取り扱うことは、中々定着しませんでした。当然のことだと思います。

 そして、エリザベス女王杯が始まってから10年を経過し、1986年を迎えます。
 この年の3歳牝馬路線は、メジロラモーヌ中心でした。途中からダイナアクトレスが参戦して来ますが、やはりラモーヌの軸は動きませんでした。

 桜花賞を快勝し、8戦6勝の成績で臨んだオークスも、メジロラモーヌは東京競馬場の直線半ばで先頭に立ち、2着のユウミロクに2と1/2差を付けて完勝しました。オークス史上稀に見る強さであったと思います。

 そして、牝馬2冠を引っ提げて、エリザベス女王杯に進出したのです。このラモーヌの挑戦を受けて、初めて「牝馬三冠」という制度が一般の競馬ファンに注目されたと思います。メジロラモーヌは、このレースで苦戦しますが、クビ差勝ち切りました。早過ぎたとも言われたスパートで、ゴール前失速し、スーパーショットの急襲を受けましたが、これを凌ぎきったのです。

 マスコミは、史上初の牝馬三冠達成と評しました。そして、ファンも「牝馬三冠」を初めて実感したのです。戦後競馬についていえば、牡馬三冠を初めて達成したシンザンに相当するのが、牝馬ではメジロラモーヌでしょう。

 メジロラモーヌ号、父モガミ、母メジロヒリュウ、母の父ネバービートという、当時の最良血です。生涯成績12戦9勝、3歳時に有馬記念に挑戦し、大きな不利に見舞われて9着に敗れ、競走馬を引退しました。
 そして、素晴らしい競走成績と初の牝馬三冠が評価され、1986年にシンボリルドルフと共にJRA顕彰馬に選定されました。

 エリザベス女王杯は、1995年の第20回まで牝馬三冠の3つ目のレースでしたが、1996年からは秋華賞がこれに代わり、エリザベス女王杯は3歳以上牝馬限定の2200mのレースに変更されました。また秋華賞は2000mですから、2400mだったエリザベス女王杯より短くなりました。牝馬三冠目のレースの距離が短縮されたのです。

 結果として、桜花賞+オークス+エリザベス女王杯の牝馬三冠馬は、メジロラモーヌ唯一頭ということになりました。該当するレースが変更になったのだから当然のこと、という意見もあると思いますが、私にはメジロラモーヌの牝馬三冠の価値の高さを示すもののように感じられます。3歳牝馬にとっては厳しい2400mのG1レースを、2つ勝たなくてはならなかったという意味も含めてです。

 メジロラモーヌのレース振りは、最近の牝馬でいえばジェンティルドンナに似ていると思います。追い込みと先行粘りの両方のレースができるのです。
 そして、その青鹿毛の馬体の美しさも特筆できます。深い黒一色に観える馬体に、形の良い流星、可愛い顔立ち。牝馬特有の細い馬体ですが、細くてしなやかな筋肉が全身を覆っています。本当に、綺麗な馬でした。

 我が国の競馬に「牝馬三冠」という概念を創り上げた名馬が、メジロラモーヌ号なのです。
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